「映画で旅するヨーロッパ」本日から毎年恒例のEU FILM DAYSがスタート。さっそくオープニングにお邪魔してきました。東京は今日から6月22日まで、京都では6月3日から25日まで上映されるようです。なんと15回目。もうそんなにやってますかね… うーん,素晴らしい。そして、ここだけでしか見れない素晴らしい作品も多数! 是非皆さん,駆けつけてください。私は今年こそ10本くらい見たいです。
今日スピーチされたのは、スロヴァキアのヴィクトル・ツダイ監督。そしてオープニング上映作品は「ヴォイチェフ」(2015)
いや〜、良かった!!! 中年男のヴォイチェフは、さえない電話オペレーター。奥さんに出て行かれたものの、それを言えずに周りには妻とは死別したと説明している。7年間真面目に勤めてきたのに、自分より言葉が出来る後輩に追われて失業し、友達はいい加減で浮気野郎の隣人、タクシー運転手のラツォのみ。ラツォの家庭は家庭で、小さな赤ん坊がいるのに毎日毎日夫婦喧嘩ばかりだ。ヴォイチェフはラツォに誘われて売春宿に行くものの、結局は何もできずに退散。失業のショックから酔っぱらって身ぐるみはがされ、助けてくれた美しい女性に心ときめくも、彼女は熱心な新興宗教の信者。やっとデートにこぎつけたのに、そこにはめちゃくちゃ頭の固い男性と女性のお目付役がつきまとう。そんなヴォイチェフにラツォは彼女たちを家に招待し、俺が余計な2人は連れ出している間に、彼女にこっそりバイアグラを飲ませ押し倒してしまえ、とけしかける。果たしてたくらみは成功するのか。とにかく何をやっても人生上手くいかない中年の哀愁感が、てんこ盛り。でも、とにかくめちゃくちゃ笑えるコメディなのだ。
本がいい。っていうか、これプロットが、もうさすがでしょう。めちゃくちゃよく練れた設定だ。そして思わぬ展開に爆笑の連続。いや、ホントにおもしろい! 良く出来てる。隣人のラツォもはちゃめちゃながらも、憎めないキャラで、とっても魅力的。目が離せない。そしてやはり主人公のヴォイチェフ役の彼が最高に素晴らしい。コーヒーショップに勤める彼女の控えめな演技もいいね。とにかくめちゃくちゃ、いいわ、この映画! 日本で公開されてない、って信じられない。
ちなみにウチに関連する国の皆さんの出展作はというと、アイルランドは大ヒット映画「シング・ストリート」、英国は「リリーのすべて」(超名作!!超おすすめ!話はデンマークの話だけど、監督が英国だから英国作品ってことなのかしらね)。スウェーデンは「アイスドラゴン」という冒険映画、デンマークは「マリー・クロヤー 愛と芸術に生きて」、フィンランドは「オリ・マキの人生で最も幸せな日」、エストニアはサスペンス映画の「お母さん」 、フランスは「パティーとの二十一夜」など。是非プログラムをチェックしてみてください。スケジュールはこちら!
そういや、英国はEUを脱退すると、この会からも撤退する、ってことかしら。寂しくなるわね…