「なんか面白い企画はありませんかね」と聞いてもらうには…

12月だってのに蕾があるから片付けられない朝顔

先日ちょっと面白い話があった。友人はいわゆるコーディネイトの仕事をしているのだが、立場上、クライアント側に何かを提案する、ということができかねるという内容である。

言われてみればそうだ。とてもプロフェッショナルな友人。言われたことを丁寧にきちんとこなすことが仕事だから、こちらからフラフラと新しい提案など、心の中で話したいと思っていてもなかなか言い出せないだろう。しかしアイディアも豊富でネタもたくさん持っている友人は、こちらが考えているアイディアを先方に提案できないかなぁ、と。そこで向こうから「○○さん、何か面白い企画はありませんかね」と聞いてくれないもんかなぁ、と思う」と話していた。なるほど。

そのことをしばらくわたしも考えていた。同じような立場の人は多いかもしれない。仕事ができる人ほど悩むポイントかもしれない。で、その答えが昨晩ぱっと閃いたので、そのことを書いてみたい。

それに対するわたしが考える答え。それは、その友人が自ら何か面白いことを実行させることだ。どんな小さいことでもいい。「受ける」仕事とは別に自分の企画を持つことだ。イベントでも商品開発でもなんでもいい。

で、ちょっと気の利いたクライアントさんなら、自分の仕事仲間が何をやっているかアンテナは常にたててある。そしてその仕事相手やクライアントは、あなたが与えられた仕事をきちんとこなし、その上で独自でクリエイティブな企画を自らたちあげているのを見逃さないだろう。そしてあなたに聞くだろう。「何か面白い企画はありませんかね」と。

仕事する人は多いが、言われたことをきちんとこなす人と、小さくても儲からなくても事業を立ち上げている人との違いは大きい。最近思うのは勉強熱心で真面目な人ほど自分の足でたつことを怖がり、いつも勉強や研究ばかりしている。でも一歩踏み出せば、新しい世界が始まることは間違いないし、今まで勉強してきた分、大きな成果がでるのにな、とわたしのようないい加減な人間は思う。ま、偉そうですが…

一方でよくライターさんとかがSNSで「こんな企画あるんですけど、どっかの編集さん、出版社さん、やりませんか〜」みたいなことを言ったりするのも、あまりかっこいいもんでもないなと思ったりする。もちろん情報拡散は非常に大事だけど、そうじゃなくてやっぱり「あなたと仕事がしたいから」「あなたじゃないとダメなんです」と言って向こうから近づいてきてくれるクライアントさんや仕事仲間と仕事をした方が、良い結果が出せるように思うんだ。自らリスクを取り、自分自身で何かをスタートして…… そしてそれをおもしろいと思った誰かがあなたに近づいてくる、と言う方が健康的な気がするんだよね。そういうわたしも何か思わせぶりに新しい企画の話をツイートしたり、ここに書いたりもしているのわけだが… …なんというか、千に1つ、万に1つのチャンスが転がっていないかと夢みたいなこと考えて。自戒をこめてここに書いておく。

そういえば昨日紹介した石田さんの本も、石田さんがfbで過去の写真を発信していたら、とある編集者がアプローチしてきたという経緯で出版が決まったということだった。つまりそういうことなんだと思う。

孫さんのこんなインタビューも面白い。