はい、情報解禁! 日向敏文さんの新譜「the Dark Night Rhapsodies」がソニー・ミュージック・レーベルズ/アルファ・ミュージックから6月25日に発売になります。
なんと今回はブタペスト録音のオーケストラ・アルバム。2月の極寒のブタペストで、レコーディング。ハンガリー語や英語がポンポン飛び交う中で、レコーディングが進んでいく様子は圧巻でした。
ちなみに譜面も読めない私は(まったく読めないわけではないけど、読めるとはとても言えない)、譜面のスペアのコピーを抱えながら、口をあんぐりして、見学していました。
この辺のブタペスト日記を参照。もちろん当時はあまりレコーディングのことは書けなかったのですが。
初見でがんがん弾けちゃう天才的なオケの人たち(いや、オケってそういうものなのかもしれませんが)と、TakeにどんどんOKを出したりディレクションしていく指揮者と日向さん、すごい。
(c) Leon Hinata
スタジオはでっかくて、でもあったかくて味があって、素敵な場所でした。古い建物なんだけど、カフェとかは近代的に改装され、おしゃれな感じ。ちょっとポーランドのデザインとかとも似ているかな…
そして、とにかくでっかーい、でっかいスタジオ。このスタジオ、ブタペストのアビーロードって言われてるんだって。
古くて、味があって、扉の取っ手もなんか素朴で素敵。受付の(たぶん英語しゃべれない)おばちゃんの笑顔とか。オフィスのお姉さんが出してくれたチョコレートや紅茶とか。
しかもブースの中で音を聞いた日には… まさに天国でした!(うっとり)
しかしすごいなぁ、オケって。なんというか、ぴたっと楽譜と向き合うその感じ。楽譜の中にすべてがあり、そこでぐっと演奏者と作曲家と対話する、その感じ。そして、そのすべての音がうねるように一つの音楽になっていくその感じ。ちょっとたまらないものがあります。
そのみんなの集中力や音楽を作り出していくパワーや、いろんなもの。それがすごい。いや、彼らは明日は明日の楽譜と対峙していくんだろうけど、すごい仕事だなぁと私は感動するしかないのでした。すごいね、オケ!!(語彙が少ない。すみません)
それにしても日向さん。確かにかなり前から「オケをやりたい」というのは聞いていたのですが、このレコーディングの話を聞かされた時、私はとってもびっくりしました。
そして「野崎さん来年のスケジュールはどんな感じですか?」と聞かれたと思ったら、あっという間にちゃっちゃと日向さんはすべてをお一人でまとめてしまい(笑)、あっという間にレコーディングが実現。
こんなに早くこのプロジェクトが実現するとは思ってなかった!
そしてさらにびっくりすることに今回、日向さんはピアノを全然弾いてないんです。ピアノが出てくる曲もあります。でもそれはオケのピアノの人が弾いた。
日向作品は、オリジナルアルバムからドラマのサントラまでたくさんありますけど、日向さんが楽器を触ってないのは、初めてじゃないかしら。
今回のこれは日向さんが、100%作曲家としての自分に徹した初めての作品ということになる。そして初めての全部オケアルバムということになります。
そして、帰国してからが、これまたすごかった。レジェンドの! あのオノセイゲンさんがエンジニアと聞いて、私は野次馬気分でスタジオに遊びに行きました。しかもスタジオは音響ハウスというじゃないですか。素敵! 音響ハウスに行ったのは初めてじゃないけど、かなり感動。
そしてここからがマジック。セイゲンさんと、アシスタントの竹田さんのやり取りの中で、日向さんの中の何かのスイッチが入った!? 予定していたミックスの日程は、3日、あと3日、今日もあわせてあと3日(笑)と延びていき、結局合計11日に!
その辺の日記はここ
なんせ62トラックあるからね。すごいんです。音響ハウスで行ったミックス&エディットは、オノセイゲンさん、そしてアシスタントの竹田さんの、凄技によるもの。いやー、すごい。
私は当初スタジオに遊びに行って、ちょっと顔を出してフェイドアウトするつもりだったのに、日向さん、セイゲンさん、竹田さんのすごい連携作業にすっかりやられてしまい、結局1日をのぞいて毎日ミックスに立ち会う羽目に。
だって、目が離せないんだもの。これが音楽に向かう男たちの世界ってことなのか? ちょっと私とかが入れない世界。男の人たちって、すごい、とちょっと思ったのでした。そんなの今、流行らないのかもしれないけど、こういうパワーには本当に感服するしかありません。かっこいい。
いやーーー すごい。これがチームなんです。お互いがお互いに燃料注入?なのか、とにかく手を抜かない。完璧な音楽を目指す、職人たちの熱気に、私もすっかりあてられてしまったのでした。(そして音響ハウスで大貫妙子さんも御用達だというお蕎麦屋さんからの出前に感動しました)
…と、ここまでスタジオの中でウロウロしながらも、全然役にたっていない私だったのですが、ここからが私の仕事の本番。こんな素晴らしい作品、頑張って世に出さないと!
宣伝活動、死ぬ気でがんばらなくちゃ! 日向さんにインタビューし、プレスリリースを作り、あれこれあれこれまとめて、とにかくやること山積。それがFLOOKの来日準備と重なって、けっこくオーマイガーな感じなんですが、いや、自分の音楽仕事人生、こんなにワクワクすることはありません。すごいもんが出来ちゃった!
特に今回のアルバムから私は光栄にも日向さんのマネジメントにも関わっていくことになり、本作のクレジットにはPRだけじゃなくて、マネジメントとしてクレジットを入れてもらえることになりました。まさかの昇進?!?? これは責任重大です。
でもって、すごいのはこのアルバムそのものなんです。なんとA面、B面あわせて45分くらいしかない。見事に短い。びっくりするくらい聞きやすくて、あっという間に終わっちゃう。
だから全然飽きない…っていうか、あっという間に終わっちゃう。だから普段クラシックとか、オーケストラとか退屈とか、長いとか思っている人にこそ、このアルバムを聞いてほしい。
本当にメロディの美しさを出し惜しみしてない一方で、まったくもって潔く終わっていくというか、とにかく細部までしっかり練られた構成で、まったく無駄がない。まるで45分の一本の映画を見ているよう。
今回スーパーオーディオCDで、なんとCDは¥ 4,400もする。アナログもかなり高額です。でも配信でも普通に聴けますから。一度みなさんに聞いてほしい。とにかく聞いてほしい。それだけです。
アートワークも、ほとんどのディレクションを日向さん自らが務め、THE MUSIC PLANTではおなじみの高橋そのみさんがデザインを担当してくれました。まさにドリームチームの傑作。
実は裏ジャケットがなかなか素敵なんです。そのうち日向さんから発表があるんじゃないかな。日向さんのインスタグラムでの発表を楽しみにしていてください。
CDはスーパーオーディオとのハイブリットというやつで、SACD面にはミックス違いのトラックもたくさん入っているんだって。これも、実はセイゲンさんのアイディアなんですよ。すごくないですか?
私もプレイヤー買っちゃおうかな? ハイレゾ配信もあるし、オーディオマニアの皆さんの注目を集めそう。
アナログ盤も、同じ日に発売になります。こちらは日向さんの自主レーベルPremièreから。しかもこのアナログ盤、ダブルジャケットなんですよ! すごいでしょ。いや、入っているのは1枚だけなんだけど。
マスターとともにデザインはすでにもうとっくに東洋化成さんの工場に入れているので、あとは出来上がってくるのを待つだけ。出来上がってくるのが待ちきれません。やばい!
というわけで、ここを見ているメディア関係者の皆さん、ぜひご紹介記事、ご取材、もろもろ絶賛受付中ですので、よろしくお願いいたします。プレス資料揃えてお待ちしております。というか、これから野崎がこの件で、みなさんのところに押しかけますので、どうぞよろしくお願いいたします。
そして日向さんの音楽とか、今まで興味なかった人も、ぜひSpotifyとかそういうところで聞いてほしい。とにかく、聞いてほしい。ひたすらそれだけです。
加えて、このアナログ盤を多くの人に聞いてもらうため、ご協力いただける場所を探しています。なにせこちらはインディーズですから。全国のバーやカフェのオーナーの皆さん、ぜひ野崎までコンタクトください。
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日向さんのプロモーションも佳境だというのに、フルックの残りのメンバーは今夜来日します。まずは明日からのツアー。がんばります。
FLOOK 2025
23 April(水) Shibuya www(こちらはスタンディング+多少椅子あり)
24 April (木)Shibuya www(こちらは全員着席公演)
26 April(土)春のケルト市(豊洲)
27 April(日) 横浜 Thumbs Up
28 April (月)名古屋 Tokuzo
30 April (水)京都 磔磔
詳細はこちら http://www.mplant.com/flook