高野秀行さん「腰痛探検家」を読みました。自分も腰痛になりたくなってきた?!


いやーーーー爆笑。これも最高に面白かった。kindleでずっと積ん読しているのを忘れて、リアルな本も買っちゃったよ。(表紙がめっちゃいいね!!)で、今回の出張中にやっとこさkindleで読み始めてしまい,あっという間に読破。旅先で読む高野本は本当におもしろい。 ホントにあっという間に読めてしまう。

高野さん、40歳のころから腰痛に悩まされているというのである。腰がいたくて夜じっくり眠れない。顔を洗うのも中腰、電車でもたっていられない…など、これはもう明らかに実生活にも支障をきたしている。辺境を旅する辺境作家がそれでいいのか?(笑)という事もあり、それをなかなか言い出せない。あまりおおっぴらに相談もできない。しかもこの腰痛、何故か原因が分からない。カリスマ治療師からも見放され、なぜか自分のワンコがかかりつけの獣医の先生に看てもらったり、最終的には心療内科に辿り着き…。これは「他人の行かないところへ行き、他人のしないことをする」辺境作家の「腰痛がある世界」における探検物語である。さすが高野さん。しかしご本人も腰痛になった時「格好わるい」と思った反面「これはネタになる、おもしろい!」と思ったのに違いないかも?! さすが辺境作家!!!?

それにしても、高野さん以外の多くの人が間違いなく体験しているに違いない「この世界」をこれだけ面白く書いてしまう高野さんというのは、ホントにすごい人だな、と改めて思った。ご本人も何かで言っていたが「プロフェッショナルを誇れるのは探検している自分より書いている自分」ということか。いや、ホントにすごい。

私は幸いなことに腰痛は感じたことがない。そりゃあ生理の時に腰が重かったり、12時間くらい寝てしまった時に腰あたりに来る違和感とかはあるが、幸いにも腰痛やギックリ腰みたいなものにもなったことがない。たぶん身長が小さいのが幸いしていると自分では勝手に思っているのだが、しかし私よりチビの親友のK井は腰痛、腰痛といつも言っているところを見ると身長の低さはあまり関係ないらしい。私の中では腰痛とはスタイルの良い、すらっとした人がなるものだとばかり思っていたのだが… うーむ。でも普段腰痛を感じたことがない人ほど来るときは大きいという話を聞き、震え上がる。いや〜、腰痛、怖いです。

爆笑したのは、考えられる原因のひとつに、高野さんがめちゃくちゃ寝相が良い、ということがあげられていたこと。つまり辺境の奥地で何人もが重なって寝返りの打てないタコ部屋で寝ることの多い辺境トラベラーだけあって、東京の布団の上でも必要もないのに「気をつけ」の姿勢で寝てしまうこと。これには、おもわず絵が浮かんでしまい飛行機の中で読んでいて吹き出しそうになる。あとお風呂に入らないこと。うーん、確かにそれは良くないでしょう。お風呂に入って身体あたためるのは重要だと思うんだけどなぁ。そして「心因性」を疑われ、何を!と反論するも「そういえば」と思いあたる節をさぐるところなど…いや、ホントに高野さんの話は本当におもしろい。なおいつも冷静で適格な奥様のアドバイスも、実家の高野さんママのアドバイスも大ヒットでした。

それにしても、なんとも不思議な本で、腰痛になったことのない私でさえも、この本を読むと自分は腰痛なのではないか、と思えてくるから不思議なのである。なんていうか、腰痛になりたい? 腰痛が好きになってくる?というか…。それはヘンか? でも、確かに私も12時間とか寝すぎた後、起きると腰が痛い時あるよなぁなんて思ったりして。これはつまりはそういう本である。これぞ高野マジック。あなたも知らず知らずの間に「腰痛のある世界」を体験している、ということなのかも。それを感情移入と人は呼ぶのかもしれないが、とにかく不思議な本だ。腰痛持ちの貴方も、腰痛持ちでない貴方も楽しめること請け合いだ。

なおKindleストアでは、現在、価格:545円 (16%OFF) ポイント:218pt(40%)というバーゲン中なので、これは要チェック。