我が心のエス 

先日実家に帰ったら、倉庫の奥から「KENSO」と書かれたファイルが見つかり、そこでいろんなものが出てきた。笑える。多くは過去の新聞や雑誌の切り抜きだった。

まぁ、清水さんはちゃんとそういうパブリシティをご自身できっちりファイルしているタイプだから、きっとすべてお持ちだろうと思ったのだが、ふと見たら、エスのチラシがあるではないか。

小口さんの、半ば秘密バンドみたいなキーボード・トリオ、エス。

やっすい色上質紙(しかし薄っぺら。70kくらいじゃないのか。向こう側が透けて見えそうだ)のライブちらし。すごいな。

当時、このようなライブでデザイナーを雇う予算など私にあるはずもなく、なので自分で、おそらくクオーク・エクスプレス(私はイラストレーターより圧倒的にこっちだった)で作ったチラシ。

笑えるよー。


そもそもチラシに書けるすごいプロフィール・ネタがこのバンドにあるわけではなく(ごめん、小口さん)、この、多くの人が知らない音楽をいかに届けるかということにかけては、本当にガンバっていた私。

この若いころの頑張り。凄すぎるよ。読んでて涙でちゃう! それは頑張っている自分に対する懐かしさか、今の自分にはこれはもう無理だという諦めか。

でも若いうちに、頑張れるうちに何事は精一杯やっておいた方がいい。こういう情熱は、一瞬にして枯れてしまうのだから。もう私にはこういうパワーはない。だからパワーがあるうちに好きなことをやっておいて本当に良かった。

とにかくチラシに書くことが何もないから、前回のライブに寄せてもらったお客さんのコメントを延々と書いた。協力してくれたお客さん、本当にありがとうございます。でも、果たして、何人の人がこのチラシでエスのことを知ってくれたのだろうか。

さらに驚くことに、私はこのライブの日。当日配布するためのパンフレットまで作っていた。

今やクラシックのホールさんに「野崎さん、当日配布するためのプログラム作ってください」と言われて、「えーーーっ、いいよー 面倒さいなー」と思ってしまう怠惰な私なのに!!!

誰に頼まれたわけでおないのに、こんなの作っていた。

内容はといえば…


メンバーのインタビュー。車!!(笑) 車かよ、おいっっ!! そして車のことも、音楽以上に何もわかっていない私。でもリハーサル見に行って、この人たち車のことだったら話してくれるのかもな、と思ったんだろうな(思考が浅い!!)。


そして楽器!(爆)楽器なんてますますわからない。


でも、なんとか…本当になんとかこのバンドの魅力を伝えようとしてたんだね。必死!(笑)


「エソプトロン」の広告まで入れている(笑)。このころ、私はいったい何を考えていたんだろう。

先日、久しぶりに清水さんにお会いする機会があって、このパンフレットとチラシをお渡ししたら「野崎さんも、みんなが知らない音楽をプロモーションすることにかけては、すごいですね」とお褒めの言葉(と思っておきましょう)をいただいた。

爆笑すぎる。この熱量。このパワー。でも清水さんが、少年時代に描いていた変な絵とかは、もっとすごい。笑えない(笑)例えばこういう絵(笑)


今は「ケンソーの清水」になったから良かったようなものの、今、この絵は綺麗に着色までされてユニオンから出たDVDのカバーになったから良かったようなものの、こんな変な絵を描いて、単なる変なやつだって!(笑)

でもこの表現力。このあふれんばかりの表現に対する飽くなき追求こそが、芸術家なんだよね。

それにしても、ほんと懐かしい。そして、こうやって頑張っていた頃の自分は、数十年後の今の自分も励ましてくれる。

いいよなぁ、こういうパワー。私、頑張ってたんだね、と。

こういうパワーを、若くてバカな私に与えてケンソーの音楽に感謝!!
小口さんの名曲 「GIPS」、そして「空に光る」に流れるくだり。同じく8曲目の「エス(通称:小口ワールド)」からの「心の中の古代」。最高だ。最高の音楽。


そして、こちらはおそらくキーボードマガジンに掲載の小口ワールド特集。写真がかっこいい。そして小口さんによる譜面の解析を見ても、私には何がなんだかさっぱりわからない。



それにしても!!! まったく小口さんったら。みんなよりも先に逝っちゃって、わたしたちみんなに追悼されて、まったくもーーー(と、まだ怒っている)

こちらの小口さんの記事は清水さんに差し上げた。清水さん、ありがとう。ケンソー、ありがとう。そして、エス:小口さん、野上さん、大塚さん、本当にありがとう。

   

◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろすことにしました。公式サイトは近日中にアーカイブ化する予定。自分で作る主催公演や招聘はもうやりませんが、2026年も若干の雇われ・お手伝い案件(笑)があるので、そちらはゆっくりとこなしていく予定です。

◎で、さっそく2026年のお手伝い案件。今話題の(?)のグリーンランドからナヌークがグリーンランド自治政府のサポートを受けてやってきます。もちろんこの企画半年以上前から決まっていたのですが、当初11月にやる予定が、2月になりました。

2月25日(水)、26日(木)、南青山の「月見ル君想フ」にて無料(しかし要登録・ドリンク代700円)のライブがあります。詳細、ご登録はここで。1週間前から受付開始してますが、すでにかなりいっぱいです。特に初日はあと30名ほど。

バンドでの演奏が聴けるのは、このライブハウス公演のみです。

 

◎そのナヌーク関連で、2月24日には恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAにて、『サウンド・オブ・レボリューション グリーンランドの夜明け』を上映。そこでナヌークのトークイベントとアコースティックセットでちょっとしたミニライブもあり。詳細はここ。MC通訳は大好きなキニマンス塚本ニキさん。予約始まってます。こちらへどうぞ。

 



◎そしてナヌークは23日、高円寺こんなイベントにも出演します。詳細はこちらのサイトにのちほど掲載予定。気象神社で、グリーンランドの音楽を聴きながら気候変動を考えよう! こちらもアコースティック・セット、入場無料。



◎パンデミック後くらいから作曲家:日向敏文さんのお手伝いしております。昨年の6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリースされました。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中


◎その日向さんは、91年の大ヒットドラマ『東京ラブ・ストーリー』のサントラを手掛けていたわけですが、そちらが2月に35周年記念のリイシューされることになりました。詳細はこちら。 最新インタビューをotonanoにて連載中!

◎アイルランドのフォークホラー(?)映画、公開中。 映画『FRÉWAKA フレワカ』詳細はこちら