ルナサを追いかけシアトル2泊4日出張 その4




これ素敵なオリーブオイル屋さん。大きな旅行カバンが持ってきてたら購入してたけど
持ってかえるのは面倒だからねー
でも旅先でお金を買い物に使わないのも、またコツなのかも?


はい、到着して寝て、やっとまともに1日目です。何度も言いますが、なにせ2泊4日なので。もっとゆっくり行けばいいのに、という方は前の投稿を読んでください。どうして2泊4日なのかわかります。

朝起きたはいいけど、とにかく寒くてもう外出する気にとてもなれない。メールで急ぎの仕事も入ってきちゃったんで、あちこちメール入れたりして仕事してたら、午前中はあっという間に終わってしまった!

昼は近所のショッピングセンターの上にあるチャウダー屋で、テイクアウェイ。これもなかなかの絶品! ちょっとしょっぱかったけど。

イギリスみたいに塩と胡椒は、別につけてもらえんものか…  



さてさて、実は昨晩前、寝る前にゴサード・シスターズにメールをいれて連絡をしていたのでした。そりゃ会場でばったり彼女たちに会って驚かすのもいいんだけど、なにせソールドアウト公演だから、彼女たちも無事チケット取れたのかな?という疑問もある。

そう、ここをいつも読んでいらっしゃる方なら、よくご存知のとおり、私はいつも連絡しないで会いに行くのがスタイルなんです!

事前に連絡すると向こうは気をつかうでしょ? それがなんとなくいやでね。マネージャー連ならいいですよ。でも私が仕事をしているミュージシャンの中には、マネージャーもいないバンドが多い。それに家にいる間は、みんな家族との生活や用事もある。

私みたいにほぼ仕事100%、あとは食べて寝て(走って、銭湯行って)だけみたいな生活しているわけではないんです。

また私が行くとなるとレストラン予約して食事設定するとか、日々の仕事の時間をあけようとか…そういうふうに彼らの生活の邪魔しちゃうのが、申し訳なくて。もちろん出張後、近い将来に具体的な仕事があって、何か真剣に1時間くらいミーティングしなくちゃいけないなら別ですよ。

でもルナサの場合メールもしっかりしてるし、トムもしっかりしてるし、そういう必要はない。

それよりも公演先に突然行くのが、あまり迷惑かけなくて済む。間違いなく全員そこにいるわけだしね。それになにより演奏が見れる。これはとても大事!

バンドは「わざわざわ来てくれた」といって喜んでくれるし、ポールなどは「お前いつもこんなことやってるのか」と半ば呆れていた。ポールも私を発見した時のリアクションがめちゃくちゃいいんです(笑)

それに全然関係ない会場に行ったらヨーコが居た、って彼らもめっちゃ面白いと思うんですよね。「面白い」って、実は海外の連中と仕事する時すごく大事なんですよ。特に対アイルランド向けについては。

いつだったかウーロフが「今、アイルランドとメールのやり取りしてんだけど、返事が全然こなくてさ」と私に愚痴ったことがあった。そりゃー北欧スタンダードに比べたら、アイルランドや英国はすごく遅い。若い子たちはだいぶ早くなったけど、50より上の人はやっぱり今でもすごく遅い。

そこで出た“アイルランドと仕事して30年”の私のアドバイス。「それはお前のメールが面白くないからだ」「何か面白いことを書け」と。我ながらナイスなアドバイスだったと思う。

そしたらウーロフ、それを実践し、すぐに返事をもらえたらしく、えらい感謝されたんだよね(自慢)。

そうだよね、誰だってつまんない相手とメールなんかしたくないでしょう。いくら仕事とはいえ…

なので、Being funny、おもろいことは、海外で仕事をする上でとっても大事。少なくともそれが私の持論です。それによってシビアな交渉が不利になることもあるのかもしれないけど、私は威張ってる日本の親父なんかよりよっぽどこの方が強いと思っています。

なので、なるべくことを面白くしようといつもおどろかしに行くんです。

海外おどろかし歴の中で面白いネタはいくつもあるんだけど、ルナサについては、いつだったか空港のゲイトで待ち構えていたこともある。

マネージャーから「このフライトだよ」と教えてもらっていたのでした。ゲイトにじゃーんと現れたら、ショーンに「お前は俺の母ちゃんみたいだな、いつも突然あらわれる」って受けまくった。あれは面白かった。

最高だったのはこれは本当に偶然だったんだけど、アムステルダムの空港でのアルタン。マネージャー(当時はトム・シャーロックでした)から「お前のフライトの近くに彼らもスキポールにいるよ、このフライトだよ」と教えてもらっていたのでした。

だからずっと彼らのゲイトで待ってたんだけど、いよいよ時間がたりなくなって、これ以上ここで待ってると、今度は自分が自分のフライトに乗り遅れちゃう…とばかり、自分のゲイトに向かって引き上げるべくスキポールのあの長ーい長い動く歩道に乗ったとたん、反対側に彼らが乗ってきた。

「ああああああーーーっっ」「なんだーーーー」とか言いながら、すれ違う私たち。あれは爆笑だったな。彼らに事情を説明する間もなく終わったのでした。あれは爆笑。

…とか書いてたら、アルタン・ネタで思い出した。いつだったか無印BGMのレコーディングで…あれはBGM17だったから2011年だと思う。ホテルのロビーで話していたら、Excuse Me Excuse Meと大きな声が。なんとマレード。親戚の結婚式で、わたしたちが泊まっていたホテルに彼女も宿泊していたのでした。あれは本当に偶然だったのだけど。

まぁ、アイルランドってそういうマジカルな場所なのかも。

話がそれた。しかし今夜のシアトルのこの会場、出演者であるルナサに会うのは問題ないとはいえ、どんな会場かわからないし、ゴサードたちがもしコンサートに来ないなら、この日の午前中を使って彼女たちの地元に会いに行ってもいいかなと思っていたこともあり連絡したわけです。

「 明日のルナサの公演に行く? 私は行く予定だ」って言ったら、「What???」みたいなメールが帰ってきて、本当に来るのか?とか、もうシアトルに居るのか?とかいう返事がすぐ入ってきていたんですよ。そりゃ、びっくりするわな。

で、もう、シアトルにはもういるよ、と。でコンサート見たらすぐ帰るんだ、と話したら、まぁ、面白がってくれてね… 

そしたら、 彼女たちも、私たち公演前にご飯食べてから行くから、よかったらご飯一緒に食べようよって誘ってくれて。 コンサート7時半からだったんだけど、5時半に会場の近くのタイ料理屋を予約してくれたんですよ。

本当にいい子たち。っていうか、なんか気を使ってもらっちゃって申し訳なかったな。

まあ、ほんとにいい子たちなので、想像できると思うけど、ほんとうに良くしてくれましたね。ホテルに迎えに来てくれて、一緒にレストランまで歩いて。途中、「あそこのビルに日本領事館入ってるのよ、ビザの申請に来たわー」とか街の様子を教えてくれる。

で、会場近くのタイ料理屋で、すごくおいしいタイ料理をごちそうになっちゃった。なんか返って申し訳なかったけど嬉しかった。ありがとね。



で、私も自分で公演チケット取ってたんですけど、一応念の為と思って、公演はソールドアウトだったし、彼女たちとご飯食べながらちょっとケビンに一発メール入れてみるかと思って、まずはケビンのメッセンジャーにメッセを入れたんだけど、これがなかなか既読にならない。

それでコンサート前で忙しいのかな、なんか食べに出てるのかな? みたいな思ってて、今度は携帯の中にトレヴァーの電話番号が入ってたんで、あ、トレヴァーにメッセージしようとトレヴァーにショートメッセージ。

まあトレヴァーに直接連絡するなんて、本当に何年かぶりかなんかだったので。 「誰だ、これ」とか返事が来て、「あ、ごめん、わからなかったよね、ヨーコだよ」って入れたら「本当にお前、シアトルにいるのか」とかってすごい驚いてくれて(笑)、「早く来い、開演前にみんな会いたがってるから」とか言ってくれる。ふふふふ、なんか嬉しいなぁ。

いやー、この仕事は本当にいい。いいや、分かっているんです。この仕事は、なんというか、ミュージシャンにチヤホヤしてもらえる仕事なんです。いつも、それに甘えてはいけないと思いつつ、こんなに歓迎してもらえると、私も、まぁデレデレなわけですよ。

トレヴァーは「チケット持ってなけれ招待するよ」とか言ってくれるけど、大丈夫チケットは持ってるからとか私もテキストで返事して会場に向かったのでした。

でも本当にルナサの公演、私が買った時は、すでに2、3席残して全部ソールドアウトだったんで、マジで私も危なかった。ルナサの人気、すごいですよね。今まで海外のこういう公演って、ぷらっと行っても入れるみたいなところあったけど、今やまったくあなどれない。

まあ、今やチケットなんかインターネットで簡単に取れるんでね。ぜひ海外までみに行く人も、事前に予約して行くことをお勧めしますね。

で、会場に行ったらブルーノートみたいなご飯食べられるような会場で、入り口のところに普通のお客さんと一緒に並んでたらトレヴァーが私のことを見つけてくれて、そのまま楽屋に連れて行かれた。

シスターズたちは5人席をキープしているらしく、大きなテーブル囲んでましたね。

で、まあ始まる前に、みんなに楽屋で挨拶できたのは嬉しかった。公演前なんて、ほんとはバタバタするからどんなに仲良しでも楽屋に行くもんじゃないんだけど、まぁルナサ、本当に可愛い。今や結構ビックになっちゃったけど、私にとっては永遠の中学生のバンドなんですから。

でも、ほんといつも思うんだけど、アメリカツアーとか本当に大変なんですよ。自分で何回か同行して体験して、もうこんなツアー絶対できないみたいに毎回思うくらいつらい。朝早いフライト、ご飯なんてちゃんと食べられない、車を交代で運転したり。

そういやルナサのおっかけで大西洋便に載ったこともあったなぁ。ダブリンからニューヨークに飛んだのだった。あれは結構な体験だった…

本当に彼らクラスだと楽じゃないし、ほんとうに旅は大変なんだけど、やっぱりね、彼らも各地でお客さんが待っててくれると思うと頑張るんですよね。何度も何度もアメリカはツアーしてるから、知ってるお客さんもいたりして。

こういう生活が職業だって言えば職業だけど、それだけじゃなんか計り知れない何かがあると思いますね。私には絶対にツアー生活は無理!





コンサート始まると、まぁ、シアトルのお客さん、すごくノリが良くて、もうケビンの話にドッカンドッカン受けてましたね。 

日本だとこのノリが無いからもったいない。でもその分、音楽に集中してもらえるから、やっぱり日本の方が環境がいいかなと思ったり。いずれにしても客層はだいぶ違いますね。私はルナサの音楽は日本向きだと思う。日本のお客さんはほんとに一音一音、すごく熱心に聞いてくれる。

アメリカ人とかアイルランド人とかルナサのコンサートに来ても、ただHaving good timeじゃないのかと思う時がある。まぁ、それもそれでいいんだけどね。私はルナサの音楽は自分が作っているということがあるにせよ、日本で聞くのが一番好きですね。

あ、そうそう、PAもなんかイマイチだったし。この会場の形じゃしょうがないのかな…とも思ったけど。

そしてアメリカの公演に行くといつも思うんだけど、ほんとお客さん白人ばっか。黒人もアジア系も滅多にいない。それでも数人いたかな…  チーフタンズのアメリカ公演なんて、ほんと真っ白だったもんだけど。ルナサはもっと、アイルランドうんぬんだけじゃなくて単なる「インストの音楽」として聞いてもらえているようにも思うけど、どうなのかな…。

あとそうそう特筆すべきはですね。なんとショーンがいたんですね。ルナサのアメリカのツアーってアメリカ在住のコリン・ファレルがフィドルやってることが多かったんで、今回ショーンには会えないだろうなと思ったら、数日前からルナサのfbにはショーンの写真がアップされているではないですか!

ショーンがアメリカにくることって滅多にないんだけど、今回はいろんなことが重なったらしくて、ショーンが来ることになったんだって。これは嬉しかった。

日本ではね、いつも絶対私はショーンご指名なんでショーンが来てくれなきゃならないぐらいな感じでやってるんで、すごく嬉しかったですね。

いつだったかショーンじゃなくてトーラ・カスティのルナサを見たことがあったけど、トーラもいいフィドラーだけど、やっぱり何かが違うんですよ。

で、あのもうショーンがね。私が病気になったときとか、すごい心配したんだよとか、何度も何度も言ってくれて。そうか、そんなに長く会ってなかったかなとか思ったんですけど…。うん、 確かに8年ぶりぐらいだったかもしれない。

それにしても、やっぱりバンドに会うのって大事だなと思ったのは、それによって、私もすごく、日本に帰ってがんばらなくちゃとか、こんな素晴らしい音楽預かって責任重大だとも思うし、 彼らもね、日本でお客さんたちが待ってくれているんだっていうのを、私が行くことによって実感するわけですよ。だからすごく大事だなと思うんだよね。

よく日本のプロモーターやレコ社でアーティストに会ったこともないまま仕事する人、いるけど、あれじゃダメですよね。やっぱりちゃんと会いに行かないと。(といいつつ、最近ではうちいも空港で初めましてのアーティストが3組くらいになってしまった。昔は1組もいなかったのに!)

まあステージからも、私のためにあれを演奏するとか、これを演奏するとか言ってくれて、3曲くらい演奏してもらったかな。かつわざわざ日本から来てくれたんだとか、そのうちケビンが日本には実はアルバム作りに行くんだみたいなこともステージで言ってしまってた。おい、おい、それはまだ内緒だぞーと思ったり(笑)

まぁ、でも別にアメリカのお客さんだからいいかなみたいな感じでした(笑)。まあ、とにかく彼らもすごく嬉しいって思ってくれてる。 本当に彼ら頑張ってる様子を見るのはもうなんというか、胸がいっぱいになっちゃいますよね。私もエネルギーを注入されました。

ていうか、お互いにエネルギーの注入ごっこ(笑)

ほんとにあの辛いツアー、ここまで頑張るかって…いうか。でもまぁ、あんまり同情しても良くないんから、ある時点で、「そっか、これは私にとっては大変なことだけど、彼らはこういうのが好きなんだなぁ」って思うことにしたんですけどね。

コンサート、終わった後、ゴサード姉妹たちとも話したんだけど、特にグレダが言ってたんだけど、ボーカルなしでここまでステージ出来るってのは本当にすごい、と。

確かに途中キリアンのソロがあったり、ショーンの「パンチ」とかトリオ演奏があったり、ホイッスルのすごいゆっくりした曲があったりとか、ほんとにインストルメンタルなのにヴァリエーションにも富んでいるし、もっともっと聞いていたいって思わせてくれるのがすごい。

コンサート終わって、メンバーと立ち話してて、ゴサードたちを待たせちゃうの申し訳ないなと思ったんだけど、彼女たちも大丈夫。待っててあげるとかって言ってくれて、結局彼女たちのファミリーは最後まで私につきあってくれちゃった。

ルナサとは公演終わってから、何分ぐらい話したかな…なんだかんだで。 30分ぐらいだったと思うのだけど、本当にみんな日本に行くのをすごく楽しみにしてるって言ってましたね。ちなみにこの時点では、エドは三ヶ月後に日本にフルックとして来日予定だったわけだから、あんまり新鮮味もなかったけど(笑)

ゴサード姉妹はわざわざそんなわけでホテルまで私と一緒に歩いてくれて(10分くらい)ホテルのロビーでバイバイ。「今日は面倒見てくれてありがとう」とか言ったら、ソラナ(三女)がすごく嬉しそうでね。なんか本当にいい子たちだよなぁ。

確かに、今日は、私、何も考える必要なく、地図も出さず会場に行き、戻ってきたって感じだった。まあ自分のバンドに同時に二つ合うのって、滅多にないんだけど、なかなかの体験でした。

それにしてもルナサは本当にすごい。 やっぱりなんというか、面白いバンドはたくさんいるんだけど、一人一人がとび抜けて上手いのは、ルナサだよな、と思う。

来週からはおそらくルナサの音楽的なすごさについて連載する予定なんだけど、ほんとこの「違い」がわからないやつは、もう知らん!!(笑)って感じだよね。この「違い」がわからないとダメだと思う。それを書いていきます。しつこくてすみません。

だから本当にみなさん、来日楽しみにしてて欲しいし、ライブ盤も是非応援してほしい。彼らすごく楽しみにしてるんで!

ステージ写真は彼らが持っているやつの方がベターなので、これも貼っておきます。


…で、この彼らの投稿の日付を見て気づいた! 出張は3月ではなく2月下旬だったことに。オマイガー! もう本当に記憶がやばい。海外出張も一つしちゃうと、1個前の出張のこと全部忘れちゃう。もう何も思い出せないわーー

このブログも戻ってきて、かなりの部分事前に書いてので書けたのでした。そうじゃないと、もうすっかり忘れている!?

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あと京都の公演チケットもお忘れなく。なんか思ったより売れるのが早いです。

あまりギッチギチにして環境が悪くなるのは避けたいので、各日130名くらいまでと思っていますので、お早めにお申し込みください。e+、ぴあ、会場などで販売中。すべてのリンクはこちらから。