映画『ネタニヤフ調書』を観ました。絶句。

土曜日の渋谷には行きたくないので、表参道からアプローチをかける。イメージフォーラム。いい映画やってるよなぁ。

絶対に見たい。でも早く終わっちゃいそうな気もしたので、なんと初日初回に観に行きました。

満席ではなかったけど、かなり埋まっていて、イメージフォーラムさん、好きなので悪くは書きたくないけど、会場のロビーが激混みで終演後外に出るのにすごく時間がかかった。あちこちでみんなイライラ。

スタッフはカウンターの内側でお二人がフル回転してらっしゃる。次の映画のチケットを買う人と、パンフレットを買いたい人でロビーは混乱。

人数は大したことないのだけど、人の導線ができてないと、百名くらいで大混乱するのだ、人流は。一方で人流ができていれば、何千人でも捌ける。

余計なお世話承知で書くけど、例えば混みそうな映画の初日は会場整理を配置した方がいいかも? それとも配給会社がその日だけ応援を出すとか…(それは、立場が上の映画館からの配給イジメになっちゃってまずい行為になるのか?)。それかパーテーションを置くとか?

それはさておき映画の内容は… 

構成は、まぁ普通だ。しかし何よりこの取り調べの動画がすごいね。これがプロデューサーに流出し、この映画が可能になった。

警察も相当イライラしている。イライラした警察がおそらく「わざと」流出させたのかもしれない。勇気ある行動に、世界が感謝したい。

そして、その貴重な動画に、イスラエルの各関係者のインタビューを挟んで構成していく。

元首相、元側近、子供の時の友人、公邸のハウスキーパー、元選挙参謀に加えてメディア関係者。最後に出てきた普通の農家の住民の女性(まだ20歳)などがインタビューに答える。最後の彼女の話にはグッときたね。

他にはインタビューはないもののアメリカの実業家や、カジノ王、映画プロデューサーのミルチャン(例の『ボヘミアン・ラプソディ』など)、トランプやメラニアなどなどの映像や写真が挟まれていく。

結構絶句しちゃったのがシャンペンと宝石好きの3番目の妻。すごい。取り調べでも全然負けてないのが、すごすぎる。本人によりもすごい。先日も宮城の選挙に介入してた亡くなった元首相の夫人みたいだ。

一方長男はYou Tubeに毒されたネトウヨみたいな🐎🦌者。You Tubeを見る以外、なにもしていない。🐎🦌すぎる。ありがち。ありがちなパターンかも。ある意味、わかりやすい。

怖すぎる。本当に怖すぎる。でもイスラエルは国家として機能してないわけではない。とりあえず法があり(Nobody is above the lawという言葉も出てくる)、こうやって首相といえども尋問される。そしてこの映画を頑張って作るような骨のある人もいる。

本作の制作総指揮アレックス・ギブニーだけど、Esquire誌で「もっとも重要なドキュメンタリー作家」と称される人。前にエンロンとかのドキュメンタリー作ってた。そして「次はイーロン・マスクのドキュメンタリーに取り組んでいる」そうだ(パンフレットにあった町山インタビューより)。

それにしてもこの映画が見れてよかった。勇気をもって配給した配給会社さん、そしてイメージフォーラムさんありがとう。某別の配給会社さんが「あれを配給するとは、本当に勇気がある、ウチは怖くてできませんでした」と話されているのを聞きました。

英語がほとんどだけどイスラエル語も部分も多いので、日本配給されて字幕なかったら見れなかったように思う。

しかし途中からこの映画を見ていて頭の中から離れなかったのは、イスラエルのことでもなく、ガザやウエストバンクの人々のことではなく、どっかの国のことでした。

小さな汚職(裏金ともいう)を隠蔽、出たがりで注目を浴びるのが大好きな妻、小さな悪いことを隠蔽するためのメディアを買収、おねだりが過ぎて、過去おねだりした人からの告発を受ける、それらを隠蔽するために極右政党との組んでさらなる右傾化…という、どっかの国でも見てない? この流れ。そして戦争へとつながっていく?

本当に怖すぎる。

日本ではN党の党首が本当にやっとのことで逮捕されたけど、ネタニアフが逮捕されるのはいつになるのか…。 

 

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