外出していて、時間が4時間とか空いたので、ちょうどいい映画はないかと思ってこちらを選択。あまり選択肢はなかった。ほんと最近、邦画とアニメばっかりだ。
スイスアルプスの山間に住む仕立て屋の女性の物語。フランス語がなかなか気持ち良い。圧巻なのは俳優陣の演技で、なかなか良い作品であった。
でもちょっと脚本が弱いかなぁ。脚本が弱い映画はつまらない。でもそこを補ってあまりある俳優陣の演技は素晴らしいと思った。
っていうか、この映画、セリフ、少なっっ! それに状況の説明も「空気」の流れでしかないので、非常にゆったりフランスな感じで、流れていく。
でも、同時に細部にいろいろ技があって、それはちょっと素敵だと思った。たとえば彼女のブーツが好きだと話す男性や、その靴が変わっていくことで、彼女の心情の変化を表現していたり。そういうの、いいよねぇ!
あと、この柳の木、すごく印象深いでしょ。いいよね。印象的なシーンでいつも出てくる。この木を見つけた時、監督は「やった! いただき!?」と思ったとか、思わなかったとか…
とにかく主演の彼女の演技も最高と言って良いでしょう。障害のある息子さん役の彼もいいし、恋に落ちる男性も、ちょっとマジソン群の橋のイーストウッドみたいな感じで十分魅力的だ。
そもそも彼女は、あまり語らず、とにかくちょっとした表情で表現するだけで、自分の気持ちとかを具体的な言葉では語らない。つまり静かな映画でもある。音楽はどのくらい流れていたっけな… 音楽の印象はない。
静かな映画好き。もうなんかうるさい映画疲れるんだよね…というわけで、おすすめではあります。
実はポスターやキャチコピーをみて、熟年女性の恋愛を描いたものというのはわかったので、「うーん、いいなぁ、私も恋をしたくなっちゃった!」みたいな結論を期待して見に行ったのだが…
なるほど、恋と息子の存在の間で揺れる彼女の結論…っていことで、私はなんとなく映画を見始めて、途中で「きっとこうなるんだろうな」と想像し、そのまま映画を見ていた。で、実際その結論になった。
そして最後は「なんだ、私のこの現状が一番いいんじゃん」になっちゃった。あれれ…。
ま、でも大事なのは自立ですよ。人は自立。
うーむ、いかーん、最初の期待とまるで違うやん!? 自分を恋愛モードに入れるためにこの映画を見たのに。これだから私は恋ができない。なんか面倒くさいんだよね、そういうの。自由なのが一番いいと思うと、面倒臭い事柄、自分で決められない事柄からは足が遠のく。
でも、当面の私の問題は「仕事からの自立」なのかも。人間、なんでも一箇所に依存するのはよくない。
とはいえ、まだ恋愛を諦めてはいないの。そういう面倒くささを乗り越えて、また素敵な人と出会える可能性をまだ諦めてはいないの。っていうか、本気でそう思うなら、ちゃっちゃとマッチングアプリに登録しなさいって感じだよね。by 50代 パーカーおばさん(高笑い)