映画『女性の休日』を観ました! これは本当に素晴らしい!!!!!! 絶対に見て!


久しぶりにプラチナ級のプラチナ映画です。

泣いた。泣いたよーーー こんな感じのドキュメンタリーだとは思わなかった。最後の方はももうウルウル。アイスランドのドキュメンタリー映画『女性の休日

平日の真っ昼間に、ほぼ最前列で映画を見る私にとって、だいたい自分の周りに誰もいないことが多いのだけど、これを見た時(何度も言いますが、平日昼間です)は片側だけ人がいて、それは、おそらくご夫婦で観に来られた感じのカップルだった。

私の隣は男性だったけど、その人もグスグス泣いてた。お嬢さんとかがいるお父さんだったのかもしれない。わかる。気持ちわかるよ。泣ける、泣けるよね!

上映後は拍手まで起こっていた。監督や関係者がいるわけでもない上映後に拍手が起こるの、今年2回目かもしれない。(もう一つは『揺さぶられる正義』でした。感想はここ

こういうこと書いちゃうと、「おまえ、だから感想にバイアスはいってんだろ」と言われちゃいそうだけど、あえて書くけど、これ、実はリアル友人のキノローグの森下詩子さんが配給してるのよ。

例えば彼女が出したマリメッコのデザイナーさんのドキュメンタリーのハンドブックは、うちの棚本屋(渋谷と神保町)でも販売している。

最初に出会ったのは大使館のパーティとかだったかもしれない。ランチを何度か一緒にしたけど、しょっちゅう会ってるとか、そういうんじゃないんだけど、会えば話がめちゃくちゃあう、っていう感じなのである。

そうそう、私がグリーンランドのバンドに入れ込んでた時、ほとんど周りのすべての仲間が彼らを手がけるのを反対する中、「がんばってやるのがいい」と言ってくれたのは彼女だけだった。

そんなエピソード、もう彼女は覚えていないかもしれない。

でも、私は覚えてる! あれは藤沢のTSUTAYAのカフェだったよ、森下さん。絶対に忘れないよ! 確かにあのプロジェクトは大赤字だったけど、私たちの価値観はそんなところにはないの。だから私は森下さんが励ましてくれて嬉しかった。

そして、そうなのよ、こういうのが、わかってもらえるのは、森下さんや私のように、こうやってリスクをとって生きてる人間だけなのよ! じーん!!(涙)

…あ、すみません、興奮しました(笑)

ま、そんなわけで、とにかく森下さんの、彼女の応援のために観に行かなくちゃというのが最初にあった。でも、それが、こんなにすごい映画だとは思わなかったよ。本当に感動。

まず良いのは70分くらいで、あっという間に終わってしまうところ。そうなの、森下さんの映画は短めなのよ。というのは、映画を見終わったあとワークショップをやったり、トークイベントをやったりして考えを深めていくのが、大事だと彼女は考えているから。

映画を見て、はい、終わり、ではない。それが彼女のスタイルだ。

やばいのは… ほんとボロボロ泣けたのは、この「休日」の立ち上がりの苦労もそうだけど、実はこのプロジェクトが成功してからの証言のところなんだよね。やばい。

そして「ストライキ」ではなく「休日」にしましょう、と提案した老婦人のアニメーションのところ。

今、思い出しても鳥肌もの。あのあたりからやばかった…。

そうやって連帯には、ちょっとしたそれぞれの我慢が必要なのよ。自分のこともよく考えてみれば「絶対に譲れない」という部分なんて、確かにそんなに大きくはない。「まぁ、そういう考えもあるよね」ってあると思う。みんなそうだよね。

そしてさ、そりゃー、なんというか、北欧はいいとか、アイスランドはいい、とか、フィンランドはいいとか簡単に言う人は多いよ。「かもめ食堂」とか見て、まったりするのもいいでしょうよ。でも、みんなわかってないよな、と私は思う。

彼の地の人々が日々どんなに努力を重ねているのか、を。そしてどんなに日々悩んでいるかを。

そういや大好きな自由の本に書いてあった。「自由とは、水の中から太陽を見ているようなもんだ」と。足を必死に動かさないと浮き上がって地上に出てしまう。もしくは溺れて沈んでしまう。

手足を必死に動かし、なんとか宙に浮いた状態を保ちながら、太陽を見ているんだ。そういうことなんだと。そういう努力の積み重ねなんだ、と。

自由も民主主義も人から与えられた日本人には分からんだろうが… 

はっ…、また余計なこと言った。もう黙ります!! 

でもね、この映画、すごくいいの。単なる「まったり」「癒される」北欧ってだけじゃないから。

思えば、キノローグさん配給の作品は全部そうだ。ここを眺めてみて。もうすでにあなたが見た映画もあるかもしれない。「365日のシンプルライフ」とか「YARN」とか、とってもいいよ!

そうそう、音楽ファンに知っておいてもらいたいのは、これ、75年の貴重な写真に当時子供だったビョークが映っているらしく、彼女はそれをとても喜び、エンディングの歌を提供したのだそう。素晴らしいじゃないですか! さすが!である。

とにかくみんな見て。都内ではイメージフォーラムでやってます。平日でも混んでますから予約は必須。そして各地の映画館へも、みなさん、ぜひ。

あと自分の街では上映されないとお嘆きの方、ぜひこの映画の自主上映を企画してください。森下さんがきっと相談に乗ってくれるし、自分で行動しなくちゃ、やりたいことなんか絶対に実現しません。それがこの映画の伝えるメッセージ。

はぁ、勇気もらったわー ほんと泣けるわ。ありがとう、キノローグ。ごめん、ちょっと自分のことに引き寄せすぎちゃって、この作品の良さが伝わるようなブログになってないかも。でもこれが、私の正直な、今の想いです。全人類に見てほしい。

パンフレットもあいかわらず素敵。コラムには浜田敬子さんも寄稿してらして、読み応えたっぷり。森下さんの配給にいたるまでのストーリーも必読。






 

◎12月10日 北とぴあの「音楽と本祭」、第2回のテーマは小泉八雲です。佐野史郎さんと山本恭司さんによる圧巻の朗読&音楽のステージ。そして小泉凡先生の解説付き。NHK朝の連ドラ「ばけばけ」の世界をぜひ。特設サイトはここです


◎ポール・ブレイディが12月にケルティック・クリスマスで来日します。チケット発売中。詳細はこちらへ。もうかなり売れちゃってますので、みなさん、お早めに。お求めください。



◎野崎は、現在作曲家:日向敏文さんのマネジメントおよび宣伝をお手伝いしております。
6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリース。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中

2年前にレコーディングした無印良品BGM29 スコットランド編がやっと公開になりました。良かったら、聞いてください。プロデュースはLAUのエイダン・オルークにやってもらいました。現在無印良品の店頭で聞くことができますし、配信でも聴けます

◎公開中。こちらのショパンコンクールのドキュメンタリー映画『ピアノフォルテ』のPRのお手伝いしております。みんな見てね! 公式サイトはここ