映画『レディ・バード』を観ました。いや〜 最高!!!! 


映画『レディ・バード』を観ました。もう最高、最高、最高!です。

サクラメントに住む自称レディ・バードことクリスティンは高校生。東海岸のかっこいい大学に受かって、なんとかこのイケてない町を逃げ出したいと思っています。この「自称」ってのが、まず痛い。自分を本名ではなく「レディ・バード」と呼べ、と(笑)。もう肥大しまくっちゃってる自我。町山さんが子供のころって誰に頼まれるわけでもなくサインの練習をしちゃう、って言ってたけど、まさにそれ。自分は何か特別な物を持っているんじゃないか、と信じてる。でも大人たちは分ってくれない、と。そんな女の子の映画です。

でもこの映画では回りの大人は悪い人は誰もいない。ママも不器用ながら、間違いなく彼女を愛しているし、パパにいたってはホントに献身的に彼女の味方をしてくれています。車にいたずらされちゃうシスターも大らかな対応で、ホントに素晴らしい。確かに「イェールは絶対に無理」と断言しちゃう進路指導の先生にはムッと来たけど、基本みんな、レディ・バードを温かく見守っているわけです。

このイェールはあんたには無理!と言われた時のシアーシャの表情がホントにナイス!


また一方で、新しいボーイフレンドと付き合った事からクラスの中の「オシャレかっこいチーム」に引き寄せられ、本当の友情を見失いかけたり…

このちょっぴりおデブなお友達もめっちゃいいでしょ? いいんですよ、二人の関係も。

なんというか、これは、もう本当に脚本の勝利だと思います。確かにアメリカの高校生ならではのエグい会話は多々ありますが、言葉というよりテンポや気持ちの流れ、話の展開、そのすべてが本当にトップクラス。90分ちょいという長さもベスト。最近の映画はホントに長過ぎるからね!

もちろん、私はこれが今一番注目されるアイリッシュであるシアーシャ・ローナンが主演だから、この映画を観に行ったわけですが、彼女ももちろん最高でした。監督と長い時間をかけて一緒に脚本を練っていったそうで、ホントにハマり役だと思います。ちょっと、がに股で怒鳴りちらしたりする立ち姿は、まるで本物の高校生です。ピンクの髪もめっちゃ似合ってる(笑)

この素晴らしい作品を手がけた監督・脚本は自身も女優(コメディアン)であるグレタ・ガーウィグ。アカデミーの数少ない女性監督のノミネートだったそうで、おしくも受賞は逃しましたが、そういう点でも注目です。彼女はドイツ系だけど、やっぱりカソリックの教育下のもとに育ったようで、そういった意味でも自伝的な話なのかもしれません。



音楽が最高。特にこれ。モンキーズ、大好きだったなぁ。モンキーズの映画『ヘッド』のこの曲を選んでくるあたりがいいよねぇ… 監督の趣味かな。