#pbmff レポート9 『Tokyo Melody Ryuichi Sakamoto』を観ました

©Elizabeth Lennard


1時間ほどのドキュメンタリー。もともとテレビの作品だったそうです。フランスの監督が東京にやってきて1週間ほどの滞在中に撮った。そういう作品なのだそうです。

ピーターさん、作品の中で数ある「ヨロシタ」スタッフの中に名前がクレジットされていますが、実際、坂本さんとは、例えば外出する時にアテンドしたり、ということはあまりなかったそう。

で、ドキュメンタリーですが、これが実に面白かったんですよ! 私はあまり坂本龍一さんの音楽については詳しくありません。でも80年代の懐かしい東京の風景。いや〜、なんか面白かったです。やっぱり監督の視点がはっきりしているドキュメンタリーはすごくいい。

スタジオの様子。がっちゃんがっちゃん言いながらディスクを読み込むコンピューター。緑のビット数が少ないモニターの文字。車の中のテレビ電話。スタジオアルタの大きなモニター。銀座線。そして山手線。フランス人監督が見た80年代の東京。

フランスのINAという国営放送で、教育テレビみたいな位置の放送局で当時放送されたそう。まだまだ日本という国がエキゾチックだった時代ですね、とピーターさん。

監督と坂本さんは1983年デヴィット・シルヴィアンのレコーディングでベルリンで出会って、ピーターさんもその時一緒だったそうです。その翌年、監督はフランスから東京にやってきたのだそうです。

あ、なんかすでに上映後のトークのレポート書き出してますが、すみません、またもや私の手書きメモをもとにしているので、間違いや誤解があったらすみません。文責:のざきでお願いいたします。

坂本さんですが、ちょうどこの撮影の時は『音楽図鑑』のアルバムを録っている時だったのではないかな、とのことでした。映っているスタジオはおそらく音響ハウス。

ピーターさんはとにかく当時ヨロシタの事務所の社員で、英語の仕事を一手に引き受けていた、と。

この日のトークの質問役を務めた佐向大さんによると、一部に96年公開って情報がありますね、とのこと。ピーターさんは、でもそれは記憶になく… それでも84年当時にビデオ(VHSとか?)で見たんじゃないかなぁ、とのことでした。

東京の街がすごいですよね、とピーターさん。この辺はピーターさんも日本に来て10年くらい経っているので、鮮烈に覚えていて懐かしく思ったのだそう。機材もフェアライト(?)とか、すごい高い機材ですよね。あれはオーストラリアの機材じゃなかったかな…と。

このあと映画の『ブレードランナー』が84年ですよね、と佐向さん。なるほどどういう時代かぁ。

そして、お祭りのシーンとかもすごい。会場からはあれはあのお祭りだ、と声があがっていました(そして、お祭りの名前を失念。すみません)。

それから注目のアッコちゃん(矢野顕子さん)とのピアノの連弾シーン。今となっては貴重。当日、彼女は一緒に演奏する予定はなく、ノーメイクで、手には大きな絆創膏が(笑)。場所はおそらく高円寺あたりの自宅ではないか、とピーターさんの考察。

なので、演奏はあまり楽しくない感じでスタートしたんだけど、アッコちゃん、途中から体を揺らしたりして楽しくなってきた感じも感じられて、いいですよね、とピーターさん。

坂本さん、亡くなって3年。監督のエリザベスさんは去年来日して、ピーターさんは久しぶりに会って、そういえばそういう作品があったな、とこの作品のことを思い出したのだそうです。(今でもエリザベスさんとはメールのやりとりなど時々交流があるそうです)

佐向さんに「坂本さんってどういう人でしたか」と聞かれて、「基本映っている感じとほとんど違いはないです」とピーターさん。

「頭がいいし、物事をコンセプチュアルにとらえるところとか。気さくだけどシャイなところもあって、でもって結構早口。頭の回転が早いんだろうなと思う」とのこと。

面白いフレーズやリフが瞬時に出てくるみたいで、タクシーに一緒に乗ったときに見たんだけど、メモを取るノートが五線譜だった。(曲のアイディアをすぐかけるように、ということだったのでしょうか)

本作品中、曲は30曲書いて10曲だけ採用、残りは捨てる、と言っていたけど、本当にたくさん書く人ではあった。特にCMなどの仕事はとにかくあっという間に出来ていた。もちろんCMとは、そういう時間をかけられない仕事だというのはあるけれど…。そしてアイディアを固めるのも、坂本さんは、ものすごく早い。

東京のスタジオもすごく高い時代で、でもお金もあったし、逆に厳しい条件下の方が、実は結果が良いことがあったかも、と。

ピーターさんは雇われの立場ではあったし、彼の仕事に何かいうことはなかった…とのことですが(今思えば、もったいないような気もしますが、でも立場上、それは理解できますよね…)、一緒に飲んでる時に音楽の話をすることもあったそうです。

佐向さんが「本当にタイムカプセルのような東京ですね」とおっしゃってましたが、いやはや、ほんとにそういう作品でした。

おすすめです。まだ何回か見られるんじゃないかな。詳しくは映画祭のサイトへ。



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