チケットをゲットできたラッキーな皆さんと一緒に私も映画を楽しみました。すごくよかった。
まずは俳優が素晴らしい、映像がすごく綺麗。どこを切っても一流の映画でした。特に若い頃のベケット役の男の子。なんとあの「アンバー」の男の子役の子だった。すごくいい感じ。
いいよねぇ〜。なんというか優しさが溢れる、ちょっと気弱で神経質な感じもよく出ている。えっと、名前はフィン・オシェイくん。ちゃんと覚えておかねば。
ベケットの、あくまで彼のお母さんまで遡る女性との関係をフィーチャーしたもので、そこにブレがないから、コンパクトにまとまっていて、長くダラダラしない。そこが最高だと思いました。
まぁ、例えばスティーブ・ジョブズの映画ひとつ取っても、いわゆるアシュトン・カッチャー主演の伝記的ないわゆる彼の経歴をなぞるものと、マイケル・ファスベンダー主演のプレゼン発表前のごちゃごちゃを描いたシャープなものといろいろあるわけだけど、これは後者みたいなもので、これはこれで下手に経歴を流すよりも、彼の本質に直撃していて良いと思った。
こっちの方が、なんというか新しい読者に興味を持ってもらえるベケットが描けているんじゃないかしら。正直今、ベケットの経歴を教えられても、「あ、そうですか」みたいに着地しそうだし。
それよりかっこいい映画で、シャープに深いところにいきなり行った方が（それが正しいか間違っているかは別にして）興味がそそられる。経歴なぞって、橋にも棒にもかからない作品２時間見るより全然いい。
あ、そうだ、ジェイムス・ジョイスの奥さん役がブローナ・ギャラハー（コミットメンツのバーニーちゃん）だった。ちょっと嫌な性格の「めっちゃ強いゴリ押しの奥さん」をすごく味わい深く演じてた。しかし、すごいな。ジョイスの娘と本当にあんな感じだったのかな。
最後に早稲田大学の岡室先生が登場。お話もとても興味深かったです。なお先生から確認しておきたいのは、ベケットはそもそもノーベル賞の授賞式出てないし、あんな奇行もない、とのこと。そこから映画の「妄想」「ファンタジー」が始まっているということを忘れずに、ということ。なるほど重要ポイント。
それにベケット。先生の考えでは、この映画だけで見ると苦悩の連続な感じだけど、実際はそんなことはなかったらしい。そして先生によれば、本物のベケットは、この映画に出ている俳優さんたちよりもうんとハンサムでかっこよかったと力説する先生は、本当にベケットがお好きなんだなぁ、と感動しました。
というわけで、アイルランド映画祭、残り少なくなってきました。 もう終わっちゃうのかな、寂しいなぁ。ずっと延々やっててくれていいんだけど（笑）
このあとの上映はこんな感じ。
８日（土）アイリッシュパブ（すでにソールドアウト）
９日（日）あのボートに乗って（未見。これから見る）
＋レイト・アフタヌーン（←超おすすめ）
10日（月）ぼくたちの哲学教室（←超おすすめ）
11日（火）シェイン 世界が愛する厄介者のうた
12日（水）コット、はじまりの夏（←超おすすめ）
13日（木）ザ・デット「ダブリン市民より」より
すべて恵比寿のガーデンシネマにて 19:00より上映。https://irishfilmfes.jp
ところで、今、恵比寿ガーデンプレイスではこんな映画祭（無料）もやってるのね。すごい人でした。でも野外で見ると、どうも音がよくないよな…
とはいえ、ビールでも飲みながら、友達とツッコミ入れながら見たら面白いかもね。
映画のセレクトなどはキノ・イグルーさんがやってらっしゃるようで、むかーしむかしカウリスマキの上映会を共催させていただいたよなぁ、と懐かしく思ったり。ご活躍でなにより。
というわけで、恵比寿の夜はふけていくのでした。
写真撮るの忘れたけど、ガーデンプレイスの地下2階にあるFOODIEコーナーにある小諸のソーセージ屋。めちゃくちゃ美味い！！！ 絶品です。ぜひアイルランド映画祭行かれる方は試してみて。
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先日高校で素敵な授業をしてくれた吉原真里先生の著作『親愛なるレニー』をみなさんに強烈にご紹介したくTHE MUSIC PLANT初の「本」のイベントを行います。
北とぴあ音楽と本祭 第1弾は『親愛なるレニー バーンスタインと戦後日本の物語』吉原真里さんの講演、広上淳一先生との対談、若手ミュージシャンによるミニコンサートの他に、ホワイエには音楽の本が大集合。レニーゆかりのユダヤの焼き菓子やパン、ジャム、そして楽器体験コーナー（チェロやガムラン）もあり。￥2,500 http://www.mplant.com/lenny
スコットランドのトリオLAUが10月再来日。詳細はこちら。http://www.mplant.com/lau/
今年は春のケルト市はありません。秋のケルト市は豊洲にて10月に行う予定。7月1日発表。
THE MUSIC PLANTでは本屋も運営しております（神保町＆渋谷）。よかったらのぞいてくださいね。時々店長業務もやってます。http://www.mplant.com/index.html#book
THE MUSIC PLANTではアイルランド音楽名盤ガイドをリリースしております。第1弾 Paul Brady、第2弾 Mary Black、そして第3弾は10月発売。すでに制作が始まっております。www.mplant.com/books/
THE MUSIC PLANTのCDショップですが、そろそろ店じまい予定。在庫は限られておりますので、お早めに。http://www.mplant.com/shop.html