すでになんでこの映画「グランドフィナーレ」を見に行くことにしたのか、自分でも思い出せないが、渋谷でミーティングの合間に観たので、あまり時間が選べなかったのだろう。文化村ル・シネマの割引デイだということもあった。あと音楽/芸術に関する映画ということで、何か音楽に関するすごい啓示があるかもしれない、というのを期待したのだった。
過去に大ヒット曲を作曲したという成功した老齢のコンダクター/作曲家がのんびりバカンスをすごすスイスのリゾートホテル。毎日楽しいアトラクションが繰り広げられ、優雅な食事も供給される。温泉、スパ、寝そべり湯、そしてスワン型にたたまれたタオル。ゆったり時間が流れるそんな場所にも、いろんな人びとの人生が繰り広げられている。1発屋的なヒットを持つこの作曲家以外にも、いきなり離婚されてショックで泣き叫ぶ自分の娘、新作を練る映画監督、1つの役しか当たらなかった人気俳優、空中浮遊をこころみる(本人は無欲に見えるが…)チベットの僧侶など…
そんな作曲家のもとに「女王陛下」から指揮棒をまたふってもらえるよう御前演奏の依頼が。しかし作曲家は「自分は引退したのだから」と。それを断る。友人のミックは映画監督で、若い奴らを部屋に集めて脚本のアイディアを練っている。が、主演女優に断られ失意のどん底へ。
ちょっと観念的なシーンが多く、話も長いので、ついウトウトとしてしまった。ツアー疲れがまだ起こっているのか。疲れていない時に見に行ったら、もっと余裕で楽しめたかもしれない。素晴らしいとされる音楽も私には仰々しくってよく理解できなかった。でも俳優の、とくにメインのお二人(マイケル・ケインとハーベイ・カイテル)は本当に素晴らしい演技だった。そして本当に映像は美しかったねぇ。1つ1つが本当に美しかった。