鴻巣友季子さんの『英語と日本語、どうちがう?』を読みました。わかりやすい。

帯あり、帯なし、バックカバーと撮影しちゃった。




読みました!

先日西荻窪のらぼうに伺う際に、当然のごとく今野書店に吸い込まれるように入ってしまい、こちらの本を買ってしまいました。素敵な本屋さん、いいよね。西荻窪、いいよね。

鴻巣友季子さんの本、何冊も積読になっている。早くいろいろ読まなくちゃと思っていたのに、こちらを先に読み始めた。

このシリーズ、最初の番組に付帯するテキストブックかなと思ったのだけど、そういうわけではなく、あとで知ったのだけど2時間で読める教養というシリーズらしい。ここに公式サイトあり。

こういうの、すごくいい。

普段本を読まない人は、こういうのから読んだら良いと思う。装丁もいいし、手に取ったとたんこれなら読める、と思える。なんだろう表紙とかもいいけど、本文のフォントや大きさとか行間のピッチとか、そういうのかな… ものすごいプロが考えたに違いない。

とにかく2時間で読めるのだから、ちゃんと読んで読書の成功体験を蓄積するべし。

思うに読書ってできない人は「買っても読まない」ことが敗因なのかもしれない。そうすると買ってもお金の無駄という結果になるのだから。

わたしなんて図々しくて、おそらく積読500冊くらいになってても平気なんだけどね(爆)。(ちなみに夏葉社の島田さんは積読1,000冊らしい)

でも、ちゃんと読めれば本は間違いなく値段分の利益はある。

というわけで、さっそく読み始めたのだけど、本当に2時間で読めた。いや、もう少しかかったかな。普段、わたしの本読みは割と斜め読み気味なんだけど、この本は、なんか内容が濃く、丁寧に読ませるというか、そのせいで3時間くらいかかったかも。

とにかくいろいろ知らないことばかりだった。そもそもアルファベットの起源って、こんなに古いんだ、ということ。そして物語の起源は「詩」だったということ。だからライミング(韻を踏むこと)が重要だったらしいということ。

これ伝統音楽、伝統歌に通じる話じゃありませんか。

そしてなぜ韻文が使われていたのか。それは記録する文字がなかったから。語り部(歌い手)が覚えやすいように韻が踏まれていた。(そしてこれは伝統歌の世界でも言われていることで、語りよりも歌にしちゃった方が人間、覚えていられるんだよね)

そして古代ギリシャから言葉を制することで社会を制することを試みる偉い人たち(笑)。それによって翻訳という作業が生まれた。なんかこの辺は吉原真里さんがよくお話されている「英語の持つ暴力性、優位性」とかも思い出させる…  すごいな。

そして外国からやってきた概念。明治以降、日本に外国から入ってきた言葉たちの話。それまで日本にはこれらの概念を表す言葉がなかった。名前がないのだから考え方として認識できるわけがない! そのくらい言葉って大事なんだ…という目鱗!

これはいつだったかキニマンス塚本ニキさんの講演でも知ったんだけど、日本では存在していなかった概念・言葉はたくさんある。

鴻巣さんのこの本によれば、池澤夏樹さんは、たとえばright 「権利」は「権理」とすべきだった指摘。(確かに!!)

そして日本語における音読みと訓読みという存在。この発明はすごかった!! …という話もすごく面白い。音訓の分離は日本語における大革命であった、と書いているのは、これまた池澤夏樹さんだそう。(池澤さんの本、読んでみたい)

そして日本語と英語の大きな違い。主語ではない言葉が「〜は」と一見主語のように登場する。例えば…

(1)象は、鼻が長い。

(2)わたしは、アイスクリーム。

(3)あなたは、ショパンよね。

(4)今日は、出かけます。

(5)フランス語は、きらいだ。

などなど。こういった表現が使われるシーンは、それぞれイメージできますよね。

でもここで出てくる「〜は」は主語ではない。こういうのを「ウナギ構文」とか「こんにゃく構文」って言うんだって。知らなかったよ。

こんなふうに日本語は主語ではなく「主題」が優勢になる文章がある、と鴻巣さんは詳しく示してくれます。この考え方、英語を翻訳するときに、実はすごく役に立つ、と。

確かに!! 言われてみれば、なるほどと思いましたが、それまで全然気づかなかった。なるほど「主題」の方が主役なのか、と。

そして「三人称の衝撃」。このトピックでは、さらに衝撃的な話が。日本語には三人称の概念がなかった。そういや昔話も「むかしむかし、おじいさんとおばあさんがおったそうな」みたいに始まるではないか!!?

こんなふうに言語って、すごいんだな、というのを改めて思ったのでした。日本語すごい。そして合理的な英語という言語も、これまたすごい。これらを考えだした人間すごい。

そして言葉や名前によって概念が決定される、言葉もすごい。

また翻訳というのは「身体をはった読書」と鴻巣さんは何度も強調しています。まずは原文を誤解なく読み込み、間違いのないように理解しないといけない、と。

これも、なるほどと思いました。

実は、以前、通訳の友達に学校講演をやってもらった時、彼女は「日本で仕事をする以上、日本語の方が大事」と話していました。

実際、彼女の日本語はすばらしく通訳をすれば、逐次通訳であっても、ほぼ同時通訳であっても、彼女の訳をそのまま文字起こしすれば、しっかりした文章できちゃうくらいすごいんです。

でも、鴻巣さんのこの本を読んで改て「よく読む」というのも重要なんだな、と思いました。まぁ、よく考えたら当然だよね。また通訳と翻訳という違いもあると思う。どちらの仕事もすごいよーーー

しかし、通訳、翻訳って、すごい仕事だよなぁ。そして、このシリーズ気に入ったので、さっそく懇意にしている書店さんにこのシリーズで数冊注文。届くのが楽しみ。

ところでこちらは鴻巣さんのTwitterから。いやはや名言。「翻訳できないものこそ、翻訳を待っている」素敵だなぁ。

   

◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろすことにしました。公式サイトは近日中にアーカイブ化する予定。

自分で作る主催公演や招聘はもうやりませんが、2026年も若干雇われおよびお手伝い案件(笑)があるので、そちらはゆっくりとこなしていく予定です。これからはのんびりと。

宣伝の仕事は続ける「かも」しれませんが、まぁ、それはクライアントさんあってのことだからなぁ。どうなるか…。年に1本くらいならやってもいいのかな…。

この日記も自分のペースで続ける予定。fbページは適当なタイミングで閉じて個人アカウントに集約していきます。大好きなTwitterは以前と変わらない自分ペースで続けてます。

◎で、さっそく2026年のお手伝い案件。今話題の(?)のグリーンランドからナヌークがグリーンランド自治政府のサポートを受けてやってきます。もちろんこの企画半年以上前から決まっていたのですが、当初11月にやる予定が、2月になりました。

2月25日(水)、26日(木)、南青山の「月見ル君想フ」にて無料(しかし要登録・ドリンク代700円)のライブがあります。詳細はここ

登録フォームはこちらで31日10時から受け付けます。ぜひご来場ください。

 

◎2月24日には恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAにて、『サウンド・オブ・レボリューション グリーンランドの夜明け』を上映。そこでトークイベントとちょっとしたミニライブもあり。詳細はここ。MC通訳は大好きなキニマンス塚本ニキさん。チケット発売は2月4日。劇場のサイトにて。

 



◎そのナヌークは23日、高円寺こんなイベントにも出演します。詳細はこちらのサイトにのちほど掲載予定。気象神社で、グリーンランドの音楽を聴きながら気候変動を考えよう! こちらはアコースティック・セットです。こちらも入場無料。

◎パンデミック後くらいから作曲家:日向敏文さんのお手伝いしております。昨年の6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリースされました。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中


◎その日向さんは、91年の大ヒットドラマ『東京ラブ・ストーリー』のサントラを手掛けていたわけですが、そちらが2月に35周年記念のリイシューされることになりました。詳細はこちら。

◎ショパンコンクールのドキュメンタリー映画『ピアノフォルテ』のPRのお手伝いしております。東京での上映は一旦終了しましたが、これから公開になる地域もあるようです。みんな見てね! 公式サイトはここ

◎アイルランドのフォークホラー(?)映画、2月6日公開。 映画『FRÉWAKA フレワカ』詳細はこちら