岸見一郎&古賀史健『幸せになる勇気』を読みました




この二人の前作に圧倒されて、早速購入、読んでみた。前作の『嫌われる勇気』の感想文はここ。

それにしても今やどこの本屋に行ってもこの2冊はペアで、店頭で大フィーチャーされている。すごいよなぁ。本が売れないって言うけど、こうやってすごい本は、やっぱり売れるのだと嬉しくなる。

っていうか、アドラーマイブームを今頃やっているのは私だけ???

すごいよねー アドラー。本作では、前作『嫌われる勇気』を実践した「青年」が、再び「哲人」のもとを訪れ、アドラー心理学を実践したのにうまくいかないと文句を言うこところから始まる。

確かに色々と頭で理解していても実際に実践するのは本当に難しいし、アドラーを理解できたと簡単に言う人は、本当に理解していないと岸見先生は言う。そうなのか!

アドラーの言う「幸せ」な心のありように到達するのは、本当に難しい。でもこの本はそんな人たちに、確固たる指針を示してくれている本だと思う。

たとえば青年は学校の先生なのだけど、生徒に対するあたり方で悩みがあり、それを哲人に訴えていくわけだ。

悪いことを繰り返す子は、いったい何を求めているのか。その問題行動の5段階などもすごく興味深かった。

そしてその子との関わり方が難しい。例えば相手に評価を与えることで(褒めたり、罰を与えたりすることで)、その子は「褒めてくれる人がいないなら、良い行動はしない」とか「罰がなければ不適切な行動をする」ということになってしまう、と。

そういう世界観、価値観を身につけさせてはいけない、と哲人は言うわけです。(いや、口で言うのは簡単かもだけど、これは難しいよね…)

実際、誰かの支配下に入る方が人生は楽なのだ、と。だから周りの大人も、若い人たちが自立しないように仕掛けてくる。そんな罠に私たちもハマってしまう。でも自立を促すのが本当の愛情であり、一人の人間として相手を尊敬するのが本当の愛情なのだ、ということ。

いや〜 難しいなぁ。実際、わかっていても実践は難しい。

哲人は、そしてアドラーは褒めて伸ばすことも否定してる、という。でもこれは前作でも言われてたよな。褒める・褒めないは人間に上下関係を与える行動だから、と。

そしてそれが、引いては競争原理にを生み、民主主義国家(みんな平等みたいな考え方を言っているのだと思う)をも壊す、と哲人は語るわけですわ…  なんか覚えがありすぎるよ、この感じ。

で、そんな競争社会で、周りは敵だと思うようになったら、幸せになれない。賞罰も競争もない世界を本来は実現しないといけないのだから。

競争原理ではなく「協力原理」を目指す。人はみんな自分の仲間であるという見方をするべし、と。そしてそれが引いては「自分が自分であること」を承認し、相手もそうだと認め合うことを実現する。社会の分業を担っていると思うことで、幸せになれる、と。

と、まぁ、この本を一回読んだ中で、心に残った部分をまとめると、そんなところかな。

確かに前作での話をなぞっているなと思う部分も多いけれど、上記の部分が、とても心に残りました。

それにしても古賀さんの筆にかかると、いろいろわかりやすいよなぁ。

アドラーもすごいけど、これだけのことをこんなにわかりやすくまとめてしまう古賀さんの才能に感動している。これがご本人も言っていることだけど「ライター」の、求められている姿なのかもしれない。わかりやすく書く。それがライターに求められていること。

古賀さんのSNSもすごく良いし、最新作の『集団浅慮』もすごく良かったし、あれに続く次の本も、楽しみに待ってます! 

それにしても頭で分かっていても、すぐ忘れて迷うのが人間で、私もなかなか実践できていないアドラー。とはいえ、私は青年とは違って割とハッピーでおめでたい性格なので、今のところは忘れてても大丈夫かな。

ただこの先人生で迷ったり立ち止まらなくちゃいけないことがあったら、きっとこの本は『嫌われる勇気』とともに読み返すのだと思う。人生の赤本、青本としてウチのプラチナ棚へ直行。何度でも!


◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろしました。公式サイトは近日中にアーカイブ化する予定。自分の主催公演や招聘はもうやりません。ただ2026年も若干の雇われ・お手伝い案件があるので、そちらはゆっくりとこなしていく予定です。

◎現在リリースしたCDの販売は終了しておりますが、書籍はあいかわらず販売しております。

アイルランド名盤ガイド。楽曲への配信のリンク(Spotify)や、来日時のインタビュー、エッセイなど充実の内容。ポール・ブレイディ、メアリー・ブラック、マーティン・ヘイズ&デニス・カヒルの3冊です。こちらへどうぞ。

◎神保町すずらん通りのパサージュにてケルト書房という棚を運営しております。ケルト関係の書籍や友人の書籍などを販売中。こちらへどうぞ。

◎最近はこんな応援記事を書きました。ぺッテリ・サリオラの来日記念盤@Intoxicate

アイルランド映画祭。GW明けに告知スタートしますよ。日程と場所だけ先に発表されています。5/29〜6/11までYEBISU GARDEN CINEMAにて。

ピーター・バラカン Presents 未来へのプレイリスト 毎週金曜日 ETVにて22:30から放送中。6月いっぱいまで続きます。

◎あいかわらず無印良品BGMの仕事はしております。この4月27日より昨年録音にかかわったデンマーク編が配信スタートしております。良かったら、聴いてくださいね。店頭ではすでにその2週間くらい前から流れているようですが、結構まだBGM29のスコットランドもたくさん流れますね(のざき調査による)。

 

◎パンデミック後くらいから作曲家:日向敏文さんのお手伝いしております。昨年の6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリースされました。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中


◎その日向さんは、91年の大ヒットドラマ『東京ラブ・ストーリー』のサントラを手掛けていたわけですが、そちらが35周年記念のリイシューされることになりました。詳細はこちら。 最新インタビューをotonanoにて連載中! 

さらに今まで配信されていなかった『アナザー・グラフィティ』『妹よ』『陽のあたる場所』『愛という名のもとに』『ええにょぼ』も3月25日より配信スタートしております