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2016年6月23日木曜日

映画「葛城事件」を観ました すごい映画だった!


J-Wave映画部長の大倉眞一郎先輩が紹介していたので、普段邦画は滅多に観ない私なのだが、観に行ってしまった。そしてすごいと思った。ホントにすごい。三浦友和主演「葛城事件」大倉先輩のコラムはこちら。

三浦友和って、こんなにすごい役者さんだったんだ!!と今さらながら。いや、俳優陣,全員ものすごいです。ものすごい。ものすごい演技だった。全員すごい。そして脚本もシャープで無駄がない。そしてすべてが重く響く。2時間ある作品だったけど、全然長いとは思わなかった。

キャッチコピーから

 抑圧的で思いが強い父親。
 長男はリストラされ孤立。
 妻は精神を止む。
 次男は無差別殺傷事件を起こし、死刑囚に。
 そして死刑反対の立場から次男と獄中結婚した女ー。
 壮絶な、ある家族の物語。



いろんな人が書いていることだが、誰もがこの映画をみてすごく不安になったり、嫌な気持ちになったりするのは、こういう危うさは実は誰も持っているものだ、と皆が分かっているからだ。誰もがこの映画をみると、どこかしら自分にもあてはまる部分があるかもしれない、と不安になる。それは事実だと思う。だから、ものすごく不快な気持ちになる。いつだって、こういう危険と日常は地続きだ、ということをこの映画は言っているのだ。家族っていったいなんだろう、と思う。いや、家族じゃなくても、たとえば仕事でもこうした閉鎖的な、かつ抑圧された世界で、歯車が狂い、大事なものをすべて失ってしまうという可能性はいくらでもありうるのだ。

まさに「俺がいったい何をした?」だ。この父親が一番まともなように見えて,実はすべての元凶でもある。そして、恐ろしいことに、例えば私が家族を持ったら,こんな父親みたいな存在になる危険性は充分にある、と思ってしまった。本当に恐い。

大倉先輩も書いてたけど、この映画は万人受けしないかもしれない。女子サービスデイだという今日も、劇場に人は多くはなかった。でもこんなすごいメッセージを運ぶこの作品はものすごいと思う。当たらないかもしれないけれど、こんな素晴らしい作品に係れた出演者、スタッフ…すべてこの作品を心から誇りに思っているに違いない。すごいよ。これはものすごい作品だと思う。売れるとか売れないとかまったく関係ない。映画ってこうじゃないとダメだと思う。

ところでこの映画を観て「どよーん」と暗くなった人へ。私がこの映画をみて見いだした、私なりの回答を1つ。あなたの人間性、まとも性をキープしたいと思ったら、コンビニ弁当ばかり食べてちゃだめだ。あれはあなたの人間性を奪う。まともな判断力を奪う。あんなにコンビニ弁当ばっかり食べてたんじゃ、絶対に頭がおかしくなる。自分がおかしくなってると思ったら、美味しい料理を自分で下手くそでもいいから作ってみればいいのだ。それは…きっと何か1つの回答になるんじゃないかな…と思った。誰にも危うさはある。人間のバランスはあきらかにあやうい。でも多くの人は、その危ない最後の一線を越えることはなく、日常の小さな幸せを積み重ねて生きている。だから心配しすぎないで、美味しいもの食べて元気を出そう。

…とか、言っちゃうと「あなたはそっち、自分はこっち側、っていうんで線を引いて安心しちゃうんだよな」みたいなことを言ってた次男坊の言葉がズーーーンと響く。うーん、やっぱり答えは出ない…か。ずーん…

それにしてもすごい映画だった。何度も言うが、こんなにすごいメッセージを運ぶ映画はホントにすごい。私はなんだかすごく重いものをこの映画から受け取ったような気がする。それにしても、最近、映画業界とか、出版業界とかに対する憧れが止まらない(笑)すごいなぁ、映画って。

実は今日ちょっと例の「FAKE」を見たということで、某映画関係者の友人とそれをネタに「飲もう,飲もう」なんて話になり、久しぶりにお会いして盛り上がったのだが、そこで彼が言っていた言葉「誰もが何かしら後ろめたい気持ちを持ちながら生きている」が妙に響き、ホントにそうだよねと思ったのだった。「完璧な人間なんて、どこにもいやしない」 そうことを受け止めながら、生きて行くしかない。

いずれにしても「葛城事件」、すごい作品です。是非見に行ってくださいね。