出張 DAY22  フォルデ・フェスティバル三日目

この日は朝は各国関係者を招いてのノルウェー伝統音楽セミナーがありました。講師は前の晩、素晴らしい演奏を聞かせてくれたハルダンゲルの師匠Håkon Høgemoとノルウェーを代表するヴォーカリストのUnni Løvlidさん。


その後、昼はフォルデ・フューセット(中央公民館みたいな感じの建物)の中ホールみたいな場所に行きドンバスの娘たち Daughter of Donbasの公演。カナダ在住のウクライナ人でジャーナリストでもあるマリチカさんが中心となったクラシック・テイストのグループ。

音楽はもとよりウクライナにおける数々の悲劇が曲間に紹介され、本当にグッとくる。このグループは来日されたこともあるようで、その時の詳細はこちらの熊谷さんのレポートが参考になる東京新聞の記事も。

日本で公演を行った時は詳細な通訳や歌詞対訳も入ったそう。なおメンバーには家族で強制的に連行され生きて戻れたリサさんも参加。いずれにしても、こんなに長引くとは思わなかったウクライナの戦争。今回のフォルデフェスティバルのテーマは「平和」だということを、また噛み締めた。

その後は街の中心部のホールに行きサム・リーの公演。サムは来日公演からだいぶ経つけど、あの素敵な歌声を覚えている人は多いでしょう。相変わらずシュッとした立ち姿が素敵。声もまったく変わってない。

続いてダンス・グループFRIKARをフォルデ・フューセットの大ホール…と言っても1,000人くらいのホールか…にて。これがぜんぜん期待してなかったのに、素晴らしかった! 日本に来てもおかしくないじゃないか。

いわゆるアクロバティックなサーカス的な動きも入れて、かつノルウェーのトラディショナルダンスに根付いたダンス・カンパニー。

北欧神話がベースになっているらしく、狼っぽい巨大なぬいぐるみが登場したり、木の根っこを表現したロープが天井からぶら下がっており、かと思うと、私たちは2階の最前列で見ていたのだが、なんとそこまでダンサーの人がやってきて、天井からぶら下がったロープを使って大熱演。

いや〜、圧倒されました。何がわかるわけではないのだけれど、彼らが見せる物語の世界にどっぷり浸れたというか。特に女王様役のヴォーカリストの女性が素晴らしく、彼女の公演が翌日に予定されているのが、ますます楽しみ!といった感じでした。

続いて、同じくフォルデ・フューセットにてJAWAというシリアのグループ。ベルギーが活動の拠点となっているらしい。

アレッポの伝統的なスーフィズムの伝統と現代的な楽器編成、そしてダーヴィッシュによるあのクルクル回るダンスを融合させた音楽グループ。すごい。

いや〜、こういうグルグル回るパフォーマンス、生で見るの初めてかも!!!  そして指先や手の動きもものすごくコントロールされていて、隙のないパフォーマンス、素晴らしい!!

 


フォルデは小さい会場でも、照明もすごい。
良いスタッフを使っているのがわかる。


このお父さん、すごかったよーーー 

 そして、実はこのあといくつか公演はあったのですが、ここまでで、かなりヘトヘトになった私たちは、それらはパスし(ごめんなさい)、この日、最後に見たのはこちらの女性シンガー。ものすごくよかった!! 

こちらはフォルデの教会でのパフォーマンスで、とても親密な雰囲気。そして、何よりバンドがうまい!!! 彼女はサラエボのシンガーで、社会派のアーティストでもある。なんかショートヘアも手伝って「加藤登記子さんみたい」と思ったのは、私だけではなかったはず。

なんというか、こういう女性シンガーって、包み込むようなパワーがある。ステージでもそのパワーは圧巻。なんというか、バンドのメンバーがものすごくうまく「私のバンドを見て!」っていう優しさ&強さも素晴らしい。

そうなのよ、私に言わせれば、成功している女性シンガーは、みんなバンドがいい。バンドがシャープに上手いと本当に映える。


そしてフォルデの夜はふけていくのであった…。




◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろし、公式サイトは近日中にアーカイブ化予定。自分の主催公演や招聘はもうやりませんが、2026年も若干の雇われ案件があるので、そちらはゆっくりとやっていきます。

◎よく聞かれるので、ここに載せておこう。最近観た中でベストな映画はこれベストな本はこれです。

◎現在CDの販売は終了してますが、書籍はあいかわらず販売中。アイルランド名盤ガイド。楽曲への配信のリンク(Spotify)や、来日時のインタビュー、エッセイなど充実の内容。ポール・ブレイディ、メアリー・ブラック、マーティン・ヘイズ&デニス・カヒルの3冊です。こちらへどうぞ。

◎神保町すずらん通りのパサージュにてケルト書房という棚を運営しております。ケルト関係の書籍や友人の書籍などを販売中。こちらへどうぞ。

◎最近、こんな応援記事を書きました。ぺッテリ・サリオラの来日記念盤@Intoxicate

◎ケルティッククリスマス2026、発表になりました。今年はアルタンとソーラスが来日。詳細は公式サイトへ。

◎あいかわらず無印良品BGMの仕事はしております。この4月27日より昨年録音にかかわったデンマーク編が配信スタートしております。良かったら、聴いてください。店頭ではすでにその2週間くらい前から流れているようですが、結構まだBGM29のスコットランドもたくさん流れますね(のざき調査による)。

 

◎パンデミック後くらいから作曲家:日向敏文さんのお手伝いしております。昨年の6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリースされました。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中


◎その日向さんは、91年の大ヒットドラマ『東京ラブ・ストーリー』のサントラを手掛けていたわけですが、そちらが35周年記念のリイシューされることになりました。詳細はこちら。 最新インタビューをotonanoにて連載中! さらに今まで配信されていなかった『アナザー・グラフィティ』『妹よ』『陽のあたる場所』『愛という名のもとに』『ええにょぼ』も3月25日より配信スタートしております

◎また「Two Menuets」がこの5月25日よりGucciのキャンペーン「The Original Sinner」で使用されています。改めて聞くと良い曲!  Gucciのキャンペーンサイトはこちら