グリーンランドは遠くなりにけり…


朝日新聞の極地記者、ナヌークもインタビューしてもらった中山由美さんが現在グリーンランドにいる。

そうそう、機内誌の表紙になったのよね。グリーンランド航空の機内誌はグリーンランド語、デンマーク語、英語の3ケ国語で書かれています。(なお記事のすべてはグリーンランド航空のホームページでDLできます)




結構日本の話題が1/3をしめている。どうしてキングレコードみたいなメジャーレーベルでCDが出せたのか、って聞かれて「僕らのツアーマネジャーは僕らの大ファンで…」とか説明している(爆)。そう、ナヌークのCDはグリーンランドで初めて日本に向けてライセンスされた最初のCDなんです!! 

「子供のころの夢がかなった感じでしょうか?」という機内誌の方の質問にクリスチャンは「いや、正直言って、子供のころ曲を書き始めた頃から、そんなことは夢にも思わなかった。僕らの音楽はグリーンランド人が聞くための音楽だと思っていたから」と。

アンドレアス(ベース)は「とてもクレイジーに思う時もある。特に立ち止まってふと考えてみれば、200万人が聞いているようなラジオで生演奏したり(あの番組のリスナーが200万ってことはないと思うけど/笑)、日本で会場いっぱいのお客さんの前で演奏することはあり得ない事だ、と。でも会場を埋めた半分くらいのお客がグリーンランド語で書かれた歌詞を一緒に歌ってくれたり、また昨年の夏、国内の海岸から海岸へ周り多くの素晴らしい人たちのために演奏したり…本当に夢みたいだよ。こんなこと子供では想像できなかった」と答えています。

日本のファンにグリーンランド語の歌詞は通じるのか聞かれて、クリスチャン「日本の人たちはよく聞いてくれるし、おもしろいことに音の響きが日本語に似てると言われることもあるんだ。僕らの音楽にあるムードを彼等は感じとってくれている」「すごく遠くから来て自国の言葉で歌う僕らのことを、すごく興味深く思ってくれているんだ」「それにしてもこんなに祖国から遠く離れてグリーンランド語で歌うなんて、きちがいじみた事だし、とてもシュールだ」アンドレアスは「ファンの文化も異なっているように思う。たぶんお客さんの種類が違うんだろう。グリーンランドのお客さんはもっとパーティを楽しむような雰囲気だけど、日本のお客さんはすごく意志的に音楽を聴いてくれて、終ったあとサインをもとめたりする」

そして「ナヌークにいるということは、すごく強烈な事であり、いつも人々の大きな期待によるプレッシャーがすごい」とも答えています。クリスチャン、ホントいつも答えることがいいな。「だからいつもベストを尽くさないといけない。僕らの小さい社会にはいまだにヤンテの掟(自分たちは特別ではないという認識が一番大事、みたいな北欧にある心理)が生きているせいか、(人より目立っていると)それは大きなエネルギーを奪われる事だ」「多くの人が僕らも普通の人間だと言うことを忘れちゃってるけど、そういう事は成功したロックバンドにいるとあることだし、幸運にも良い反応の方が悪い反応より多いね」

ツアーは終ったけど、彼等のCDはまだ買えます。キングレコードさん、ホントにリリースしていただいてありがとうございました。そんなに売れなかっただろうから、ご迷惑かけてないといいけど。日本において、ナヌークのことは小さい小さいニュースだったからもしれないけど、グリーンランドにおいてそれはとっても意味のあることで、私はそれに少しでも係れて、めっちゃ幸せに思っているわけでした。だからコンサートチケット買ってくれた人も、CD買ってくれた人も自慢に思ってくれるといいなと思います。ホントにありがとうございました。それにしてもグリーンランド企画は楽しかった。またやれる時が来るんだろうか。(そして、今、私は中央ヨーロッパ企画をあれこれ進めている。お楽しみに!)