すごく面白かった。こういう映画、めちゃくちゃ好きです。賛否は分かれるだろうけど、こういう映画、私は大好物!
それにしても、ものすごい夫婦喧嘩だったよ。すごいな、夫婦って。
一緒に住んでいる他人同士ってすごいよな。しかも同じような職業なのもいけない。妻の成功に嫉妬する夫。自由奔放に振る舞う妻。
そして住んでいるのが、これまた世間から隔離された山小屋だってのもいけない。こんなところにいたら家族以外の人には会えず、どんどん行き詰まる。
妻はドイツ系で、フランス語が苦手。旦那はフランス人。共通語は英語。だから言語もあちこち飛び交う。目が事故にあって弱視だという息子が一番そんな中で、しっかりと真実を見つめているような気がする。
とにかく、家族といえど、人間関係において、これはいけないだろう的要素がたくさん詰まっている。ここに至るまでに、もう少しなんとかならなかったのだろうか…とも思うが、当事者同士じゃどうにもならないよね。
そして結果はとにかく「犬と子供が一番まっとう」ということだ。それ以外にない。
ちなみに私の中では犯人はクリアだ。少なくともこの状況下では、そう信じて、次に行くしかない。(あ、ついつい感情移入。これは映画だった。現実じゃない。笑)
しかしよく練られているよなぁ。脚本がすごいんだと思う。やっぱ映画は「本」ですよ。すべて「本」。そりゃ優秀な俳優、気の利いた演出、いろいろあるけど、すべては「本」がよくなくっちゃダメダメのダメ。
それにしても見にいってよかった。
この映画、トレイラーをどっかの映画館で見て気にはなっていたのだけど、それほど強く見たいとは思っていなかった。でも数日前に町山さんと藤谷さんのこの動画を見て背中を押されたのだ。
藤谷さんが「この映画、大好きでした」というのを聞いて、それなら私も、というわけで観に行くことを決意。藤谷さん、ありがとう。私も大好きでしたよ。
実際、すごく面白かったし、見ている時はまったく気が付かなかったんだけど、この映画、すごく長い。3時間近くあるのだが、それをまったく感じさせなかった。普段、長い映画、超苦手なのに!
というわけで、みなさんもぜひ。
ちなみに終わり方は、すごくモヤモヤするので、映画にカタルシスを求めている人、すっきりしたい人にはあわない映画かもしれない。
でも例えば実生活においては、なんにおいても事実って、こんな程度じゃない? 結局、本人の内側なんて、誰もわからないのよ。そんなもんなのさ。そう、メインであるだろう妻が、まったく自分の内側を語らないのがいい。それがこの映画をめちゃくちゃ面白くしている。
俳優陣全員素晴らしく、子供とわんこには野崎賞をあげたい。妻役の女優さん、圧巻。旦那やイケメンのロイヤーさんも。フランス人よねぇ…(笑)
ま、でも何度も言うけど、まったく主人公である妻の心の内側というのがまったく表現されていない、という徹底したすごい脚本にも拍手!
ちなみに旦那が大音量でかけてる音楽はこちら。ちょっと笑える。