まだまだツアー続行中です。
まずは豊洲。大変だったけど楽しかった!! 何があったか忘れずに書いておく。ツアー中は毎日いろんなことがあり、すぐ記憶が上書きされて、いろんなことを忘れちゃうから。
いつだったか大手プロモーターにいる方が「野崎さん、ボクもう先週何があったか覚えてないんです」とポツリと言っていたことがあったっけ。わかる。この世界はそういう世界です。
それにしても豊洲、無事に終わって良かった。
豊洲で、お客さんと演奏したら面白いよなぁ、というのはずっと思っていた。そのことはここにも書いた。こちら。
こんな思いつきがうまくいくのだろうかと思いつつ、豊田さんが練習映像を作ってくれた。これが90分という大作。それについてはこちら。今、この過去ブログを読み返すとなんだかおかしい。
その後、本番2週間前に、ホールの担当者との最後の「小屋打ち」こと本番前の打ち合わせがありました。このアイディアは担当の方にも面白がっていただき、最後のアンコールでダンサーと有志プレイヤーさんたちがステージに上がることがOKになった。ほっ。
そしてそのことを、メールで有志の皆さんに連絡!! CCEのTさんにも連絡。有志プレイヤーと豊田さんとの最後の練習は1時からに設定し、それを皆さんに伝える等々。
っていうか、そもそも何で私はこのただでさえクソ忙しいこの時に、この事で自分の仕事増やしてんだろうと、何度後悔したかわかりません。
大体アコーディオンだって、このことのためだけに借りている。楽器を決まった時間にピックアップし、また返却しないといけない。しかもツアー中のめちゃくちゃ忙しい時に。
一方で「Trip to Herve's」は、もうフルックにとっては過去の曲なんです。しかも作曲者はもうバンドにはいない。でもなんとか実現させたかった。この曲で。
やっぱりあの曲はFLOOKにとってはシグナチャー・チューンで、私を含め、多くの人があの曲との時間を費やしてきた。
あの曲が初めてこの日本で演奏されたとき、この曲を知っている人は誰もいなかった。あれはFLOOKの自主制作みたいなライヴ盤(当時入手は簡単ではなかった)に入っている曲。ライブに来ない限り、知る由もない、不思議な存在の曲。
それが、7回の来日を経て、今ではこんなにたくさんの人が日本でも演奏もできるようになった! そのことを私は彼らに伝えたかったんです。
しかしコレを実現させるのは、本当に難しい。うまく行ったのを客席で見ながら、私は久しぶりに自分の公演で泣きそうになりました。本当に演奏してくれたみなさん、ありがとう!
お客さんが送ってくれたよー!
— 野崎洋子 (@mplantyoko) April 27, 2025
ありがとうございます。 pic.twitter.com/qAhu0HXclk
そしてうるさいこと言わなかったホールさんにも感謝。だいたいホールやステージって、ほんと謎のルールが多い。使った人ならわかるけど、本当に。それを我々は「ホールあるある」と呼んでいるんですが…
いくらこちらがお金を出して借りていたとしても、あれはダメ、これはダメという納得できない謎ルール。なんだろう、人って…特に日本人特有だと思うんだけど、ステージというある意味聖域を得ることで、自分がその聖域の王様になっちゃう人って、本当に多くないですか。
日本人にそれは多いと私は思う。みなさんの職場や学校でもそうだと思いますけど。
あと現場に決定権がないんだよね。これもみなさんの職場や学校でもそうだと思うけど。
だから全然フレクシビリティがない。それは街でもそうです。チェーン店や日本人オーナーの店では、彼女はベジタリアンですから、肉を抜いてくださいというができない。
一方で、他の国の人がオーナーの店だとやってもらえる。(一昨日行った、タイ料理屋さん、ありがとうございました)
確かに高価な機材に何かあったり、出演者に怪我をさせたら本当にたいへんなことになる。だから何にでも「だめだ」ということは本当に簡単なことです。理由はいくらでもつけられる。
一方の私側のスタッフは全く問題ない。音響の小林さんも照明の小宮さんも、いつもこういう「面倒くさいこと」に喜んで協力してくれる。こういうことは本当に理解があるチームじゃないと、絶対に無理なんです。これを当たり前と思ったらバチが当たる。
っていうか、こういうこともって、ほんとに誰かにヘソ曲げられたり、意地悪されたらもう終わり。実現できなくなっちゃう。
というわけで、ただでさえ忙しい渋谷や曼荼羅の公演に続いて、前の晩はこのホール公演のための最終の名簿作りや、当日券に対すると祝わせへの対応で、ほとんど眠れず。
そして、ついに豊洲、本番の日を迎えました。ほんと「ケルト市」みたいな面倒くさい公演は(笑)、映画やたとえばピーターさんのDJなどで成り立たせるべきで、来日ツアー中に外国から来たアーティストのツアーに組み込むことはしない方がいい。
何度もそれを思ってきたものの、ツアーを作るたびに「ケルト市」で公演を、ツアーにもう一つ追加できると思って、ついつい組み込んじゃうんだよね。作るのがたいへんなケルト市を。
ただでさえ豊洲みたいな公演はたいへんです。何せ何もないホールの上に、あれこれ作っていく。PAを組み立て、照明を組み立て、朝早くからスタッフは働きます。そしてロビーの展開。コレも本当に作るのが大変。
そして1時からは、同じ建物内の小さなホールで豊田さんが今回参加のメンバーにレッスンをしてくれることになりました。
豊田さんの登場が、頭ちょっと遅れたのをいいことに、私が声をかけて皆さんに吹いてもらったら、あら、結構いけるじゃないですか?! っていうか、皆さん、すごい上手!! 全然問題ないじゃないですか。
ここでハードルというか心配する気持ちがグッと下がりました。感謝。みなさん、すごく練習されたのでしょうか、それとも元からうまいのでしょうか。
で、私は他の仕事もあったので、ほとんどレッスンを見てられなかったのですが、ちょっとのぞいたときに、豊田さんは有志のみなさんに「ステージに立つと、モニターがない場合、外のスピーカーの音も聞こえるしたいへんだ」という話をちょうどされているところだったのでした。
確かにステージに立って演奏するって本当に難しい。たとえば音。モニターがないと自分の音が聞こえないことは本当に多い。
モニターといえば、よく何も知らないお客さんが、演奏者がエンジニアにモニターの音の指示をステージで出しているのを聞いて、自分のライブの感想としてそのことを言ってる人いるけど、あれって、演奏者は表の出音ではなくモニターのことを言っているんですからね。
それをわからず、コンサートの感想に「ギターの音が小さかった」とか書いちゃう人いますから注意です。モニターの音と表の出音は違いますから。そこ分かってないで、出音の感想を言う人、ほんとに多い。
それはともかく、ステージ上における、そんな話をされていました。さらに特に音響のいいホールの場合、表のスピーカーから飛んでいった音が、向こうの陰に行って帰ってくることもある。だから本当に音響って難しい、と。
ですから今回有志プレイヤーの皆さんはモニターなし、リハーサルなしの中で、本当によくやってくださった。本当に本当にありがとうございました。
あのFLOOKのメンバーの後ろに回るというのは、豊田さんのアイディアだったのでしょうか? とにかく見栄えもすごく良かった。感謝ーーーー!
そしてせっかくだからOne More Time入れたいなぁー 豊田さん入れてよ、と言っていたら、豊田さんは「いや、そういうシチュエーションになったらメンバーが入れてくれますよ」なんて話してた。そして実際、メンバーのジョンちゃんがOne Moreを入れてくれた。本当に感激しました。さすが。ミュージシャン同士、すごい。
本当にこういう公演を作ることに意味があるのだろうかと何度も思いました。でもマニアなお客さんばかりを相手にしていては、だめなんです。広くプロモーションして新しいお客さんを呼び込まないとバンドは大きくならない。
そして渋谷の8,000円の公演のチケットを何も知らないお客さんに買ってもらうことはほぼ難しい。5,000円だったら、そしてピーターさんにDJもあって物販もあるのであれば、ちょっと行ってみようかという気になれるんじゃないか、と。
でもやっぱりでかいスピーカー常設のShibuya WWWの音の方が、フルックの音楽にぴったりではあった。だからそういう公演を作るのもバンドのキャリアとしては必要ではある。
(一方で豊洲のあのホールで、そういう音を出しても、ちょっと違う、というのはあります。その辺の加減の判断はPAの小林さん、本当にわかってて、いつも素晴らしいと思う)
しかし渋谷の公演は色々たいへんでした。MUSIC PLANT始まって以来の、結構な動員をかけた。この件については、またいつか時間が立ったら書きたいと思います。
でも感激だったのは、渋谷の本屋でお会いし公演をご案内した「ケルト文化のことはよく知らない」と言っていた女性の方が、チケットを買ってきてくださったこと。(これは本当に嬉しかった!!)
そして協力してくれた上の階の図書館の方が「豊洲のケルト市が今回で最後は残念ですが、これからも(全国の)図書館を応援してください」というメールをくださり、本当に嬉しく思ったことです。この(全国の)が良くないですか? 自分のところだけじゃない、全国の図書館とぜひコラボしてください、という。
いや、言いたいことはたくさんあります。でもとりあえず珍しく自分としては自分の公演に合格点を出してあげたい。本当に最高でした!!
そしてこちらは昨日の横浜。満員のお客さん〜 ありがとうございます。