映画『グッバイ・リチャード』を観ました


そうかー こういう世界か、と見終わって、ちょっとびっくりした。ジョニー・デップってそんなに興味持ってた俳優さんじゃなかったけど、イイ作品に出るねぇ。なんかしんみり、ずっしり重くきたよ、この映画。ジョニー・デップ主演『グッバイ・リチャード』試写で拝見しました。ありがとうございます。

ステージ4の肺がんを告知されたリチャードは大学教授。ほんとに、くそったれでどうしようもない男。授業はいい加減、妻には浮気される、娘もあきれて彼を冷ややかに見ている。家族にすら癌であることを告げられず、親友のピーターとクレアにだけは打ち明ける。あれこれ人に迷惑をかけつつも、だんだん死期が近づいてきて…  

最後はどうなるのかなーと思いつつも、俳優たちの素晴らしい演技にひきこまれじっくり映画の世界に入った。それしても愛すべき俳優さんだよね。憎たらしい時はうんと憎たらしく、良い人の時はうんと良い人に…  振れ幅がすごい。

一番辛いのがやっぱり友達かな。親友のピーターは、本当に素晴らしい。こういう友達を持てただけでも彼の人生は良かったのではないか。最後は家族とも少しずつ近寄っていく。そして人生ってこんなもんなのかな、とちょっと諦めのような境地に立たされる。

最後、彼の失恋したお嬢さんへのメッセージが力強い。「お前はこの先も大丈夫だ。幸せになれる」「お前はそのままでいい」「信じた道をいけ」って。やばいな、泣けてくる。彼に最後まで寄り添うテリア系のワンコもいい味だしてる。彼はしかし最後までわがままを通し、道なき道を進みゆくのだ。

東京では8月21日公開。ヒューマントラスト渋谷他で公開予定。