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2016年10月3日月曜日

NNNドキュメント「ニッポンのうた “歌う旅人”松田美緒さんとたどる日本の記憶」を観ました


 松田美緒さんのドキュメンタリーを見たよ。日本の伝統歌の背景を訪ねる旅。

まずは「木(こ)びき唄」

日本の三大秘境の1つに数えられる徳島県の祖谷(いや)。民謡の宝庫。




70歳でなくなった民謡の名手、平石金雄さんの録音を聞く松田さん。

木こりがつらさや寂しさを紛らわすために歌った唄。

土地に息づく空気を肌で感じて唄にする事が松田さんの活動の原点。ポルトガルや英語、6ケ国語で歌う。CDブック「クレロール・ニッポン」をリリース。










「唄を探すっていうことは、唄の風景を探すこと」

「景色自体も日本からどんどんなくなっていっちゃっているから…」



続いては長崎。伊王島。隠れキリシタンの島。カトリックの教会で伝わった不思議な唄。

今でもこの島の住民の6割は熱心なカトリック信者。

「小人の唄」そのルーツを訪ねて本村トラさん(102歳)を訪ねる松田さん。(この本村さんってファミリーネームにドキっっ。だって先日読んだ角幡唯介さんの「漂流」の主人公も本村さんだったから)






で、この唄、この辺に住んでいる 100歳くらいのおばあちゃんはみんな知っている唄なんだって。

おばあちゃんたちが伊王島の馬込教会で習った唄。実は子供たちが演じる音楽劇の唄だった。
唄を伝えたのは「教え方」と呼ばれる信者の女性。彼女たちが長崎の修道院から持ち帰った。

「ちょっとお裁縫をしながら歌ったみたいな印象がある」「大人が歌ってもおかしくない唄だ」

「すでに国際的なマインドがある」と松田さん。「“国より広き待望”なんて言葉はそうでなければ出てこない」



次は北国、秋田。日本各地にある民謡などをまとめた田沢湖芸術村にある「民族芸術研究所」

ここに民謡の録音を訪ねる松田さん。3500本、7万曲の膨大なカセットテープの中から曲を探します。

ここで出会った「山子歌」

汽車の中で歌う松田さん。 「山は人知を越えた存在。スピリッチュアルというか…」
「命がかかっている。だから感謝、ありがとう、という気持ちがこめられている」

マタギの男たちや山とともに暮らす人々が山に感謝の気持ちを捧げる祈りの歌。

そして次は、コミカルな「トコハイ節」福岡県の東部、行橋市。威勢のいいテンポ。瀬戸内海をまたにかけた男たちの歌。曲名は「床を這う」が由来しているらしい。





郷土史を研究している橋本幸作さんが1つ1つ書きとめ、歌詞を保存していた。「歌詞が役立つんですよ。聞いただけじゃ方言が強すぎて分からない言葉が、これなら分かる」

これらの歌詞が残っていなければ、歌が蘇ることがなかった。
「西浦の子守唄」

廣瀬正栄さん。12年前、78歳でなくなった郷土史家の方の記録による。今も10年がかりで集めた膨大なカセット、資料が残されている。ご家族に当時の話を聞く。

「それこそ田んぼのあぜ道を歩いて、人がいると昔の歌知りませんか?と聞いて歩く、そういう作業でした」「そして、あそこのおばあちゃんが歌っているよと言われては、それを訪ねて行く…という作業」「歌を聞きながら、すごく楽しんで作業をしていた。この仕事が終ったとたん(夫は)亡くなったんです」と奥様。

当時の録音。歌っているおばあさんの唄を聞く。

 そして「西浦の子守唄」を遺族の皆さんの前で歌う松田さん。「ねんねしなされ、おやすみなされ…」

「ちょっと子供たちのブルースのような気がしている」と松田さん。「こういう歌が消えてなくなるのがおしい、と言っていたので喜んでいると思う」「不思議な縁だなぁ」

続いては、日本から南へ3000km、パラオへ。日本統治時代に日本人が多く移住した。町には園影響が色濃く残る。「レモングラス」のルーツを探りに。

シニア・センターのおばあちゃんたち。日本語を流暢に話す。そして、おばあちゃんたちに教わったのか、日本語で浦島の歌を歌う子供もいる。「むかし、むかし、浦島は…」



「日本人とパラオの人は仲が良かった。私は歌が大好きだった」


今でも歌詞を書いた歌の本を大切に持ち歩く。

「レモングラス」を知るおばあちゃん。金城文子さん。「♪若い2人は離れているけれど…」

パラオは日本の統治下にあった。日本語教育が徹底され80歳以上の高齢者の多くが日本語を話せる。敗戦後はアメリカに統治された。



「レモングラス」は日本人警察官の男性と島の女性の恋物語の唄。

じーーーん

「♪キッスをしたのをお月様が見てた」
「♪平和になったら2人はカポポ(結婚)して、新婚旅行は内地へ行きましょう」

この曲やミクロネシアの日本語歌謡を研究されている沖縄県立芸術大学の小西潤子教授のお話。「この曲は、日本占領下のミクロネシアのポナペの女性、マルコーさんという方が書いたとされています」「土地と結びついた唄はそのコミュニティの財産だ」「(唄は)声に出して伝わるダイレクトな手段」「その場所がどういう場所なのか、生きた人たちの知的財産」




そして再び徳島県の秘境、祖谷。松田さんに出会ったことで、ここに住む8人の子供たちに唄を伝える授業が始った。「木びき唄」をみんなで歌う。

松田さんが腰に手が行っちゃってるのがいいいね!

「♪木びきさんのような 根性が悪い」

これらの唄(西浦の子守唄をのぞく)が収録された「クレオール・ジャパン」CDブックで、こんな風に素敵なイラストも挿入されています。







松田さんによるそれぞれの唄の物語も。

最後に私の余計なひとことを。番組を見て思った。唄を歌うのはだいたい女性(おばあちゃんたち)で、それをアーカイブするのは男の人が多いね。なんでだろう。面白いね。
この「でね〜」って間の手がいいんですよね。


CDブック「クレオール・ニッポン うたの記憶を旅する」はこちら


そして! 松田美緒さんが出演する「辺境の歌コンサート」は11月3日(祝)武蔵野スイングホールにて。これらの唄が生で聞けますよ!

番組でも印象的だった「レモングラス」。この日のアンコールはみんなでこの曲をやる予定。果たして…(笑)グリーンランドとブリヤート共和国と日本が共鳴するのか? 詳細はこちら






























P.S. 松田さんからのメッセージ出ました〜 ほんとに良い番組でした。