スヴェング物語 その7

 

さてスヴェング、次のツアーは、なんと民音さん主催の大きなツアー。公演を見に来てくれた民音のMさんがスヴェングを採用してくれたのだ。ありがとう、Mさん! 

ただスヴェングだけだと、あんなに大きなステージは、どうも心許ない。なので、誰か日本人のミュージシャンに入ってもらおうということになり、私はアコーディオンの桑山哲也さんを激推しした。

そしたら、それが採用されたのだった! 実は自慢しちゃうが、桑山さんとは、キングレコード時代からの付き合いなのだ。宣伝担当してたパトリック・ヌジェが桑山さんを連れて良くコンサートをしていたので、よく彼の演奏は見ていた。

北海道出身暴走族あがりというキャラもよかった。本当に普段べったり一緒にやっているわけじゃないのだけれど、こう要所要所でご一緒できる間柄で、長くながーく一緒に何かできるって素晴らしいよね。本当に桑山さんにはツアー中、お世話になりました。

ステージでお客さんを笑わせてくれることはもちろん、爆笑トークとシリアスな演奏とのギャップも素晴らしく、本当に桑山さんとのステージは最高だった。

それにしても、スヴェングは何度も来日していたけれど、ここで初めて日本社会というものに触れたかもしれない。なんだかんだで日本に来たといっても、アテンドしているのが私じゃ、世界が狭いよね。

民音さんのオフィスに訪ねて行ったら皆さんが揃ってロビーで拍手喝采で迎えてくれたり、楽器博物館をご案内いただいたり(本当にすごいんです、民音さんの楽器博物館)それにお花をいただいたり果物をホテルの部屋に入れていただいたり、綺麗な女子社員がお茶を運んでくれたりと、そういう体験は私のツアーではできない(笑)

まずはツアーがスタートする前に、桑山さんとのリハーサルが行われた。まずは二組の共演を作るのに楽屋でリハーサルしたのだけど、桑山さんとマネージャーさんの素晴らしい連携プレイに私は感動しまくった。

このことは前にもブログに書いたけど、また書く。何度も書かないと人には通じないからね(笑)。かの有名な橋田壽賀子さんも、何度もセリフは同じことを言わせる、と強調していた。(だから彼女のドラマはセリフが長い、ということらしかった)

私なんぞは普段から楽譜を読むのもかなり怪しく、何がAパートで、何がBで何がなんなのかさっぱりわからないのであるが、桑ちゃんとマネージャーのMさんは、本当にてきぱきと二人三脚でリハーサルしてくれるのであった。あれには感動した。

的確に譜面をめくったりもするMさん。私なんぞは楽屋でみんなにお茶を入れるしかやることがない(爆)。もちろん大きな芸能事務所の音楽担当のマネージャーさんなんだから譜面とか曲覚えるのかお手のもんだろうけど、素晴らしいよね。あぁいうマネージャーさんがいてくれるとミュージシャンも心強いだろうなぁ。

しかも二人がすごく仲良しで、遊ぶ時も、いや遊ぶ時こそ(笑)、めっちゃ呼吸があってるのが良い。居酒屋の、席に着席した瞬間の、あの二人のワクワク感がいい!! 本当に素晴らしいチームだ。

中野サンプラザには桑山さんの奥さん、トコさんもきてくれて、みんなに木製のポストカードのお土産をいただいたりした。ありがとう、トコさん!


そうそうツアー先の名古屋の街で、夜歩きながら「桑ちゃんの不健康ぶりをフィーチャーしたテレビ番組」が放送されていたので、みんなで私のガラケーのワンセグで見たのもいい思い出だ。

みんなで爆笑した。スヴェングは桑ちゃんをフィンランドに呼びたがっていた。まだ、それは実現できてないけど、きっといつか!!だよね。

それにしても民音さんのツアー。桑山さんが協力してくれなかったら、こんなに良いステージにはならなかっただろう。桑山さんの広い会場をもぐっとまとめてしまう力に本当に感動した。本当にありがとう、桑ちゃん!! またいつか何かでご恩返ししないといけない。

音楽も素晴らしく、これなんか大好き。(メンバーが、リハを知らない間に撮影してたらしい…)


桑山さん作曲の曲なんだけど、なんというかリード楽器にぴったりのこの哀愁のあるメロディがたまらないよね。

2分くらいから始まる桑ちゃんのソロをノリノリで聴くゲーロのたたずまいが「おたく」っぽくってすごくいい! 

そして2分30秒から始まるエーロのソロの安定感よ。なんかエーロってほんと安心して見ていられる。

でも、それよりすごいのがゲーロのソロ。3分くらいのところ。確かにエーロが高音で決めているから、そう行くのはわからないでもないんだけど、いやーーーっっ そう来るかっっ!って感じ。

そしてそれを聞いた桑ちゃんが「おっ!」みたいな感じで笑うのもいい。そして音楽がドライブしていくこの感じよ。すごいよ、バンドが一体となった! っていうか、音楽ってすごいなぁ。

…っていうか、これサウンド・チェック中なんですけどっっ!!! リハーサル! スタッフ以外聞いてないよっっ!

ここで本気出してどうする!? でもこれがミュージシャン。ミュージシャンシップ。音楽に嘘をつけない。いやーーー いいよなぁ!!!

下は桑山さんがつれていってくれたカラオケ。ほんと楽しかったよなぁ。恋のバカンスぅー うー、うー!(笑)


スヴェングもうすぐやってきます。今回は、素晴らしいツアーを作ってくれたハーモニー・フィールズさん主導のツアーです。

東京公演のみウチで作りました。南青山曼荼羅で、アットホームなライブハウス公演です。


ハーモニカだけで、すべてを演奏してしまうフィンランドからやってきたカルテット。宮崎アニメのテーマ曲や、ハリー・ポッターなどの映画音楽、「恋のバカンス」(ご安心ください、インストです)や「赤とんぼ」もやるよ。シベリウスとショパンも! 詳細はこちら。