退院、なう


退院するタクシーをお店の前につけて、王子のやすけ寿司を買ってかえった。ここは本当に美味しい。

やっと人間生活に戻ったー!! 今回も手術はそれなりにきつかった。が、手術から2週間たった今、そのほとんどを覚えていないという超おめでたい性格の自分にあきれる。

手術が終わったあとの数日は、もう二度と外科手術は嫌だと思ったのだけど、今はまた同じことがあっても別にいいかなと思ってしまう。やばすぎる。また来年同じ手術となっても、OKしちゃいそうである。

手術は金曜日に行われ、そのせいか土日は集中治療室行き。あそこは野戦病院以外の何ものでもない。本当に辛かった。忘れる前にここに書いておく。

痛みは強烈な痛み止めのもと、ほぼ大丈夫なのだが、トイレに自分で行ってくださいと言われ、吐き気マックス。ご飯を出されて「こんなの無理」と実際に戻してしまい、ぐったり。全身麻酔ってこんなにすごいダメージなのか。そして痛み止めよ。痛み止めと吐き気はいつも攻防戦なのだ。どっちを優先するかは患者が自分で決めるしかない。

しかし続いて月曜日に管のほとんどが取れる(早い!)と、すでにもう楽になっちゃうんだから、人間はすごい。

そのあとは点滴なし、タブレットでコントロールできれば退院である。しかし「いたみ止め」を先生が与えすぎたのが肝臓の数値に来てしまい、退院予定が3日も延びてしまったり。なかなか「完璧なコントロール」からは程遠い。あくまで身体の中は大自然なのであった。

それにしても今回も病院のご飯が無理すぎて、食べられないというのが、やばかった。自分の生き物としてのステージの低さが情けない。

普段は極地探検に憧れるとかバカを言ったりしているのに。こんなんでは極地どころか来たる震災だって怖すぎる。なんでも元気に出されたものは食べれる、ということは生き物にとってとても重要な要素なのだ。(っていうか、動物はそれ出来るよね。まったく情けない。60にもなって…)

というわけで、途中から追加300円ちょいでアップグレードできる「特別有料食」に変えてもらった。そしたら食事はかなり進むようになった。本当にありがとう。次回からは、ずっとこれにしよう… お金で解決できるものは解決するに限る。

下の写真はある日の「親子丼」そして「冷麺」。作ってくれた皆さん、ありがとう。


あと今回楽しかったのは、リハビリタイムがあったこと。比較的若めの患者が日中ごろごろ寝ているのはよくないというわけで、リハビリの時間が1日に40分ほど設けられたのだ。

まるでジムに行って専任トレーナーさんがついてくれたように、27歳の若い先生に見守られながら、ウォーキングマシンに乗る。

S先生、面白いんだ。30以上も下なんだけど、向こうは先生だから基本、ため口(笑)。でも普段からいろんなエクササイズを研究したりして、勉強熱心でいい先生だった。

美味しいものが好きらしく彼氏とすごいフランス料理を自作したり(写真見せてもらったらマジですごかった)、「どこどこの何が美味しいよ」というと、ものすごい勢いで携帯でググる(笑)。

そしてうなぎや寿司は私よりもいいものを食べてる。最近の若い子はすごいな。私なんてカウンター寿司なんて45前に食べてないと思うよ。

そのくせ「きゅうりが嫌いだ」「きゅうりには意味がない」とかいうので、「それはよくない。きゅうり、英国、サンドイッチでググってみせ」と言うと「すごい、貴族の食べ物って書いてあるぅー!」とか言って、素直に驚いてくれる。

「紅茶は100度、緑茶は70度」とか言うと「えーーーっ、お湯って全部100度じゃないの?」とか言ってる。ふふふ、私の方が長く生きてるだけ、ま、経験値はちょっとだけ高いな。

ちょっとマンスプレイニングになってたかも、私。でも先生との毎日はとても楽しかった。ありがとう、S先生。教わったエクササイズ、退院後も続けます。

もちろん看護師さんに優しくしてもらったのは、言うまでもない。看護師さんってどうしてあんなに「プロ」なんだろう。すごいと思う。でもいろんな看護師さんに話しかけたのが、誰も映画『ナースコール』を見てないのが、なんとも…確かにそんな余裕、どこにもないのか。

そして病室で見聞きする、他の患者さんの、多くの人間模様よ。それは何よりも興味深い。自分がいかに恵まれているのかよくわかる。

私にとっては、病院とは、まさに海外旅行に行くよりも振れ幅の大きい別世界。すごい気分転換になった。新しい仕事のアイディアがボンボン浮かぶのがすごい。ま、でも、もう仕事はしませんよ、私は。

昨日はそんなわけで午後病院から戻り、そこから洗濯2回、入院中に来ていた通販を出すため郵便局へ(徒歩12分。死ぬかと思った)。その帰りにスーパーによって果物をたくさん買って大富豪気分(しかし死ぬほど重かった)。ベランダの枯れた植物を掃除し、郵便物を整理(ほとんどDM)。

今日はたまったメールの処理と選曲と原稿も1本書かなくちゃちゃいけないが、基本ずっと家に入れるので、少し安心だ。

というわけで、昨日の午後帰宅して、外科手術からの早期リカバリーに向けて  理想のプログラムスタート。あくまで希望的観測ですが…。

 起床5時(病院より1時間早) 
 朝2kmのウォーキング (ランニングは一ヶ月禁止)
 朝ごはん8時(病院と一緒) 
 昼ごはん12時(病院と一緒) 
 夕ご飯6時(病院と一緒) 
 シャワー 寝る前(湯船はまだNG) 
 就寝23時(病院より1時間遅い) 

すぐ崩れるのはわかってるが…数日だけでも。

そして、今回もお見舞いに来てくれた皆さん、本当にありがとう。みんなの顔をみると元気になるよ。来た皆さん、私があまりに「入院ハイ」なので、びっくりしてた。

そしてまたもや病院勤務のNに本当にお世話になりました。あなたがいなかったら、絶対に無理だった。本当にありがとう〜。


◎1996年からかかげてきたTHE MUSIC PLANTの看板は2025年12月にて下ろし、公式サイトは近日中にアーカイブ化予定。自分の主催公演や招聘はもうやりませんが、2026年も若干の雇われ案件があるので、そちらはゆっくりとやっていきます。

◎よく聞かれるので、ここに載せておこう。最近観た中でベストな映画はこれベストな本はこれです。

◎ノルウェーのフォルデ・フェスティバルに行ってきました。レポートを書いています。初日は1つか公演を見ていません。2日目以降のリンクは2日目3日目4日目5日目

◎そのフォルデのことを記事にしていただきました。ONTOMO Web

◎アイルランドでメアリー・ブラックのラストコンサートを見てきました。レポートはこちら。セットリストをプレイリストにしました。

◎アイルランドでポール・ブレイディの3夜連続公演を見ました。レポートはこちら。最終日の様子はここ。セットリストをプレイリストにしました。

◎ドーナル・ラニーのドキュメンタリー『In Time』。自分の感想。出てきたアーティストの紹介。Frank Harte / Zoe Conway / Méabh Ní Bheaglaioch / Seosamh Mac Grianna。また関連楽曲を集めたプレイリストを作りました。楽曲解説も書いたよ

◎現在CDの販売は終了してますが、書籍はあいかわらず販売中。アイルランド名盤ガイド。楽曲への配信のリンク(Spotify)や、来日時のインタビュー、エッセイなど充実の内容。ポール・ブレイディ、メアリー・ブラック、マーティン・ヘイズ&デニス・カヒルの3冊です。こちらへどうぞ。

◎神保町すずらん通りのパサージュにてケルト書房という棚を運営しております。ケルト関係の書籍や友人の書籍などを販売中。こちらへどうぞ。

◎最近、こんな応援記事を書きました。ぺッテリ・サリオラの来日記念盤@Intoxicate

◎ケルティッククリスマス2026、発表になりました。今年はアルタンとソーラスが来日。詳細は公式サイトへ。

◎あいかわらず無印良品BGMの仕事はしております。この4月27日より昨年録音にかかわったデンマーク編が配信スタートしております。良かったら、聴いてください。店頭ではすでにその2週間くらい前から流れているようですが、結構まだBGM29のスコットランドもたくさん流れますね(のざき調査による)。

 

◎パンデミック後くらいから作曲家:日向敏文さんのお手伝いしております。昨年の6月25日に新作「the Dark Night Rhapsodies」がリリースされました。こちらが特設ページ(Sony Music Labels)。アナログ盤と、ピアノ小品集の楽譜は日向さんのサイトで通販中


◎その日向さんは、91年の大ヒットドラマ『東京ラブ・ストーリー』のサントラを手掛けていたわけですが、そちらが35周年記念のリイシューされることになりました。詳細はこちら。 最新インタビューをotonanoにて連載中! さらに今まで配信されていなかった『アナザー・グラフィティ』『妹よ』『陽のあたる場所』『愛という名のもとに』『ええにょぼ』も3月25日より配信スタートしております

◎また「Two Menuets」がこの5月25日よりGucciのキャンペーン「The Original Sinner」で使用されています。改めて聞くと良い曲!  Gucciのキャンペーンサイトはこちら