武田砂鉄『なんかいやな感じ』痛快!

 


うちのコスモスの前に置いてみたけど、花の位置が高くてあまり可愛くない。なんかいやな感じ(笑)

今、本屋にいくと「砂鉄タワー」ができているほどのベストセラー本。うらやましい。うちの吉原センセの本もこのくらい売れるといいなぁ(笑)と羨望の目でいつも見つめている『なんかいやな感じ』。早速読んでみました!

おもしろい。砂鉄さんて小田嶋隆さんの後継者って感じがしてたけど(『災間の唄』は最高の本でした)、これもそんな感じ(笑)なんかいい感じ(笑)

小田嶋さんって本当に素敵で優しい人だったと思う。赤羽の住人だった小田島さん。Twitterが大好きだった小田嶋さん。能町さんが文春もう辞めますって送った時に送ったアドバイスのDMのエピソードや、亡くなる前にお友達を読んで一人ずつお別れの会を持ったことなど、話を知るにつけ、本当に素敵な方だったのだなと思う。

今、自分のタイムラインに小田嶋さんがいないのが寂しい。小田嶋さんだったら、今回のガザの件やジャニーズの件、どうツイートしただろう。

とはいえ本で考えると、私は小田嶋さんの本はアルコールから脱出した本しか読んでないのだ。遺作はまだ積読になってる。いつか読まねば。

で、砂鉄さん。砂鉄さんの本は『災間の唄』以外は読んでない。でもトーンはやっぱりあんな感じである。冷笑しているわけじゃないけど、表面の温度は低め、でも熱い。そんな感じ。そしてユーモアのセンスが最高だ。

この本を要約すれば、砂鉄さんが、子供の頃から今までのキャリアを積むまでのストーリーとともに、「なんかいやな感じ」はいつもそこにあったということを書いている。

なんていうか、結局大人になっているようで、人間って子供のまま。考えることなんてたいして変わらないのよねーーー みたいな感じもする。なんかいやな感じ(笑)

笑ったのはネット上の反応の3種類分類。

喫茶店で隣の女子高生が卒業式で泣くのか話し合ってる。そのことを書いた時のネットの反応。

1  わかる、わかる
2  そんなこと言っているのに本番になると泣いちゃうのが卒業式だよね、微笑ましい。
3  そんなこと友達と決めるのかけしからん

これらを覚えておくと、だいたいのネットの反応はこの1から3に当てままるから笑えるのだ。ほら、1番が来た。ほら3番だと分類していけば、すべてが想定内なのがわかる…などなど(笑)確かにそう思えば、いちいちイライラしなくて済む。

他にも自分に不安感があり、目の前に閉塞感が広がっていると、人はどうしても未来に逃げるとか。そうやって問題を先送りし、現実を見付けないから何も解決されないんだなぁ、とか。

あと子供のころに亡くなった友達のことがふと思い出されたり「時々彼が死んだと言う事実が浮遊してきて、自分の困惑や納得の近くにやってくる。自分のわだかまりにずっと付き合ってくれている感覚がある」とか。いろいろ「わかる、わかる」そんな感じ。

なんだろ結局のところユーモアなのかな。ただそれは人を笑わせようとくるユーモアじゃないけど、低温のユーモア。声を出して笑うんじゃなくて、なんかニヤニヤしちゃう。そんな感じなのかも。なんかいやな感じ…なのかな(笑) 

でも嫌いじゃない(笑)っていうか、おもしろい。

タイトルからして活かしている。とにかく面白いし、本屋さんに行けば必ずある一冊だからぜひ読んでみて。あっという間に読めちゃいます。




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