昨日はLOFT HEAVENで行われたトークイベントに参加してきました。というのも、12月に小泉八雲「朗読のしらべ」でお世話になる佐野史郎さんが登場するからです。
それにしても佐野さん、どこを切っても深い。深いから、佐野さんについて私が勉強すべきことがあまりにも多すぎる… 公演まで終わらないだろうな。そしてチケットはソールドアウト間近。やばい。皆さん、急いで!(こちらのサイトへどうぞ)
普通は公演をこうやって決めると、もしくは最終決定のその前に、出演者についてあれこれ勉強と称して、あっちのイベント、こっちの映画、あっちのコンサート、こっちの本と探っていくわけですが、それがとにかく佐野さんの場合、膨大にありすぎる。
でも、こういう公演以外の活動が、私の、この仕事の最高に楽しい部分なのです。ロマンチックな部分とも言える。一方で企画が発表され、企画が進めば、あとは地獄の苦しみ…というわけなんですけど(笑)、いや、ほんと勉強プロセスは本当に楽しい。
自分は本当に何も知らないなぁと思うと同時に、いや〜これが知れてよかったと幸せな気持ちにもなる。
やっぱこの仕事は最高だよな。
それはさておき!
相手が佐野さんとなれば、なにせ深い、深い。映像作品だって全部見れているわけではなく、音楽についてはSKYEと作った一番新しいCDを配信で3回くらい聞いて「かっこいいなぁ!」と思った程度だったのでした。
そして、その佐野さんがエンケン(遠藤賢司)さんを語るという。
私は、正直、エンケンさんとか言って、よく知っているわけでもなく、認知度は「みんなが尊敬するえらい人らしい」程度。そもそも日本のこういう音楽にも超うとい私。
「大丈夫か?」と思いつつも「これも勉強」と思い、うかがったわけですが、いやー めっちゃくちゃ楽しめました。
なんというか、一番濃いところにドブンと飛び込んだ感じ。濃いところって固有名詞がわからなくても面白いんですよね。
そして共感ポイントは、自分がすでに持っている濃いところと、シンクロしたりもする。本当に面白い。(そういう意味では人生の真理とは、うんとシンプルなものなのかもしれません)
やっぱりあれこれネットを漁るより現場だよねぇ。みなさんのお話しやライブの貴重音源、映像などを見て、いたく感動した2時間半だったのでした。
以下にちょっとレポートしますが、佐野さんや出演者の発言は、私があくまで「聞き取った」「そう理解した」ということで、正しくないかもしれません。あくまで「文責:のざき」でお願いいたします。
それにしても80年代の東京のライブハウスシーン。すごいです。ものすごい人が、驚くほど小さい小屋でやってたりする。
当時はインターネットがないから、ファンは「ぴあ」や「シティロード」の細かい文字を追いながらライブを探すしかなかった。エンケンさんのライブも行ってみたら、お客は10人とかよくあったのだそう。
佐野さんったら、エンケンさんのバンドにいて、2年弱活動していたらしい。その時の爆笑エピソードや貴重な音源を湯浅学さんとサミー前田さんにつっこまれて語っていきます。
(そういや音楽評論家でミュージックマガジンなどでおなじみの湯浅学さんって生で初めて目撃したかも! こんな方だとは思わなかった。イメージと全然違った・爆)
特に笑買ったのが、エンケンバンドができる前のリズムマシーンとのライブ。
とくかく延々、パワーで押しまくる。本当にすごい!!!
エンケンさんって、ぶっ飛んだ人だったんだなぁというのはもちろんだけど、わたしは何よりその音楽がすごいと思った。特にライブ音源や映像は、もう圧巻のひと言に尽きます。
佐野さんはエンケンさんの「ほんとだよ」という歌が大好きで、昔からよく聞いていたんだそうです。
佐野さんはエンケンさんに自分が演奏したカセットの「ほんとだよ」を渡して、そこから本人との交流がスタートしたんだそうです。また当時あがた森魚さんが映画を作りたがってて、そこの縁から自分の俳優の仕事につながっていったので、本当にエンケンさんには感謝しているとお話しされてました。
そして、登壇者皆さん全員で、エンケンさんに最初に会ったのはTAKE OFF7だったか、ラママだったとか、ムルギーカレーがどうしたとか、ワイワイ(笑)。
そうか、渋谷って昔はそういう場所だったんだ…とちょっと思ったり。みんな正確に覚えていないし、覚えていても記憶が違ったり…
他にも中川イサトさんの名前や高田渡さんの名前とかも出てきて「あっ、ちょっと自分も知ってる世界」と安心したり…。
そして、そうだ、中川五郎さんも本来はこっちの人なんだよなぁ、と思い出したり。
そして細野さんも、エンケンさんを本当に評価していたし、大滝さんは「彼の方が先に日本語ロックをやっていた」と認めていた、と。
あ、そうそう、エンケンさんと佐野さんの爆笑エピソード。いくつかお話しくださったんだけど、その中のひとつ。
これ、有名な話で佐野さんもあちこちで語っているのだそうですが、佐野さんは、とあるドラマに出演時にミュージシャンの役だったので、撮影に使うギターということで「どのギターがいい?」とスタッフに聞かれ、ホワイトファルコンというものすごいギターを提供してもらったのだそうです。
で、撮影が終わって、そのギターを無料で手にいれたものの、佐野さんは結局そのすごいギターは自分では弾きこなせなかった。
なのでエンケンさんに譲ると言ったら、彼はお金を払うと言って聞かない(笑)。なので、結局売ったのだけど、それは今でいうところの転売ヤーか、という話になり、会場大爆笑。
いやー なんか伝説だよなぁ!
失礼なこと言っちゃうと、この辺の人たちって、結局のところ大きなコマーシャルな成功はなかったと思うんです。でもこうやって日本の音楽文化が、しっかりと存在していたんだなぁ、と妙にしみじみ。
そして、やっぱり佐野さんって、先日のインタビューに立ち会った時にも思ったんだけど、俳優というよりミュージシャンなんだなぁ、と思いました。理解が違っていたら、すみません。でも本当にそういう印象を私は持ちました。
だから山本恭司さんとのこの共演は、やっぱりバンド活動。それにしてもますます12月の公演が楽しみ。
佐野さんは昨日のステージの上からも、松江や北とぴあ公演のことを告知してくださり、チラシも会場に置かせていただいたりしたのでした。(ありがとうございます!)
ところで、昨日は経理部長とのミーティングのために実家に行き、その帰りにこのイベントに伺ったわけですが、親から大量の「かぼす」を持たされたので、出演者の皆さんへということで、差し入れしちゃった。
93歳の父親、昔は学校のセンセ、今はファーマー。娘はガン患者なのに、元気ですごいです。
しかし、返ってご迷惑じゃなかったかしら…(ちょっとおばちゃんみたいな行為で、赤面)親も、まさか朝ドラ「ばけばけ」の島根県知事にこのかぼすが渡ったとは思わないであろう。
お酒飲みの方は焼酎に入れると良いのです。私は味噌汁にいれていますが、これがうまい。塩分を感じなくなっちゃうから危険ではあるのですが…
それにしても大量にある。
さてこの週末は小泉八雲「朗読のしらべ」の松江公演です。私も自分の公演の下見もかねて見学に行ってきます。楽しみ!
こちら数日前に山本恭司さんのfacebookにあがっていた「朗読のしらべ」のリハーサルの様子。めちゃくちゃ楽しみ。
しかし追悼イベントっていいなぁ、と思った。スタートにみんなでエンケンさんに献杯。そして「あぁだった、こうだった」と語る。そうね、ほんとね。生きている者、残された者は語り繋がないといけません。
ケンソーも小口さんの追悼イベントやらないかしら。ボロボロで画像も荒いけど、エスのライブ動画もあるのだし。あれもエッグマンだったよなぁ。清水さんが白衣を着て金髪でゲストとして登場してくれたっけ。
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