映画『サンキュー、チャック』を観ました。なるほど〜



町山解説には感動。「また町山さんに騙されるかな〜」と思いつつ、忙しいしなぁ、と行くのを躊躇っていた…


が、偶然こちらの動画を見てしまったのでした。


宮台さん。フェミニズム界隈からは大ブーイングされることが多い人だけど、私はそこまでの拒否反応はない。っていうか、どんな人でも「勉強になる」部分はあると思うんだよね。だから、いつでも「お話をうかがう」余地は自分の中に残しておきたいもんだな…と。

でも一度「この人だめ」って思っちゃうと、もう絶対ダメっていう人は本当に多い。もったいない。でも心を広く持っているつもりでいたって、絶対に拒否反応が出ちゃう一線というのはある。

それぞれの人が心の中のどんなところに地雷を持っているかは、他人にはわからないわけで。私も人の地雷を踏まないように気をつけよう…と自戒をこめて。

で、その宮台さんの映画解説なんだけど、ある意味、すごく興味深い。まずは『プロジェクト・ヘイル・メアリー』についての解説が非常に面白く、そうか、そういう視点もあるんだな、と。なかなか勉強になった。

かつ同時に、その大真面目度に笑った。私にしてみれば『プロジェクト〜』はなるほど大層な映画だけど、ここまで真面目に語る必要がない映画でもある。単に楽しかった、で終わる人がいてもいいじゃないか、と。こんなに真面目に熱く語る映画なのかな、とちょっと思う。

でも、そこが宮台さんのいいところでもある。そして宮台さん、映画を紹介しつつ、そのオチまで話しちゃってるところがなんとも可愛いと思ってしまった。

男性は「可愛い」と思えれば、大抵のことは許すことができる。っていうか、女性もそうだ。人間可愛くあることは大事だ。

で、そのまま『ヘイル・メアリー』解説を聞いていたら、神保さんの『サンキュー・チャック』の解説になり、本作を絶賛するお二人の熱意に押されて、この映画を見ることにしました。

はい、すみません、ここまで長かったよね。


なるほど! 正直、難解ではあると思う。私もあちこちから前情報を入れていなかったら、この映画を真白の状態で見て、ちゃんと理解できたかは、はなはだ疑問だ。そのくらい難解な作品だ。いや、単に私の頭が悪いのか。

でも確かに理解できると、なるほどなぁ! すごいなぁ!と思える映画でもある。

ベースになっているのはホイットマンの詩で、主人公は39歳で、おそらく不治の、脳の病で亡くなる男性チャック。彼の人生が、3つのチャプターが分かれていて、最終章から始まるのが、これまたこの作品をわかりにくくしている。でも、そこがスリリングでもある。

ちなみに原作はスティーブン・キング。いったいどんだけ映画の原作書いとるんじゃい!?という感じだけど… あ、違った、彼が書いて、それを周りが勝手に映画化するのか?(笑)

よくわからないけど、正直私は彼の作品を読んだのは『刑務所のリタ・ヘイワース』くらいしかないという超ふとどき者。(映画『ショーシャンクの空に』の原作ですね)

映画化された作品の中では『ペット・セメタリー』が映画は面白いと思ったけど、いわゆる感動もの?に分類される『グリーンマイル』や『ショーシャンク〜』は、そこまで好きではない。もちろん大変な作品であることは、認めざるえない大傑作なのだが。

でもあれらを人生の1本と絶賛する人は多いけど… 私はいまいち乗りきれないかな。

ま、そんな感じのわたくすである。そんな中においては、本作はかなりの上位に位置するものかもしれない。うん、スティーブン・キング原作の映画の中では、今まで見たどの作品よりも、私はこれが好きかもしれない。

そして宇多丸さんが確かどっかで絶賛してたけど、最後の終わる感じが、すごく映画的余韻を残してすごくいいと思った。これには大賛成。ほんと良いエンディングだった。

俳優さんたちも全員素晴らしい。おじいちゃん役のマーク・ハミルは、マーク・ハミルだと言われるまで気づかなかったけど、素晴らしく、ダンス好きのおばあちゃんも最高に素敵だった。

ただ、まぁ、映画にしては言葉が多いよね。だから言葉が苦手な人はダメな映画かもしれない。

私? 私は言葉、大好きなんで、そういう意味でもかなり好きでした。なんかアメリカ、病めば病むほどいい映画が出てきてるような気がするな。これって何年の映画なんだっけ…2024年か。日本に来るまでに2年もかかってるんだ…

そうそう、パンフレットが売り切れていたのは、おいっっ、配給会社、映画館、やる気ないだろ!とか思っちゃった。

この映画、ハマる人はたくさんハマると思うし、気を利かせてホイットマンの詩集くらい入れることできないもんかね、映画館は。ポップコーンの方が利幅大きいだろうけどさ。

その点、テアトル系とか?はやっぱり仕事が丁寧だよな、と思う。あ、これは余計でした。

そしてわたくすはといえば、ホイットマンの英語ヴァージョンも掲載されている詩集を懇意にしている書店さんに注文しちゃった。

…あっ、すみません、ぼやき老害になってしもた…

そういやロビン・ウイリアムズのあの映画とかも、You Tubeでホイットマンの詩のところしか見てないけど、ちゃんと全編見るかなぁ。ホイットマンを理解したら、アメリカ人が理解できるのかなぁ。

I contain multitudes.

こちらの動画も貼っておきます。You contain multitudes.



あ、そうだ、あと伝統音楽ファンの皆さんは、こちらも。エンディングに流れる素敵なトラックです。宇多丸さんも言っていた通り、空っぽの部屋とこの音楽が、妙に映画の余韻を膨らませてくれます。

私も正直、歌詞を聴きつつ、正直この曲が「Parting Glass」だって気がつくまで、ちょっと時間がかかった。なかなか独創的な歌い回しのヴァージョン。

ちょっとぶっきらぼうな感じもあって、でも、それがすごく沁みます。南アフリカ出身、コロラド在住の音楽家・シンガー、そして農夫という、グレゴリー・アラン・イサコフ。いいね。


◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろし、公式サイトは近日中にアーカイブ化予定。自分の主催公演や招聘はもうやりませんが、2026年も若干の雇われ案件があるので、そちらはゆっくりとやっていきます。

◎よく聞かれるので、ここに載せていこう。最近観た中でベストな映画はこれベストな本はこれです。

◎現在CDの販売は終了してますが、書籍はあいかわらず販売中。アイルランド名盤ガイド。楽曲への配信のリンク(Spotify)や、来日時のインタビュー、エッセイなど充実の内容。ポール・ブレイディ、メアリー・ブラック、マーティン・ヘイズ&デニス・カヒルの3冊です。こちらへどうぞ。

◎神保町すずらん通りのパサージュにてケルト書房という棚を運営しております。ケルト関係の書籍や友人の書籍などを販売中。こちらへどうぞ。

◎アイルランド映画祭、今年もやりますよ! ぜひご来場ください。5月29日よりYEBISU GARDEN CINEMAで2週間。毎日19時から。詳細は公式サイトirishfilmfes.jp  公式X@irishffjp まで。

6月9日にはドーナル・ラニーのドキュメンタリーの映画上映と、ピーター・バラカンさんの解説あり(野崎は聴き役として登場予定)。予約開始はまだ先ですが、今から予定しておいてください。


◎最近、こんな応援記事を書きました。ぺッテリ・サリオラの来日記念盤@Intoxicate

ピーター・バラカン Presents 未来へのプレイリスト 毎週金曜日 ETVにて22:30から放送中。6月いっぱいまで続きます。

◎ケルティッククリスマス2026、発表になりました。今年はアルタンとソーラスが来日。詳細は公式サイトへ。

◎あいかわらず無印良品BGMの仕事はしております。この4月27日より昨年録音にかかわったデンマーク編が配信スタートしております。良かったら、聴いてください。店頭ではすでにその2週間くらい前から流れているようですが、結構まだBGM29のスコットランドもたくさん流れますね(のざき調査による)。

 

◎パンデミック後くらいから作曲家:日向敏文さんのお手伝いしております。昨年の6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリースされました。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中


◎その日向さんは、91年の大ヒットドラマ『東京ラブ・ストーリー』のサントラを手掛けていたわけですが、そちらが35周年記念のリイシューされることになりました。詳細はこちら。 最新インタビューをotonanoにて連載中! さらに今まで配信されていなかった『アナザー・グラフィティ』『妹よ』『陽のあたる場所』『愛という名のもとに』『ええにょぼ』も3月25日より配信スタートしております

◎また「Two Menuets」がこの5月25日よりGucciのキャンペーン「The Original Sinner」で使用されています。改めて聞くと良い曲!  Gucciのキャンペーンサイトはこちら