映画になるんじゃないかな…と思っていたら、映画になった。「あちらにいる鬼」
私にしては珍しいでしょ。邦画を見ました。
というのも、これ原作好きだったんですよね。こちらに感想を書きました。でも本が好きだったがゆえに、正直前半はすごく違和感があった。寺島しのぶは嫌いな女優じゃないんだけど、なんか本が好きすぎたのか、なじめなかった。
寺島さんは、いつ見ても職業に覚悟が感じられて。いいよね! 歌舞伎界のうんぬんや、同じ世界における松たか子の存在との比較とか、インタビューを見たり聞いたりしても覚悟が感じられて、あんな彼女の姿に気持ちを寄せない女性はいないと思う。
今回、だから寺島さんがいいのはもちろんとして、意外だったのが広末!! 広末さん、すごい。なんか最初からものすごい迫力で、圧倒された。
広末涼子って、デビューしたてのころはポップな人気があって、それこそケンソーのドラマーの村石雅行さんが大ファンで、一時「ヒロスエ、ヒロスエ…」ってうるさかった(笑) 村石さんがハウスバンドのドラマーを務める番組で、広末さんと対談してたっけ。
でも彼女、なんかで精神のバランスを崩して一時引退っぽいことになってたよね。そのあとキャンドル・ジュンさんと結婚したのも、なんか謎だった。でも彼女はすごいな。
…というか、運がいいのかなとも思う。女優というのは「待つ仕事」というのは小林聡美さんの名言。いい作品のオファーがたくさんきて、その期待に応えることで、彼女は今の位置を確立している。
もう片仮名のヒロスエとは誰も呼ばないだろう。広末さんと呼ばないといけない。いすれにしても、これは女優対決の映画だ。一方で、豊川悦司とか、なんか存在感が感じられなかった。
あと脚本がよくないのか、演出なのか、本との違和感がありすぎて、最初は全然楽しめなかった。でも最後の20分には、ずいぶん馴染んできて、すごくよかった。出家してから後の空気感はよく描けていたと思う。
最後は最後で、浜田真理子さんのエンディング曲がこれまた素晴らしく、いつまでも心に残った。