ドキュメンタリー『目の見えない白鳥さん、アートを見にいく』を見ました。

 


大ヒットしている川内有緒さんのノン・フィクション『目の見えない白鳥さんとアートを見にいく』の映像版。クラウドファンディング参加者、および関係者やマスコミのための試写会に参加させていただきました。ありがとうございます。

確か川内有緒は、最初は映画監督になりたかったんじゃなかったか。うーん、夢をかなえちゃったよね。これは話題のノン・フィクション本の映像版。本も素晴らしかったけど(本の感想はここ)、こちらはそれをさらに具体的に見せてくれる素晴らしいドキュメンタリー。

過去に自分で書いた本の感想文を、今日のこのブログを書くためにまた読んでみたんだけど、なんかグッと来てしまった。そうだ、ちょうどこの本を読んだ時は、コロナで友達に会ええなくて、普段一人が大好きな私も妙に寂しい時期だったんだよね。

一方で、このパンデミックでアート鑑賞が流行っているという話もよく聞く。みんな自分と向き合いたいんだろうか。

でも本の感想でも書いたとおり、コンサートに行くのも楽しいが、帰り道にあれこれ感想をシェアするのがやっぱり楽しいんだよね。一人で噛み締めるのも、これまたいいんだけどさ。

結局は誰かと気持ちをシェアする喜び。そういうことなんだろうと思う。白鳥さんがいることで、川内さんとマイティさんの会話が進む。それを聞いている白鳥さんも楽しそうだ。

ドキュメンタリーは、本とほとんど内容は一緒だけど、あの「滞在できるお家のアート」を具体的に見れたのは良かった。とはいえ本を読まなくても、このドキュメンタリーは十分楽しめるので、本を読むのが苦手な人はこちらから入ってもいいかもしれない。

「あぁ、白鳥さんって、こんな感じでしゃべるんだ」という白鳥さんの声のトーンや雰囲気もすごくいい。

あとこれはちょっと映像ならではの演出なんだけど、たとえばアニメーションが出てきたり、まずは作品が画面に登場する前に、暗闇の中、作品を説明したり感想をのべたりする川内さんとマイティさんと白鳥さんの会話だけが音声で聞こえてきて、それを映画を見ている側が、あれこれ想像する余白があったり… 

そして、そこに現れる謎の物体(笑)。いや〜、あの辺のくだりは本当によくできていた。映像ならではの表現だと思ったね。

出てくる人たちも個性的で、あのキャラのたったアートのおじさん(ホシノマサハルさん)も面白ろかった。ホシノさんは昨日今日始めたんじゃないドレッドヘアーで、白鳥さんを「ケンジ」とか呼んじゃって、これまた超個性的。

そうそう、ロックなんだよね! ロック! そこがいい。

ちなみに川内さんによると先日も某美術展に行ったら、入り口で「あっ、白鳥さんだ!」と話しかけられ、盛り上がった一行はみんなで一緒にアートを鑑賞したのだそう。うーん、いい話!

素晴らしいよなぁ。人間をこうやってつなぐのは共感の力だ。それは本当に素晴らしいと思った。

それにしても川内監督、完成おめでとうございます。編集し作業からクラファンから、作家なのに本当にいろいろ大変だったと思う。共同監督の三好大輔さんも、本当に素晴らしい作品で、完成おめでとうございます。

それにしても、すごいよなぁ、本ができて、そしてドキュメンタリーにもなった。白鳥さんと一緒にていろいろ感じた、素直な川内さんの気持ちが、ここまで来た。


あとは多くの人にこの映画を見てもうのみ!! 東京は田端の可愛い映画館とか、3月にTOP MUSEUM、4月からは下北のK2シネマほかにて上映される。こちらに詳細あり


PS
あっ、私も写っている。どこにいるかわかる〜?!

PPS

素敵な映画をありがとう!