#pbmff レポート10 『みんながモントルーにやってきた』を観ました

They All Came Out to Montreux

©︎Mercury Studios Ltd. 

 9月22日(祝)。シルバーウィークって、ずっと休みなんですね。で、見てきました。まずは『みんながモントルーにやってきた』

モントルー音楽フェスティバルの創始者であり、守護神であるクロード・ノブスの物語。スイスの小さな町、モントルーで生まれたジャズフェスティバルが、やがて世界に知られるまでのストーリーを描いたドキュメンタリーです。

1967年、もともと旅行畑にいた彼がフェスを開始した当時。アトランティック・レコードがだいぶ協力したようなんですが、まぁ、スイスですから、お金も潤沢にあったんだろうなと、勝手に想像したくなります。

私も伝統音楽をどっかの地方都市の村おこしに使えないかなと思ったり、企画を考えたりすることもありましたが、なにせお金がないと始まらない。

では、果たしてそれを地元のお金持ちに頼るのか? それでは持続性がない。

一方アーツ・カウンシルみたいなところは、日本においては、ヨーロッパみたいに全額出してはくれない。予算の半分も出してくれればいい方。アートはお金も時間もかかるというのが理解されないとなかなか難しい。

話がずれました。そして感じたのは、映像に映るモントルーでのミュージシャンたちのリラックスした表情。とにかくビックな音楽家というのは自国ではなかなか窮屈なもんなんだな、と思いました。

今も昔もミュージシャンはみんな海外に行きたがる。そして、それは正しいことなのかもしれません。いろんな意味で。

それに、アメリカよりも、ヨーロッパの方が居心地がいいってのは、まぁ、なんかずっとそうだったんだろうな、と想像します。ヨーロッパの方が音楽に対するリスペクトがある、って他の映画でも誰かが言ってたよな。

ちょっと笑えたのは、金食い虫クインシー・ジョーンズの数々のプロジェクト。しかもバブルの頃。いやはや、さぞ、高かったんだろうな、と(笑)。

それこそマイルスなんかは、もう高齢だっただろうし、すでに音楽のスパーク度という意味では疑問だったと思うのですが、高かったんだろうなぁ、と。そういや日本でも某ライブハウスが呼んでましたよね。オープニングにマイルスを。お金で動く人だったのかな。それはそれで、なんか感じるものがありますが。

でも、こういったことがモントルーの名前をまた音楽シーンの中で一段と上にあげた、と映画の制作者は評価しているというか、良く思っているようでした。

クロードは2021年、スキーの最中に事故で昏睡状態となりローザンヌの病院で亡くなったそうです。享年76歳。

今は息子さんがアーカイブの整理に関わっているようです。(デジタル化に14年かかったそうです)。すごいよなぁ。とにかく記録は大事です。特にAI時代。記録されてないものは、ないのと同じです、ほんと。

それにしてもレコーディング・スタジオまで作ったりして、すごい。アルバムをその地で作って村おこしにするような、アーティスト・イン・レジデンスのコンセプトは、今ではとても流行っていますが、その先駆けだったとも言えるかも。

マイルスはもちろん、デビット・ボウイ、ヴァン・モリソン、スティング(声がしっかり出てて、すごく良かった)などのライブ映像もよかった。もちろんアリーサ・フランクリンも。

会場にしていたカジノの火事が、ディープ・パープルの「Smoke On The Water」のインスピレーションになったというのは有名なエピソード。

それにしても、ある意味、いい時代だったのだなぁ、としみじみしちゃった。いや、時代のせいにしちゃいけない。今、私たちは私たちで、自分たちが出来ることを考えなくちゃね。

本作、まだピーターさんの音楽映画祭で何度かかかるようです。詳細はこちら。



◎96年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろし、公式サイトは近日中にアーカイブ化予定。自分の主催公演や招聘はもうやりませんが、2026年も若干の雇われ案件があるので、そちらはゆっくりとやっていきます。

◎10月31日(土)のこちらのイベントの制作をお手伝いしています。大田区民プラザにて「ケルト・ハロウィン・フェスティバル」メインはO'JIZOのコンサート。CDも発売になるよ!

◎ピーター・バラカンさんの音楽映画祭の応援団やってます! 今回も充実の内容。公式ページはこちら。我らがドーナル・ラニーのドキュメンタリーIN TIMEもかかりますよ! 7月26日は山口洋兄貴もトークで登壇します。ぜひに!


そのピーターさん、音楽映画の本も出ますよ。こちらに詳細を載せました

◎よく聞かれるので、ここに載せておこう。最近観た中でベストな映画はこれベストな本はこれです。

◎ノルウェーのフォルデ・フェスティバルに行ってきました。そのフォルデのレポートをONTOMO Webに載せていただきました。Tower Records MIKIKIにも。ありがとうございます。

◎アイルランドでメアリー・ブラックのラストコンサートを見てきました。レポートはこちら。セットリストをプレイリストにしました。

◎アイルランドでポール・ブレイディの3夜連続公演を見ました。レポートはこちら。最終日の様子はここ。セットリストをプレイリストにしました。

◎ドーナル・ラニーのドキュメンタリー『In Time』。自分の感想。出てきたアーティストの紹介。Frank Harte / Zoe Conway / Méabh Ní Bheaglaioch / Seosamh Mac Grianna。また関連楽曲を集めたプレイリストを作りました。楽曲解説も書いたよ

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