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2011年7月13日水曜日

厳しい現実にどう向かいあうか

とうとう電気は足りていると東電の新社長が発言したこと、そして埋蔵電力があちこちにあるのに、その収集に東電がまったく努力していないという事実をテレビ朝日が放送した。やった。嬉しい。もちろん電気を大事にすることは必要だけど、原発なくたって日本は大丈夫! 

それにしても今回のことで、意見があう、あわない、正しかった、間違っていた…いろいろあるよね。これからもあるだろう。そんな時、必要以上にパニックになって騒いだりするのはもちろん、科学者や関係者でもないのに自分の意見を押しつけちゃう人や、説教体制になる人、他の人を馬鹿にしたような言動を取る人たちには、ほとほと疲れた。そして自分の意見すら言わず黙る人はつまらないなと心から思う。一方で、さすがだなぁと本当に感心させられる人も、ものすごく多い。人間の大きさが試される、これは有事なのだ。原子炉との戦争なのだ。まだまだそれは終わっていない。被災地の救済もまったく進んでいない。それにしても、いろんなものを見てしまったように思う。自戒をこめて。



ライターの和田静香さんが私があまりにがカズオ・イシグロ良いというので、ということで読んでくれたらしい。「わたしを離さないで」嬉しいよ、和田さん。でもあまりお気に召さなかったようで(笑)そのことはここに書いてある。和田さん、さすが。本質はしっかり掴んでらっしゃるのだが、そうね、ちょっと厳しすぎたかもね。(和田さんのブログ、右上にタイトルが来るのだが、そこに小さく「ごめんね、カズオ」と書いてあるのに爆笑! 和田さん、ホントおもしろすぎるよ!!

それで分かったんだが、私は音楽も本も映画も、現実的にクソ真面目に考える方が好きなのだ。一方、今日たまたまこんなブログにも出くわし読んで考えた。死刑囚の人の、本を読むことについての記述。我々にとって本や音楽は現実逃避なのか、それとも現実と向き合うための糧なのか。「ぜひ被害者/遺族に懺悔をし反省し、覚悟を持って死に向かうために…」と先生は読書を薦めるが、本人は現実を忘れさせてくれるものを、と願う。死がもうすぐやってくる死刑囚。無断転載するとマズいだろうから、ぜひリンク先に行って読んでみてください。

音楽も、本も、すべて究極的にはエンタテイメントであり、心の共感なのだ。人によって求めるエンタテイメントは違う。共感できる事も違う。Twitterで「だからいろんな本や音楽があるんですよ」と言われてハッとする。本当にそうだ。うん、だから私は村上春樹が苦手なんだな。彼のスペインでのスピーチは素晴らしかったし、いつだったか読んだエッセイみたいな「遠い太鼓」は悪くなかったが、せっかく一生懸命読んでいるのに急に登場人物が死んだりする彼の小説は理解に苦しむ(笑)。つまり私はファンタジーっぽいのが苦手である。カズオ・イシグロはSFみたいなもんを書いてたとしても徹底的に現実的だ。そこが私が好きなところ。でもそこについて行けない人は多いのかもしれない。っていうか、多いんだろうな、きっと。売れてないもんな、カズオ・イシグロ。で、村上春樹は売れてるもんな。



先日読んだ上田紀行さんの言葉がTwitterで流れてきた。忘れたくないのでここにもメモる。「モノが溢れる社会が「豊か」なのではない。私たちの意識が貧しければ、どんなにモノがあっても貧しいのだ。なぜ人を信頼できないのか。社会を信頼できないのか。何を恐れているのか。何が不安なのか。そしてその恐れや貧しさは大人の行為を見つめる子どもたちに確実に継承されていくのだ」(上田紀行)

いい歳になったのだから、少しでも良い社会を作ることに協力したいし、これからの人たちに勇気を与えたい。今週は実は金曜日に早稲田で「好きなことを仕事にするには〜女性と学び」というタイトルのレクチャーをやるんだけど、未来ある女子学生の皆さんが辛い事があった時に思い出してもらえるようなメッセージを!と張り切っているところ。

そして! やっぱり私がやらなくちゃいけない事は、良い音楽を紹介していくこと。これに尽きる。世間ではレデイ・ガガみたいなポップでキラビやかで、現実を忘れさせてくれる音楽が良いのかもしれないが、私は好きじゃないんだもん、しょうがないじゃない?(笑)

ヴェーセンの映像。どうやらコンサートの冒頭らしく、音楽がはじまるまで27秒ほどあるけど、我慢して、この豊かな音楽を聴いてください。ヴェーセン、素晴らしい。「ハンガリーでの1時間」私がヴェーセンの中でいちばん好きな曲。こういうスローな曲でスタートするのは良い。マーティンもそうだけど自信がないと出来ないよね、こういう演奏。ジグだ、リールだっていって、最初から飛ばす若いバンドには最近まったくついていけなくなってしまった。本当に豊かな音楽。ヴェーセンの来日公演まであと3ケ月とちょっと。詳細はこちら