ショパン・コンクールについては、この先生!というわけで、今、ワルシャワで大忙しの下田幸二先生に、TBSラジオセッションに出演いただき、現在盛り上がっているショパンコンクールをレポートしていただきました。
それにしても連日,コンテスタントの皆さんも大変ですが、追っかけるジャーナリストさんたち、先生たちも大変です。先生、残り数日!! 最後まで取材頑張ってくださーい(と、ワルシャワにフォースを送る)
そして…、あらっ、先生、素敵な著者近影! そう、下田先生はショパンコンクールの書籍を来年リリースされる予定です。注目です。
思えば、先生の奥様、高橋多佳子さんには、こちらの企画で、とてもお世話になったのでした。懐かしいなー!
「マズルカは農民の音楽。奴隷の音楽。アメリカのブルーズと一緒だ」
今までずっとワールドミュージックと呼ばれるジャンルを手がけてきた私の仕事人生。そしてそれをいかにクラシック音楽のファンの人にも聞いてもらうか…と願いながら活動してきたわけだけれど…
実はクラシックに影響を与えていた伝統音楽って、そうじゃないんだ、と。
音色の綺麗な、そしてフィドルであれば、ボウイングが長いものをクラシック音楽好きの人たちに勧めてきたのだけれど、そうじゃないんだよ、と。
実際は、こんなにも泥臭く、黒っぽく、ソウルフルなものだったんだと私も開眼!
今、ショパンコンクールは、第3次予選(マズルカあり)で盛り上がっているのだけど、この民族音楽な感じがわかってないとマズルカのリズムは難しいんじゃないかな。
…と、わかったようなこと言ったりして(笑)。すみません。でも私はそう思ったりしています。実際はどうだかなんて分かりません。
ヤヌシュいわく「この曲なんかインストでピアノで演奏したら、ショパンが書いたって言ってもわからないと思う。マズルカはポーランドの心だ」
ある意味、クラシック界に爆弾を投げてしまったかもしれない(笑)この企画。高橋さんも下田先生も笑って許してくれたのが、すごいと思った。クラシックの世界って狭くて怖いモンだと思っていたけれど、暖かく見守ってくださったお二人に心から感謝。
私はちょうど病気してたんで、あまり十分な宣伝ができなかったと思うのだけど、とはいえ頑張ったよな。本当に記事がたくさん出た。高橋さんとの対談も、音楽雑誌に掲載いただいたりして…
<ショパンと農村マズルカ>
小さい頃から身体の弱かったショパンは静養のために滞在した村で婚礼や葬式があるたびに行なわれる農民たちの演奏に熱心に耳をかたむけた。
シャファルニア通信(写真)は14歳のショパンが、そんな田舎暮らしの様子を都会に住む両親に報告するためにつくった子供新聞。農夫の子が歌う旋律に惹かれ、もう一度歌ってほしいとせがみ小銭を渡すなどのエピソードが活き活きと綴られている。
「音楽学校では勉強したこともない百姓たちが耳から耳へ残した伝統音楽。粗野で野性的で行き当たりばったりの和声の積み上げが不思議な音効果として彼の心をとらえて離さなかった」(from ショパン論 佐藤允彦)
ポーランドの民族音楽研究家のアンジェイ・ビェニコフスキ氏はマズルカは農民の音楽。奴隷の音楽。アメリカのブルースと同じだ」と熱く語る。日本で言えば中学校2年生の多感な時期に出会ったこの音楽がショパンの作曲人生に与えた影響は大きい。
その生涯のほとんどを亡命先のフランスで送りながら、ショパンは故郷を思い、多くのマズルカやポロネーズを作曲した。
(c) Kolekcja Muzeum Fryderyka Chopina, Narodowy Instytut Fryderyka Chopina
それにしても今、欧州でもっともかっこいい音楽といったら、このラインかもしれないと思う。このギコギコ言ってるフィドルの、何もルールがないような、自由で荒々しい魂の音楽。めっちゃかっこいい。時々入るストンプ(足踏み音)が、めっちゃイカしてる。
この動画をシェアした英国の音楽ジャーナリストは「ジャズだ」と説明しているが、それも正しいかもしれない。魂があるソウル・ミュージックとして存在しているジャズ。
とはいえ、ヤヌシュ、売れなかったよなぁー はははは、と高笑い。ま、この感じがわかる奴は、まだ日本にはいなかったということだ。
欧州では…とか言っちゃうのもダメなんだけど…欧州では、多くの伝統音楽の若い演奏家たちが車を運転し、みんなワルシャワ近郊を訪れているというのに! そして農作業を手伝うよと言って農家に押しかけ、おじいちゃんやおばあちゃんに夜な夜な台所で音楽を習っているというのに!
というわけで、現在絶賛公開中。こちらのショパンコンクールのドキュメンタリー映画『ピアノフォルテ』のPRのお手伝いしております。みんな見てね!
公式サイトはここ。
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◎野崎は、現在作曲家:日向敏文さんのマネジメントおよび宣伝をお手伝いしております。
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