クイヴィーン・オライラって誰?:The Gloamingで「音楽とは何か」を体現する温かな存在

FLOOKが終わって、自分の入院手術が終わってホッとする間もなく、日向敏文さんの新作にかかわる日々であれこれ忙しくしています。主に制作物、そしてプロモーション、取材ブッキング&立ち合いなんですが、これがなかなか時間を取られる。

実は新作、CDと配信はソニーさんですが、LP(アナログ盤)は日向さんの自主レーベルPremièreから発売になることになり、そのレーベル・マネージャーとして野崎も忙しくしているんです。まぁ、新しい事業というものは、いくつになっても楽しいもので、とにかくワクワクドキドキが止まりません。

この辺の詳細はまた追ってご案内しますが、取材もおかげ様でどしどし決まってきており、早いものは6月の2週目くらいから露出がはじまります。楽しみにしていてください。ちなみにCDジャーナルさん、コレクターズさんはすでに告知が雑誌の方からも載っていますね。

とても嬉しい。

今回は、ほんとうにサントラでもなく、何かタイアップがあるわけでもなく、フルオーケストラという豪華ヴァージョン。そして、あの日向さんがピアノにすら触っていない。作曲家といしての自分にフォーカスした本当に素晴らしい内容になっているので、みなさんもぜひ聞いてください。

ほんとマジで聞いてくれるだけでいいんです。全配信のプラットフォームで6月25日より聞けるようになりますから。

そんな日々の中、FLOOKが終わってプロモーションするの日々がいったん収束し、ここ数日忙しいのにかまけてブログがおろそかになりがちで、ブックレビューも溜まっているのですが、ボケボケしていると次のライブ:クイヴィーンの公演が近づいてくるではありませんか。

先日チケットを委託している南青山曼荼羅さんと話したところ、チケットは思ったよりも売れていて、すでに目標数の半分くらいはいっちゃっている。すごい。なので、皆さん、気を抜かずに早めのご購入をお勧めします。

小さい会場なので、すぐいっぱいになっちゃうから。チケットはここで買えます

というわけで、これからクイヴィーンって、どういう人なのかを少しずつこのブログで紹介していこうと思います。

まぁ、普通に考えて、やはりThe Gloamingで、彼のことを知ったという人は多いのではないでしょうか。かくいう私もそうです。

これとか、本当に素敵。1曲目はマーティンのレパートリー、そして2曲目はクィヴィーンのレパートリーになります。最後はまたマーティン。本当にいいですよねぇ。うっとりです。

The Gloamingは、マーティン・ヘイズがニューヨークのトーマス・バートレット他、アイルランドのすごい連中と組んだ夢のスーパーグループでした。

過去形なのは、まぁ、今後の活動はないだろうなと思うからです。今から振り返れば、あのバンドはマーティンの大ファンだったトーマスが、自分の子供時代の憧れの夢のバンドを作ったという理解が一番正しいと思います。

あれからしばらく時間がたち、デニスは悲しくも2022年に亡くなってしまったし(ちなみにデニスが撮影した素敵な写真を集めたものも掲載しているこちらの本も好評発売中)

それに私に言わせれば、この表現を表現するのに大人数は必要ではなく、結局のところはマーティンとデニスがクリエイトした何かに、いろいろくっつけたとしか言いようがないんですが、まぁ、その議題は置いておいて(笑)

このバンドのマネジメントはアメリカ側に存在していました。私もアメリカ側と何度かメールのやりとりや、実際に彼らのエージェントだという人たちと会ったことがあります。しかも2回も! それぞれ別の人物でしたのが、またおかしいんですけどね。ほんとエージェントビジネスって理解できないわ…

今だから言えますが、チラチラと「The Glamingは呼べないのか」と何度も音楽評論家界隈、大使館界隈、アイルランド音楽界隈、あちこちからプレッシャーをいただいたこともあります。

ここで私は言いたい。私が動いていないわけ、ないじゃないですかということを。だから私は私なりに努力したということは強調しておきたいです。

しかしアメリカのエージェントは手強かったですね。彼らは私のことをどこかから聞きつけたらしく、The Gloamingをやらないかとオファーしてきました。

だいたいこういう人たちはブルーノートとか、コットンクラブとかで別のアーティストにくっついて来日しては、こうやって新規のところに営業にやってくるわけです。

まぁ、ありがたいっちゃありがたいんですが、なんというか彼らは自分の仕事のスタイルを変えようとはしない。それでも例えば2、3年前に彼らのスケジュールがもらえれば、私だってやりようはあったかもしれない。でも彼らはそういう仕事はしてくれないんですよね。

こういうでかいバンドの場合、そしてそれぞれが忙しく自分のプロジェクトをかかえている場合、バンド内で話し合いが持たれ、The Gloamingの場合は1年の間、2週間だけライブのためにお互いのスケジュールを固めようという事になっていました。

そしてその2週間は、その時に来ているオファーで金銭的に良いものをピックアップするのだそうです。そんな中、正直、日本なんて箸にも棒にもかからない。中国は行ったみたいですけどね…  なんか考えちゃいます。そもそもマネジメント的なリーダーでもあるトーマスは飛行機が嫌い。できればニューヨークにずっといたい、そういう人なんです。

こういうことは、いくらバンドの中心のマーティンが頑張っても、本人にもどうにもならない。

ま、そんなことはともかく、The Gloamingでのクィヴィーンの立場を、ではなんと説明したらいいでしょう。すでにこのバンドのフロントには、マーティン・ヘイズという唯一無二の存在が存在し、フィドルを弾いている。

良いビデオを発見しました。あのBringing it all back homeなど、アイルランド音楽業界の素晴らしいドキュメンタリーを多数作ったことでも知られるフィリップ・キングがプロデュースしたドキュメンタリーからのクリップです。


マーティン「(このバンドを作った時に)想像してみたんだ、トーマス、イーラ、そして僕とデニス。ピアノとギターと演奏していた時に… 僕にはバックアップが必要だと考えた」

「バンドの連中を集めて言ったんだ。クイヴィーンを入れたらどうかな、と」

イーラ「耳を疑ったよ。だってマーティンは本当に完璧なフィドル奏者じゃないか」

「そしたらマーティンは言った。“僕は彼という人を選んだんだ。楽器じゃなく”」

「それって素晴らしくないか? なんというか音楽に対する考え方を凝縮してるよね」

さて、そのクイヴィーンの音楽世界をこれから来日まで時々、ブログに書いていきます。


THE MUSIC PLANTとしての次の公演は、こちら。

Caoimhín Ó Raghallaigh クイヴィーン・オ・ライラwith 黒木千波留
7月24日(木)南青山曼荼羅19:00開演 
¥6,000(+ドリンクオーダー) 
詳細はこちらへ


野崎は作曲家:日向敏文さんのマネジメントおよび宣伝をお手伝いしております。6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリース。配信でもすぐ聴けるようになりますので、みなさんもぜひ。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。
 

そして、その日向さんのひさしぶりのパブリック・イベント。6月26日 代官山「晴れたら空に豆まいて」にて。詳細はこちら。ニューアルバムの視聴会&公開インタビューと言った感じ。出演:日向敏文、武田昭彦、オノセイゲン

民音さん主催でゴサードシスターズの来日ツアーもあります。詳細は特設ページへ。


ポール・ブレイディが12月にケルティック・クリスマスで来日します。詳細はこちらへ。