『ダニー・ボーイ』はダサいのか…『ダニー・ボーイ』祭。

ちょっと調べものをしてて、いわゆるまとな伝統音楽家からは嫌われている、しかしアイルランドに郷愁を求める人にとっては超・愛されている『ダニー・ボーイ』について、あれこれ聞いておりました。

同じ曲をあれこれいろんなヴァージョンで聞く事を、このブログでは「祭り」と言う。こちらもどうぞ。
LONG GOOD-BYE祭り
PRESSED FOR TIME祭り 
Lakes of Pontchartrain祭り 
Lord Franklin祭り
Fionnghuala祭り
Raglan Road祭り 

で、『ダニー・ボーイ』。不自然にキャッチーなメロディと、伝統音楽にはありえない展開、そしてイングランド人によって付けられた歌詞がいけないんでしょうか。トマス・ムーアの『庭の千草(The Last Rose of Summer』とならび、アイルランドの全うな伝統音楽家からは嫌われている楽曲。 もともとは『Londonderry Air』と呼ばれていた。ロンドンデリーというのが、またいけないのかもしれない。まぁ、この辺の評価はあと150年くらいたたないと、分らないのかもしれません。

たとえば10月に来日するフルックやルナサ、アルタンやシャロン・シャノンあたりに『ダニー・ボーイ』を演奏してよ…と言ったら、私はその場で即刻口もきいてもらえなくなる事でしょう。でも曲自体に罪はありません。探せば良い演奏だってあります。というか,この曲ほど演奏家を選ぶ曲はないのかもしれません。不思議な曲だよなぁ…

例えばこれ。かっこいいねぇ。



伝統音楽ファンにも評価が高いシネイド・オコナーのヴァージョン。



若くして亡くなって、すっかり伝説の人となっちゃったアメリカ人のエヴァ・キャシディ。まぁ,彼女の場合、なにを歌ってもソウルフルで、すごい説得力ではあるのですが…



そして圧巻なのが、これ。マーティン・ヘイズが大絶賛してたグラッペリの『ダニー・ボーイ』。このユーモラスなニュアンスにあふれる演奏が最高ですなぁ。それが返って泣けるというか…。やばいわー。 やばいわー。



しかしホントに『You Raise Me Up』に似てるよなぁ。まぁトラッドだから誰も文句言わないんだろうけどさ…