社会に出ると、これ、ほんとびっくりしちゃうかもしれないけど、事業体と事業体が話し合いをし、うまくアグリーしたとしても、その相手が言ったことをちゃんと実行してくれるかどうかは本当に不確定
…って、みんな知ってた?
信じられないんだけど、相手は言ったことをやってくれない。ダメなことは、話し合いの段階でダメだと言ってよ。そのための話し合いでしょ?
でもって、メールに返事くれる人なんて、ほんの一握り。どうしようもない相手は、本当にびっくりするけど、すごく多い。いい加減だよね。みんないい加減。
同時に「うわぁー この人、仕事できる。すごいなぁ」という人と一緒に仕事ができることもたまにはある。でも結局は滅多に私の方がやりたかった何かは結果結実しない。というのは、そういう人は、だいたい自分のやりたい事で忙しく、他人の仕事には興味がないから。
一人事業体の私にとっては、そんな世の中をうまく泳いでいくのは楽ではなかった。
とにかく前者の「言ったことは、とにかくちゃんとやってくれる」人をなんとか仲良くし、自分の事業体を支える周りを固めていくしか生き残る方法はない。
そして、なんとか必死で自分のやりたいことを実現するのだ。そのために頑張った。
私は結局は生活も、仕事も、やるのは一人だと思っている。たまに手伝ってくれる相手がいれば、それはラッキーであって、ありがたいことだ。でも結局責任を持つのは自分しかいないわけで。
ま、それでいいんだけど。
だから、私にとってメタカンパニーさんは、大事なパートナーだった。正直、失礼ながら派手な何かをしてくれたことはないものの、真面目で、実直で、言ったことはちゃんと実現してくれる大事な仕事のパートナーだった。
ダメなことは話し合いの段階で、ちゃんとダメだと言ってくれる。それだけでかなり助かる。いや、実際、いいんだよ。それだけで。でも、そんな仕事相手の、なんと稀有なことか!
最初にメタさんと知り合ったのは、リスペクトレコードの高橋さんの紹介だった。高橋研一さん、ご存知ですよね。インディーズレーベルの希望の星みたいな存在の方。私も大尊敬している方。
当時、私はレーベルは立ち上げたものの、CDの販売方法に、すごく苦労していた。なにせキングレコード時代の自分のキャリアは宣伝のみ。ラジオ局や新聞など媒体を回るのは得意だったけど、営業の経験がない。
通常レコ社って、採用されるとまずは営業に配属されることから始まる。つまりレコード店周り。それが最初の仕事だ。その後、宣伝を経験してから、制作(ある意味現場のトップ)に行くのがキャリアだと思うのだが、
私は最初から宣伝で、ずっと最後まで宣伝だった。それはそれでラッキーだったのかもしれないけど、つまり普通のレコード会社マンが持ってる営業経験というものがない。
(そして制作になれなかった理由のひとつは自分が女だったからというのを最近になって自覚した。それはさておき)
なので営業についてはまったく素人で、どうやったらCDが店にならぶのかということに関しては、本当にド素人だった。配給会社=ディストリビューターに頼むものだと知ったのは、だいぶ後になってからである。
最初は某インディ・ディストリビューターさん(R社)に配給をお願いしていたのだが、そこの担当者はいい人だったけど、いわゆる「風呂敷広げる」タイプの男性で、いい返事をする割にCDを全然売ってくれていなかった。
ただただ注文書をファクスで店に送り、そのまま来た数だけしかオーダーをくれなかった。だからRUCD001番のメアリー・ブラックのCDは初回10枚とか、そんな成績だったと思う。ひどいもんだ。
でも発売日をすぎてからもプロモーションができるのがインディの自由で良いところで、そのまま私が継続して動いていたら、ある日、プランクトンの川島恵子社長がリスペクトレコードの高橋研一さんを紹介してくれたのだ。
確かその時の紹介はインディーズの売り方のコツを教えるから、その代わり野崎さん、ラジオの人、誰か紹介して、ということだったと思う。
でもすでに高橋さんは「ラジオの人」は私よりもご存知だった。一緒にTOKYO FMで待ち合わせてお話をしたのが最初だったけど、高橋さんは私が紹介する人すべてを、すでによくご存知だったから、この時の出会いで、メリットがあったのは私だけだったかもしれない。
だから高橋さんにとっては、私は役に立たなかったと思うんだけど、私にとっては、ここがビジネスのターニングポイントとなった。本当に感謝してもしきれない。
それにしても放送局、当時はセキュリティも今みたいにうるさくなくプロモーションに来たレコ社や関係者が吹き溜まれる場所もあったのだった。懐かしい。
高橋さんとTFMのロビーでしゃべりながら、高橋さんにインディのディストリビューターは1社じゃなくていいんですよ、と教えられ、そこからメタカンパニーさん、そして原楽器とかヴィヴィドサウンドさんとも取引がはじまった。
中でもメタカンパニーの当時の担当者、深沢美樹さんには、これまた本当に死ぬほどお世話になった。
最初のアイテムは、深沢さんに背中を押され、何の気なしに販売をスタートしたフランシス・ブラック(今やアイルランド上院議員!)の輸入盤のCDだった。その注文が思ったよりたくさん取れ、タワーの一階で大きく展開されたのを覚えている。今じゃ考えられない時代だけど。確かタワーの1階だけで100枚売ったと思う。
「これはうちとしては数字はかなり良いんですよ」と深沢さんは言った。
そこからは割ととんとん拍子。もちろん、私があと10年早く仕事を始めていたらバブルの波に乗れただろうなとは思ったけど、おかげ様で、レーベル事業は順調に回り始めたのだ。
担当者によって、これほど結果が違うんだ、とちょっと感動したものだった。
その後、私はレコード店は自分で周り営業をして数字を集めるようになった。発売日に向けて実際にお店に行ったり、電話をかけまくったり…。場合によっては深沢さんにアポを取ってもらって、一緒に本部を回ったり…。当時本当にがんばってたよなぁ。若くて頑張り屋の自分(笑)
そのうち深沢さんが退職し、うっちゃん(内山さん)というこれまた出来る女子が私の窓口となった。うっちゃんは本当に真面目で、これまた仕事が丁寧だった。あれこれ愚痴る私のことを本当によくフォローしてくれていたと思う。
うっちゃん、世話になったよねぇ。元気かなぁ。
しかしそのうっちゃんも会社を辞め、その後に担当になった人は悪い人ではなかったが…(この悪い人ではない、というのがミソだ)、この辺はあまり公に語られていないので黙っておく。あと20年くらいたったら言えるかもしれない。
そしてウチの事業がそもそもCDから遠のいたこともあり、担当者の連絡の取れなさもあいまってメタさんとは、しばらく疎遠になっていた。私の担当のその人は色々問題があって会社を辞めていたのを後から知った。ある日高沢社長から丁寧なお詫びメールをいただいたのだ。
高沢さん、真面目な方だ。色々誠意をもって対応していただき、そこから私も本を出したりしたから、来日するアーティストだけ、例えば渋谷のタワーで展開していただいたり。今は日向敏文さんのアナログ盤の配給などでも、お世話になっている。
このかたも非常に良い方で、丁寧にいつも対応してくださる。
それにしても、THE MUSIC PLANTの立ち上げがうまくいったのは、すべて深沢さんのおかげであり、メタカンパニーさんの担当者さんのおかげであるのは事実だ。
実は高沢社長とは直接ちゃんとお話ししたことはない。オフィスでお会いすれば挨拶程度。でも、全レーベル担当者が、高沢さんの大きな懐の下で仕事をしていたのは事実だし、お世話になったと感じていると思う。一つの時代が終わったのかもしれない。
高沢さん、ありがとうございました。なおTHE MUSIC PLANTは、もうCDの販売、そして本をアマゾンに卸すのは終了ということになったのですが、メタカンパニーさんは、新体制で、これからも頑張っていかれるそうです。これからも、日本もワールドミュージックシーンのために、がんばってください!
【お知らせ】
— metacompany メタカンパニー (@metacompany) December 23, 2025
弊社代表取締役社長・高沢章雄が12月13日に感染性心内膜炎のため享年77歳にて永眠いたしました。すでに葬儀は、近親者のみにて家族葬にて執り行いました。ブルース、ジャズ、民謡をはじめ世界中の音楽を愛し続けた77年間でした。生前は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。 pic.twitter.com/5WWiJPn7lN
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◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろすことにしました。公式サイトは近日中にアーカイブ化する予定。
主催公演や招聘はもう行う予定はありませんが、2026年も若干雇われお手伝い案件(笑)があるので、そちらはゆっくりとこなしていく予定です。これからはのんびりと。
宣伝の仕事は続ける「かも」しれませんが、まぁ、それはクライアントさんあってのことだからなぁ。どうなるかなぁ。年に1本くらいならやってもいいのかな…
この日記も自分のペースで続ける予定。fbページは適当なタイミングで閉じて個人アカウントに集約していきます。大好きなTwitterは以前と変わらない自分ペースで続けてます。1日平均30ツイート。はっきり言ってうざいと思う(笑)
◎で、さっそく2026年のお手伝い案件。
最近妙に話題のグリーンランドからナヌークがやってきます。2月24日に恵比寿のYEBISU GARDEN CINEMAにて、『サウンド・オブ・レボリューション グリーンランドの夜明け』を上映。
そしてそこでトークイベントとちょっとしたミニライブもあり。詳細はここ。MCは大好きなキニマンス塚本ニキさん。チケット発売は2月4日。劇場のサイトにて。
◎ショパンコンクールのドキュメンタリー映画『ピアノフォルテ』のPRのお手伝いしております。東京での上映は一旦終了しましたが、これから公開になる地域もあるようです。みんな見てね! 公式サイトはここ。
◎アイルランドのフォークホラー(?)映画、2月6日公開。 映画『FRÉWAKA フレワカ』詳細はこちら。
