映画「サーミの血」を観ました。いや〜、素晴らしいです!!! 必見!!


先の出張の国際線のフライトの中で英語字幕で観ました。「サーミの血」いや〜,最高に素晴らしかったです。これは必見! 日本でも東京国際映画祭やトーキョー・ノーザンライツで公開になってましたが、私はスケジュールがあわなくて結局見にいけなかったのよね。もうすぐ日本でも9月に公開になります。これは絶対に観に行ってください。

なんというかこの主演の彼女がいいです。このポスターもいいでしょ? まさにこの絵柄通りの、そういう映画です。静かな、でも強さがある映画です。彼女は自分の可能性を確かめるため、自由を手にいれるため自分の故郷を捨て、家族を捨てるわけです。年老いて、彼女の妹が亡くなり、お葬式に参加するためにサーミの村を訪ねる。そんなシーンからこの映画は始まります。

終始静かな、それでも彼女の「自分の人生はこれでいいんだろうか」という気持ちが交錯していくシーンの連続。彼女は泣いたり叫んだりすることもなく、何もうんちくを語りはしませんが、彼女の気持ちは痛いほど感じる事ができます。そういう演出がホントに素晴らしい。押さえたころに限りない強さが表現されている、というか。

それにしてもこの若い女優さんは素晴らしいです。97年ノルウェー生まれで、今もトナカイと生活しているのだそう。映画出演は初めて。それにしてもこの映画にぴったり。妹役も彼女の本当の妹が演じていますが、こちらも素晴らしいです。

それにしてもイヌイットもそうだけど、サーミもこういう感じだったのよね。本を読んだり話に聞いたりして知ってはいましたが、映画で受け取るメッセージはまた違います。もちろんスウェーデンやデンマークともなれば…それほどひどい事にはなってないだろう…とは思うものの、そこはやはり強い偏見があり、強烈な「上から目線」があり、マジョリティ側は彼等が善かれと思う方針をマイノリティ側に押し付けてきたわけです。そういう北欧の黒歴史も観ることができます。

日本公開は9月16日だそう。まだちょっと先ですが、日本語字幕でも観たいので、ぜひ見に行こうと思っています。東京では、新宿武蔵野館、アップリンクで上映。