映画『エゴイスト』を見ました。泣けた…


ものすごくよかった。近年の日本映画で一番良かったかも。そもそも日本の映画は滅多に見ないんだけど、かつ多くの人が大絶賛した『ドライブ・マイ・カー』は、あんまりピンとこなかった私だけど、これはとても好きになりました。いやー マジで感動した。

2020年にガンで亡くなられたという編集者さん(高山真さん)原作の『エゴイスト』。

とにかく鈴木亮平さんの演技がものすごい。こういう人が本当に存在しているとしか思えないんだよねー。セリフを言っているとは思えない。なんかこの監督は、ほとんどアドリブで作っていくタイプの演出らしいけど、それにしたって、本当にすごい。

鈴木さんって、フジテレビでやった話題の報道関係のドラマに出てた人だよね。あのドラマは、話題になっていたので、配信でまとめて見たけど、実は全然ピンと来なかったんだ。だから、こういう映画見ちゃうと、やっぱり俳優って作品に恵まれてナンボだよなぁと思う。

うん、この映画をつかんだ、そしてしっかり役を作り上げた鈴木さん、すごすぎる!

その凄さといったら、『昨日何食べた』のケンジが圧巻だった内野聖陽さん以上かもしれない。とにかく全く違和感がない。あっちはコメディだけど、あのケンジの完成度は、漫画の方のファンの連中も(含む私)、マジで半端ないと誰もが思ったよね? 今回、それを軽々と超えちゃったかもしれない。

ゲイ仲間で楽しく飲み会しているところには、本当に一緒に混ざりたくなる。サムソン高橋さんがよくやってるYou Tubeの「ジョソラジ」みたい〜 楽しい!!! あぁ、いいなぁ!!!

セックスシーンもめちゃくちゃ綺麗で、自然で、本当にうっとりしてしまった。なんというか、ものすごいカメラワークというか、カメラがめちゃくちゃ近い。まるでドキュメンタリーみたいに撮影してて、何度も書くけど、セリフもアドリブを生かすような形で撮影されたらしい。だからすごいリアル。


確かにお金が入った銀行の封筒とか出てくると「エゴイスト?」とも思う。いや、違う。ここではみんなすごく幸せだ。悲しいけど、すごく幸せ。エゴじゃない。

そして途中「えっ?」という大きな展開がある。が、その展開があってからの後半が、すごくいいんだ。お母さん役の阿川佐和子さんも、とても素敵。あのお母さんの存在を持って、この家族は完成する。

なんかなぁ、こういう誰の家族とか、誰の親とか、そういうんじゃない家族な感じ。お互いを愛する感じ。これがいいんだよなぁ。あぁ。

それにしても繰り返すけど、鈴木さん、すごい。俳優って仕事って、すごい。本当に痺れる。

とにかくひたすら泣いて、超満員の映画館をあとにした。本当にパッツパツで、多分空席なかったと思う、平日午後の日比谷。みなさんも、予約してから向かってください。超おすすめです。



実は今、プロモーションしている『親愛なるレニー』も、なんか「愛」が溢れていて、ぐっとくるのだわ。バーンスタインもゲイだったの。で、彼もおそれずに多くの人に愛を注いだ。


PS
サムソンさんの文章が、めっちゃいいから、読んでー読んでー!!!