樋田毅『記者襲撃 赤報隊事件30年目の真実』を読んで震える…

 


またもや、すごい本を読んでしまった。樋田さん、すごい。この1つ前に読んだ『彼は早稲田で死んだ』も圧倒的だったけど、こっちは、もっとすごい。

多くが右翼の世界を描いているので、暴力が登場したり、殺されそうになったり、実際に殺されたりってのもたくさんあって、ほんとすごいよ。樋田さん、命かけてジャーナリストやってる…。っていうか、怖くないんだろうか。怖いよー

これは2018年の本なんだけど、安倍さんの事件以降、明らかにされていたことには…いや、安倍さんの事件がなくてもわかる。ここに出てくる「α教会」は、実は統一教会のことだ、と。

まさに背筋が寒くなる。

それ以外にも登場人物には、右翼の大物がたくさん出てくるんだけど、樋田さんの取材を持ってすれば、おそらく…おそらく赤報隊は、統一教会の末端の極端に武装化した集団ではないかという見方が正しいようだ。

その後、ポリタスTVで、樋田さんが話されていた、「彼は早稲田で死んだ」の「彼」の法事で出会った自称統一教会の元信者という方の話によれば「この本に書いてあることは正しい」

赤報隊は、教会としてのアクションではなかった。ただ末端の一部が過激化し、事におよんだ、と。

それにしても怖すぎる。彼らは石焼き芋屋に扮して、街の中を調査してまわっているとか、怖すぎるだろ。石焼き芋屋、この辺にもよくやってくる。あれは統一教会なんだろうか。

あと「絶対に秘密にするから」と警視庁に持って行かれた取材ノートの内容が、なぜか文春に流れてスクープとして勝手に取り上げられたりとか… 警視庁、何やってんねん!?

仲間と思ってた社内の某論説員(朝日社内)が実は教会からお金を受け取っていたということが発覚したり…いや、これは樋田さんも100%確信してはいないようだ。だが、複数の証言を総合するとそうなる。あの時、赤報隊事件の時、樋田さんがみるかぎり熱意を持ってことにあたっていた人だっったのに。

が、その人も、すでに亡くなっており、真実は闇の中だ。

と、まぁ、こんなのは一例にすぎず、そんな風にとにかく知ればしるほど闇は深く、読めば読むほどわけがわからなくなってくる。そもそも読みやすい本ではない。でもものすごい熱意に引き込まれ、あっという間に読み終わってしまった。

大宅賞を取った『彼は早稲田で死んだ』とペアになっているような本なので、あちらを読んだ方もぜひ。あちらを読んでない人は、あちらもぜひ読んでほしい。

あ、そうそう、赤報隊については、例の阪神支局事件が起きた時、中学生だったという草𦿶剛さんは、NHKの『未解決事件』の再現ドラマに主演されたのだそう。つまり樋田さんの役を草𦿶さんがやっているということで、その草𦿶さんは本の帯にコメントを寄せている。

未解決事件はNHKオンデマンドで見れるのだけど、なぜかこの回はなぜか視聴ができず。見たいよーー。ジャニーズだから見れないわけ?? おーい。(そういや来週?放送になるジャニーズのドキュメンタリーは楽しみだ。BBC制作)

それにしても。阪神支局を襲った犯人。時効なのだから、もう時効なのだから…ぜひ!! ぜひ名乗りでてくれることを望むという樋田さんのメッセージがこの本に込められている。


そして、読み終わって、津田大介さんのポリタスのこの回をまた見てしまった。樋田さん、素晴らしすぎる。このあともぜひ取材を続けてください。(この回、You Tubeのポリタス有料プレミアム会員じゃないと見れないんですよね。この回見るためのだけにも、会員になる価値あり!! ぜひ会員になって見てください)