松本ハウス「統合失調症がやってきた」を読みました

またもやすごい本を読んでしまった。これは最高にパワフルな本だ。絶対に読んだ方がいい。友人、和田静香がすごく薦めていたので影響されて読んだ。

実は松本ハウスって芸人さんたち全然知らなかった。でも一時は有名になった人たちらしい。加えて「統合失調症」って私はよく知らなかったのだけど、とにかく幻聴、幻覚、どんどん頭がおかしくなっていく…というそういう病気。症状は重くなったり、多少よくなったり,いつも一進一退。薬の重い副作用と戦いながら、なるべく症状を抑えていくしかない。

しかし精神に障害をもった人たちって、どうしてこんなにピュアなんだろ。まったくこういうの読むと自分がズルくて汚い人間に見えてくるね。以前買った自閉症の東田さんの本も素晴らしかったけど、同じ感じの印象を私は受けた。ホントに、こういう人たちは普段言葉を持たないし、コミュニケーションするのが難しいわけだけど、でもその内側はこんなにピュアな気持ちが隠れているのだ。

読んだ人によっては彼の生い立ちに感銘を受けるようだけど,私はとにかく圧巻なのは、最後の復活していくときのプロセスだと思う。本ではあっという間に終わってしまう印象だが、何年もかけて、バイトをしたりしながらも、少しずつ社会復帰していく。バイトの「松本ハウス枠」には笑った。そして少しずつ自分にとっての最高の場所「お笑いのステージ」へと戻っていく。そこが自分の場所。

プレッシャーをかけまいと距離を持って見守る相方の友情が本当に素晴らしい。そして本人が幸せであればいいと見守る母親。そういう愛情が本人に伝わっているのが、いい。それを加賀谷さんも噛み締めて、少しずつ進んで行く。周りに感謝しながら。こんな風な視線で眺めてみたら、世界はこんなに美しいところだ、って思える。それを教えてくれる本。リリー・フランキーの言葉もいいね。ホント夢がある。

たまたま最後の方を昨日帰宅中の電車〜バスの中で読み、泣けてしょうがなかった。