まだこの映画についてちゃんと紹介してなかった。公開まであと1ヶ月、私の感想を書いておきます。ちなみに宣伝を手伝っているので、多少贔屓バイアス入ってるかもしれませんが、ご存知のとおり、私は自分が本当にすきなものしかプロモーションしていません。
この映画は自信を持ってお勧めできます。
私が最初にこの映画を見たのは実はかなり前の機内放送。英語字幕だった。どのくらい前だろう。その後、ポーランド映画祭で一度だけかかったのは知っていた。2023年だったか?? で、やっと今回しっかりと字幕がついたのを拝見しました。
いやーー すごい。
まずこの映画。オープニングがかっこいい。オープニング注目して、して。スクリーンでちゃんと見るまで気づかなかった!
ポーランドって皆さん、どういうイメージです? 東欧の貧しい国?
いや、今、すごくデザインとかかっこよくなってて、文化に力を入れているのをご存知ですか。そして、それだけじゃなく、実際、文化に深みがあるよね。
だから2010年くらいからこっち、伝統音楽が一番かっこいいのは実はポーランドだと思う。まぁ、これについては、いろいろ意見があると思うので、これ以上は書かないけど、やっぱりヨーロッパは西のパリ、そして東のワルシャワ。これらの場所の豊かさには叶わない。
…とか断言しちゃうとまずいのかなと思いつつ、オープニングのカメラワークとか、タイトルの入り方とか、すごくかっこいいんだよね。なので、このオープニングの演出にぜひ注目してほしい。
そして、それ以降は割と落ち着いたドキュメンタリーとなっています。出演者や先生、シーンの裏側などを描きつつ、このコンクールをあぶりだしていく。
なんといってもこのコンクールのピリピリ度がたまらない。特に若い二人。エヴァとハオくん。エヴァは特にこのドキュメンタリー映画の主役と言っていいんじゃないかしら。
彼女すごい。先生の厳しさがもう尋常じゃない。コンクールということで多くの人が想像する厳しい世界。それをまさに体現しているとしか言えないよ。ほんとヒリヒリしちゃう。でもクラシック詳しい人に聞いたんだけど、彼女ずっとあの先生についているんだって。すごいよね。
そして中国人のハオくん。ハオくんはまた今年もコンクールに参加するそうで、本当に楽しみ。こちらは割と牧歌的な空気。しかし、まだあの先生とラブラブなのかしら…(ちょっと苦笑)
ちなみにエヴァの方は演奏活動に専念するといって、ツアーをするキャリアを優先し、今年は参戦しないそうだ。(最近も日本に来ていた)
ちなみにショパンコンクールって、年齢制限がある。だから去年の反田さんなんて、結構ギリギリだったんじゃないかしら。
それにしても、エヴァとハオくんのように先生と生徒の人間関係もそうだけど、コンテスト参加者同士の様子もすごく面白いのよ。
繊細な空気のマルチン(ポーランド)の様子とか、これはあまり書かないでおくけど、そんなこともあるんだという、そういう結末。なんというか、言葉もないよね。
一方で、比較的落ち着いて素敵だったのが年長組? 日本でもすでに人気のピアニスト、ガジェヴさん。彼は、めっちゃ好印象。
ガジェブ・ファンの皆さん、安心してください。このドキュメンタリーでは、彼の素の部分というか、性格がすごく出ていると思うけど、本当にいい感じ。なんか好位置につけてんだよなー(笑)
性格のいい人度がちょっと滲み出る感じで、これはファンにはたまらないのでは?と思いました。
あ、そうそう、ファンといえば、日本で人気の角野隼斗さんも出てくるよ。っていうか、あれきっと角野さんだと思う、爪をパチンパチンと切る後ろ姿。
そして当然本選に残った反田さんと小林さんも出てきますよ。今回このドキュメンタリーがメインで追いかけてる6人と違って、二人とも余裕を感じさせ、すごくいい感じ…に見えるけど、実際はどうだったのか。
特に小林さん。みんなで楽しそうに写真撮ったりして、彼女みたいな人が、あぁいうピリピリの場にいたら、和むだろうなぁ。素敵。
一方、反田さんは確かひと言だけだけどセリフがある(って台本があるんじゃないんだから・笑>自分)
でもこのドキュメンタリーが注目してる6人に二人は入ってないので、ちらっと出てくる程度。あくまでこのドキュメンタリー、制作はポーランドです。
それにしても、まぁ、こんなにもコンクールですべてが決まるんだね、というのはある。
でもさ、でも、長い演奏家人生。たとえばクラシックの世界、今、たとえば高島さんとかがコンサートの動員力って一番あって、全国のホールが主催したがるわけで、そういうのを知ると、実際どっちの生き方が正しいのかな、とは思うよ。
(ちなみに誤解のないように書くと私は高島さん、結構好きです。音楽ちゃんと聞いてないけど、インタビュー記事読んで感動した。音楽に対する彼女の姿勢が良いと思った)
海外からくるような高いギャラの人であれば、それはもうギャラとのバランスで全国回るとか可能になるわけがないので…
そういう意味でも、何が音楽かって、何が正解なのかって、ほんと疑問よ。そしてその音楽を糧として、いかに社会的存在として生活できるか、ということも。
まさに「オルフェウスの窓の世界」の世界。そしてクラウスのいう「(音楽の)王道」ってなんだろうって思う。でもって、その王道って、ピアノにおいては、ショパンコンクールであることは明確だ。
ショパンといえば、うちのちょっと前にこんな公演を作ったんですよ。農村マズルカの世界。
そこで本当にお世話になったショパンコンクール第5位(1990年)の高橋多佳子さんが、本当にストイックに、リハーサルの空いた時間を見つけて、一生懸命ピアノを弾かれていた姿がとても印象的だった。
ステージを降りたご本人はすごく柔らかいソフトな感じなのに、ピアノの前ではものすごくストイック。それはそれはかっこいいと私は感動したのでした。
いずれにしても今年も世界各地から642名が応募。予選を経て85名が第1次予選に。国地域別では中国29名が最多。続いて日本とポーランドで13名ずつ。
こういうコンクールとかって、日本人が決戦に残らないと日本国内では盛り上がらないのが常だけど、でもぜひショパンコンクールに注目して。そして、この映画に注目して!! この映画を見れば、今年も楽しめること100倍です。
9月26日からEBISU GARDEN CINEMA他。全国で上映です。注目よーー 公式サイトはここ。
佐々木俊尚さんにご紹介いただきました。ありがとうございます。
ショパン国際コンクールに出場した6人のピアニストにスポットライトを当て、彼らの緊張や抑圧、さらには感動や奔放さを存分に描き出してて秀逸なドキュメンタリ。たいへん感動しました。9…26公開、試写。/映画『ピアノフォルテ』公式サイト https://t.co/zohNbnz48w
— 佐々木俊尚 四刷決定!「フラット登山」絶賛発売中 (@sasakitoshinao) August 28, 2025
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◎野崎は、現在作曲家:日向敏文さんのマネジメントおよび宣伝をお手伝いしております。
6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリース。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中。
◎2年前にレコーディングした無印良品BGM29 スコットランド編がやっと公開になりました。良かったら、聞いてください。プロデュースはLAUのエイダン・オルークにやってもらいました。現在無印良品の店頭で聞くことができますし、配信でも聴けます。